小田原市で(1/18〜2/17)無防備直接請求署名スタート!
           1万筆実現へ、全国の支援を!                     

                  08年22号2面 小田原無防備平和条例をめざす会 河辺邦夫 
  
 小田原署名始まる!

 1月18日金曜日、全国22番目、神奈川県下では藤沢に継ぐ2番目の挑戦として、小田原市に対する無防備平和都市条例制定を求める直接請求署名運動が始まりました。
 18日朝一番で小田原市長印の押された「請求代表者証明書」を受け取り、日頃支援をいただいている日本基督教団小田原教会で署名簿の最後の印刷作業を行いました。午前中には署名簿作成作業も終了し、いよいよ午後1時より小田原駅東口で駅前一杯にのぼり旗をたてて初めての署名行動開始です。

 市民の熱い反応で好スタート

 これまでの準備を進めてきた会の事務局の仲間もおそろいの色のジャンバーで街頭に立ちます。神奈川、東京はじめ、昨秋札幌市で無防備署名運動を事務局として支えた仲間も支援にかけつけてくれました。「署名集まるだろうか。」「どう語ればよいか。」という不安と緊張の中での署名開始でしたが、5時までのわずか4時間で207筆が集まりました。
 翌日19日土曜日はいよいよ、本格的な署名行動の始まりです。

 9時開始の小田原駅東口には請求代表人全員、事務局員、これまで支援していただいたキリスト教教会関係者、受任者を引き受け、署名簿を受け取りに来た方など50名を越える仲間が集まり、エイサーの踊りをオープニングの合図にスタート集会を開催しました。
 
 集会後は小田原駅東口、周辺商店街にわかれて署名行動。乳児を乳母車で連れ、家族で参加しチラシを配る若い支援者や、夕方5時まで一日チラシを一緒に配り続けた年配の方、チラシを見て「是非手伝いたい。」と署名板をもって立つ方など熱い熱気で駅周辺をうめつくし、東京、神奈川の支援の仲間と共に1日で538筆を街頭で集めました。

 「署名待っていた」との反応

 署名行動は始まったばかりですが、朝日新聞、神奈川新聞にも記事が掲載され、市内全世帯おり込まれるタウン誌にも写真付きで一面に運動が紹介され、「新聞を見た。この署名を待っていました。」と声をかけてくれる人、自ら事務所や駅前に署名をしに来る人など小田原市民の皆さんの反応は熱いです。
 
 法定数突破!支援を!

 法定数は約3.300筆。2月1日には、法定数を突破しました。最終日17日まで、小田原市民1万筆の署名を集めきる事を目標にがんばりたいと思います。
 全国の皆さん、ブログを毎日更新しています。見てください。小田原に応援に来て下さい。カンパも大歓迎です。いざ!小田原へ。

                  市民の平和への思い引き出す4月署名開始へ奮闘中!
                                                      08年22号3面 尼崎市   高島ふさ子
   
   昨年末 会を結成

 4月署名行動をめざす尼崎市から報告します。
 昨年末12月16日に「尼崎市に平和無防備条例をめざす会」結成会を、50人の参加で開催しました。会代表近藤さんから、「尼崎市は空襲で工業地帯が破壊され、戦後復興しましたが大気汚染と公害に苦しんだ地域であり、克服しつつある。隣接する伊丹市に自衛隊の総監部と第4師団がある。有事には通過地になりうる。その尼崎市で国民保護計画が具体化しようとしている。いまこそ条例実現に向け全国の仲間と同じ思いで取り組みたい」と熱く決意がのべられました

   軍隊は住民を守らない

 記念講演では、兵庫県沖縄県人会相談役の宮城正雄さんから、「沖縄の人々は何よりも命どぅ宝、命を大切にする。沖縄戦での集団自決は強制されたものだ。最近宮崎県の東国原知事が「徴兵制があってもよい」というような発言をしたが、それをあまり問題にしないことを危惧する。徴兵制の悲惨さを知る世代が今しっかり発言をしなくては。」と訴えられました。「軍隊は住民を守らない、命をうばう」この事実をしっかりおさえた結成の集いになりました。
 
   条例案を検討

 月1回の相談会で、条例案の検討をしてきました。もっと知りたい、疑問に答えたいと思っていたところ、1月に再度、前田朗さんと学習する機会に恵まれました。国際法と地域の平和力を確信しようとの勉強会です。戦争の違法化の歴史と憲法9条を活かす運動としての平和無防備条例運動について、講演を聞きました。会場からは「もっと条例の平和を作る力を強調するとよいのでは。尼崎港が整備されている。もしも軍艦が入港するような事態になったときどうするのか。阻止できるのか、そんなことも考えていく必要がある」と積極的な提案がありました。

   市長と面談

 その勢いでというわけではありませんが尼崎市の「市長室トーク」に会として応募し、1月26日に市長と面会することができました。「署名運動に終わってしまわないように。本当に実効性のあるものですか?」など質問がありました。まずはこちらの思いと決意を伝えることができたと思います。ついでに「平和をつくる」無防備ビデオを進呈しました。
 
   4月署名開始へ

 4月に条例をめざす直接請求署名を考えています。もうあまり日がありません。今求められてるのは、賛同を広げる宣伝を通して一人ひとりに伝え行動化していく工夫です。この運動が市民の平和へ思いを引き出す取り組みであることを確認して自分たちの行動で示していきたいです。
 2月〜3月に学習会、上映会、フィールドワークを重ね、4月の署名開始のつどいにつなげたいと思っています。寒さに負けずがんばります。
            
           名前も新たに札幌無防備運動 再スタート!

                                         08年22号4面 札幌市 谷百合子
 
  札幌市議会「無防備平和条例」を否決

 12月4日、請求代表者4人の意見陳述を行った。1時間を要求したが、30分に減らされたので、皆、早口での発表となった。満席の傍聴者80名の熱い思いを感じながら、トップを切って谷が街頭で署名した人の思いを伝え、次いで浦部さんが、9条改正にまつわる戦後の危険な動向を、矢口さんは「基地の町」「前島」と自作の詩の朗読を、森さんは自治体学研究者として条例反対の市長意見書に対する見解を述べた。各自の湖西にあふれた陳述は、見ごたえのあるステージになっていたと思う。

  市民を見ない札幌市長・市議会議員の実態が明らかに

 12月10日は市議会総務委員会で、条例の審議が行われ、50名ほどで傍聴した。私たちの署名に協力してくれた議員も、この条例に反対を表明したのには驚いた。党議党則に縛られている議員の現状を変えていかないことには、民主主義は浮かばれない。
 本会議の中で、一人「改革クラブ」の議員が賛成意見を述べたが、議会では条例案は否決された。市長も議員も、市民を見ていないのは国会も同じなのかと思わざるを得ない。

  受任者の怒り収まらず 会は発展的に継続することを決定!

 署名開けて一ヶ月、市議会の議決前の11月17日、新潟県加茂市の小池清彦市長を迎えて「憲法9条とジュネーブ条約」の講演会を開催した。国民保護法案に反対する小池市長の痛快な意見に、心を強くした。
 年が明けて、1月19日は、議会の答弁は不十分として、市民への説明義務を果たしていない市長と各会派へ招待状を出し、市民の会の再スタートの集会を設定した。本会議で唯一賛成した改革クラブの松浦議員は、出席され「戦争反対の条例を尊重すべきとして賛成した」と発言された。当日の集会は、前田朗(東京造形大享受)と森啓さんの対論もあり、50人が参加して内容の濃い再スタート集会となった。
 会の名称は、「無防備・平和のまちをつくる札幌市民の会」と改め、全道への呼びかけや学習会を充実させ、受任者や署名してくださった方々と更なる結束をしていきたいと思う。

  札幌市平和事業予算が200万円から1000万円に!

 無防備運動が、札幌市長に覚醒のチャンスを与えたものでもないかしいが、平和事業予算が5倍になったのは、確実に市民の立ち上がりをつくった無防備運動の力によるものである。この予算がどう使われるのか、3月市議会を前に、行動を開始する。また、国民保護計画についても、質問していく。2月23日には、「非暴力」についての学習会を持ち、地球規模で、個人として非暴力の生き方を考える。札幌は元気です!
   
    国際人道法の成立と発展 〜戦争法から国際人道法へ  
            連載第5回・最終回(07.2.16国際人道法講演会より)
                08年22号5、6、7面 糟谷英之(摂南大学法学部教授―国際法)
 
  (3)不必要な苦痛・過度な危害を与える兵器の禁止


 その前に一つ飛ばしましたけど、兵器に対する適用される原則というのがあります。これは不必要な苦痛を与える兵器は禁止されるというルールです。これも非常に奇妙な概念です。兵器はみんな苦痛を与えますから、犠牲者にとって不必要も必要もないですよね。だけどこれが人道法では分けられるわけです。さっきの話につながるわけで、不必要であるかどうかは軍事的効果と人道性のバランスなのですよ。現実には非常に難しいですよ。僕自身も戦争の現場を経験したことはないですから、じつはなかなか難しい問題があるのです。非常に細かに、そういう不必要な苦痛というのは数的に計算する人もいます。バランスをどうとるかですけれども、我々の感覚から言えば非常に矛盾するような概念ですよね。しかしその背景にあるのはやっぱりその軍事的効果です。兵器を使い戦闘をやっているわけですから、効果がなかったら意味ないわけです。
 ところがそれと同時にその兵器が不必要なこと、いわゆる犠牲者に対して必要でない苦痛を与えるものは制限する、そのバランスをとるということです。例えば具体的な話をすると、色んな兵器に関する条約があります。
 初期の条約にダムダム弾禁止とか400グラム以下の弾薬の禁止とかあるのです。こんな細かいこと決めているのです。なぜかというと、ピストルの弾でも鉛のピストルの弾だったら貫通するんです。貫通したら怪我して倒れます。でもそれは当たりどころによってはもちろん死にますけども、貫通すればこれは後、治療をすれば助かる。戦えませんけど助かるわけです。つまり戦闘員は戦闘外におかれるわけです。それ以上殺すことはやめておきましょう、ということなのです。従ってピストルの弾の形態にも規制があって、たとえばプラスチック弾とかは体内に弾が残れば、例えば後で治療をするときに、手術する時にレントゲンに写らない危険性があったり、あるいは中で拡散する、広がる。これは手術そのものが出来ないので非常に危険であるというルールがある。そういう意味で不必要な、あるいは過大な危害を与えるような兵器は禁止されるというようなルールが従来からありました。

  (4)マルテンス条項

 区別原則も実は、兵器に対する制約でもあるのです。つまり一般住民と戦闘員を区別する。これは人ですけども、物に対しても区別があるわけです。軍事目標主義というのは。 
 いわゆる軍事目標と民用物、住居であるとか、一般の人たちの住居であるとかあるいは生活に必要な工場であるとか、そういう物に対しての攻撃はダメだということです。これは区別です。で、この区別原則が一般的にそうなのですが、兵器に対する制約も実は変わるのですね。これはマルテンス条項、つまり具体的に条約で禁止されていない兵器もルール、慣行、あるいは国際人道法の基本的な原則から禁止される場合だってあり得ることがマルテンス条項なのです。つまりはっきりと条約で禁止されているものはもちろん禁止されるわけですね。要するに、区別原則は兵器に対する制約というのがある。それは今言ったマルテンス条項というものとあいまって、例えば核兵器の問題。残念ながら核兵器は国際条約で禁止されていません。だから使用して良いという議論になるかと言ったら、そうではないでしょう。

 それが今の話につながるわけで、つまりマルテンス条項というのは条約がなくても、国際人道法あるいは国際法の基本原則に反するような兵器はダメですよということを言っているのです。そうすると、区別原則というのがありますね。従来はこの区別原則というのは犠牲者を保護するための原則やというふうに考えていいと思うのですが、しかし、こういう兵器の規制にもなる、あるいは戦闘方法の規制にもなる。つまり核兵器というのは戦闘員と一般住民の区別が出来ない兵器ではないかという議論です。つまり戦闘員と一般住民の区別ができないような、そういう効果を持つ兵器じゃないか。放射能とかそういうものが出るし、破壊力だけの問題ではない。放射性物質の問題やらがありますね。だから兵器としては、国際人道法の基本原則としての区別原則を満たせないような兵器は阻止されるべきだというような議論が出てくるわけです。核兵器のような禁止条約がない兵器についてもこういう原則を適用して禁止されるという主張がされてきている。例えば劣化ウラン弾の問題もありますし、最近は具体的にもう条約を作ろうという運動がある。

 またクラスター爆弾の禁止の動きが出てきます。地雷もそうですが、クラスター爆弾なんかは地雷に似たところがあるわけです。つまり大きな大砲の弾というか、その中に小爆弾が入っていて、それが発射されてそれが散らばって爆発するわけですが、ところが不発弾が多いわけです。場合によっては2割近くが不発になる。ということは、地雷と同じようなものです。バラバラになって、戦闘が終わった後でもそこらへんにあるわけです。はっきりしない状況があるわけです。それを踏んで子どもが怪我するとか、一般の人たちが怪我するわけです。だから無差別だというわけで、先ほど言ったような区別原則を満たしてないという議論で、攻めていけるという言い方はおかしいですけどそういう議論がされる可能性がある。ですから、区別原則はそういう意味では国際人道法の基本原則として非常に重要な意味を持っているわけです。それが実際の戦闘方法と結びつくと軍事目標主義という形で具体化していくわけです。

  (5)軍事目標主義の補完

 軍事目標主義というのは要するに、攻撃をする際には軍事目標しか攻撃をしてはいけませんよということです。もちろん一般住民に対して攻撃ができませんし、その他生活関連施設に対してもできません。ですから、区別原則を原則として戦闘方法が規制されると。これが本当に厳格に守ることが出来るならば、これで一般住民の保護は確保されるはずなのです。従来はそうであったわけです。1949年のレベルのジュネーブ条約あたりはそんなに厳しく区別原則を適用してないわけです。それで大丈夫というように思っていたわけです。ところが77年の追加議定書では、これではダメだと。つまり区別原則で区別したからといって必ずしも一般の人たちが保護される状況にない。
 現実の戦闘では。もっと保護を強化する必要があるということで、特定のものに対する攻撃はダメだということを決めていっているわけです。その典型が例えば原子力発電所とか、ダムというようなものを攻撃する、これはある意味では軍事目標です、元々は。電力で、それを使って攻撃するということになれば戦力になれば軍事目標になる可能性がある。たとえ軍事目標だとしても、これを攻撃することによって一般住民に対する被害が大きくなることが明らかだということです。ですからそういったものに対する攻撃を禁止しようということです。それと同じような考え方が、例えば病院であるとかその他のものの攻撃を禁止しようとしています。これは物と言うより地区、区域です。ここには病院を設定する、中立地帯としての地域設定をしている。ですからこれは攻撃してはいけませんということです。これに関係するのがこの無防備地域です。一定の状況の中で一定の状況を満たすということを前提にして、そういった地区に対して攻撃をしてはいけないという、そういう特定の物に対する攻撃を禁止すると同時に、特定の地域設定をしてその地域に対して攻撃をしないというふうな形で、今までのただ単なる軍事目標主義だけでなしにそれを補完するというか、強化するための方策が考えられてきているのが追加議定書なのです。
 それだけではなく、先ほどのバランスの問題にも関連するのですが、区別原則に厳密に従って目標を攻撃しても近くにいる人たちに対して危害が加わるというのはあり得るわけです。現在の戦争ではそういう形になりがちです。そこで、攻撃の際の予防措置というのがあるわけです。だから司令官が攻撃する時には先ほど言った軍事的効果と人道的配慮というバランスをとれということなのです。

 つまり、たとえ合法的な軍事目標であったとしても、攻撃をすることによってそれに伴って人に付随的な被害がでると。そこのバランスを考えてあまりにも人に対する被害が出るようであれば、これはやめる義務があるのです。予防措置をしなければならない。これは司令官に命じられるルールなのです。ですからこういうバランスの上で、一般住民に対する被害を防ごうというルールが出来上がってきます。これは攻撃する側だけの問題じゃないのです。つまり攻撃を受ける側も義務があるのです。条文をまた見てもらえばいいと思いますが、第57条が攻撃する側ですね。しかし攻撃される側の受動的予防措置というのもあるわけです。どういうことかと言えば、もちろん攻撃側も予防措置をとりますけど、攻撃されることを予想できるのであれば出来る限り軍事施設と住民、住居、住民の施設その他を隔離しようということです。これはしておく必要がある。これは実は基本的には戦争状態前提です。国際人道法は、基本的には戦争状態とか武力紛争が前提なのですが、しかしこのルールは平時から、普段から軍事施設その他を一般の住民が住んでいるところから隔離しなさいという義務でもあるということなのです。

 ですから国際人道法のルールは、武力紛争という状態を前提として適用されるルールですけれども、そうではなくて平時に適用されるルールとして義務が課せられているものもあります。その一つがこの予防措置です。それもそうですし、もう一つ大きいものが普及です。つまり知らしめるということです。国際人道法のルールを知らしめるということであるわけです。こういうふうにジュネーブ追加議定書では、先ほどお話したような原則を基本にして具体的なルールが出来上がってきています。

  3.国際人道法の履行確保の問題

ただ問題は、一番問題なのはどう守らせるかということなのです。これは国際法にとって一番難しい問題です。国内法でもそうですが。法律というのはどちらも一緒だと思うのですが、ただ、国内法であればそういう裁判システムとか、権力構造というのが非常にきっちりしていますから、警察も出てきます。そういうルールが違反された場合は、割合、それを執行するための機関というのがかっちりしていますけれども、国際法はそういう機関はないわけです。執行機関がないのです。しかし全く執行できないわけではなしに、出来るだけ守らせるための措置を考えています。いくつかの側面があります。

  (1)国際人道法の普及

 ひとつはそういったルールを守らせるための措置です。それはやはり知ることです。こういう国際人道法はどういうルールであってそれが知られることによって、特にこれは基本的には戦闘員、兵士が知っておかなければ、ルールを無視した行動をすることによって犠牲も大きくなるわけです。

 『硫黄島からの手紙』、映画にありましたね。クリント・イーストウッドの。僕自身は全然戦争体験がないのですけども、非常にリアルだったと僕は感じるんです。戦闘場面も非常にリアルでした。ただあそこで思ったのは、どちらも、例えば捕虜の扱いを見てもそうですね、アメリカ側も殺していたし、日本側も殺していました。だから、あれは第2次世界大戦のレベルの時期の教育を受けているわけです。日本の兵士は自決しました。そういう捕虜になるよりはという話になっているわけです。しかしあれはある意味では非常に無駄な死に方をしていると思うのです。だから本当にこういう国際人道法のルールをもう少し、実際に守られるかどうかは別の問題として難しい面はありますけれども、もう少しそういう教育を出来ておれば違った状況があるのかなという気がします。ですから、そういう意味では国際人道法が適用される、実際に適用されるために一つ大きな役割を果たすのは国際人道法の普及ということです。これは戦闘員に対する教育もそうですけれども、一般の人たちもこういう知識を得ることが、平時においてのルールでもある面もあるわけですから、必要であるという気がします。

  (2)国際刑事裁判所(ICC)

 あとは破られた場合も、これを処罰するという制度がやはりきっちりと出来ることによって破れない状況を作るということです。ちょっと今日はもう時間がありませんのであまり詳しくお話できませんけども、この点でも国際刑事裁判所というのができたのです。これは基本的に、ここが扱う事件というのは個人を処罰するのですが、戦争犯罪等を処罰する。つまりこういった国際人道法の重大な違反に対して処罰します、だからしっかり守りなさいよという、そういうことが背景にあるし、こういう裁判所が実際に機能してきますと、抑止力として働くと言われています。

  (3)紛争中の監視措置

 あと、紛争中にもやはり、そういうルールが守られているかどうか監視するということが行われる必要があるということです。これは難しい制度ですけれども利益保護国制度というものがあるのです。第90条です。特定の利益保護国を紛争当事国が選定することによって事実の認定等やってもらえる。中立的な、ある意味では中立的な立場に置かれた国に対して紛争の監視役をさせる一つの制度です。それと最初にも言いました赤十字国際委員会なんかは実際にそういう紛争地域に出て行って、これも紛争の監視をしています。こういう活動も非常に重要だということです。
 我々にとってはやはり、世論としてこういった紛争を、イラク戦争にしてもそうですけども、我々が監視していく必要があるわけで。その際にやはり国際人道法のルールをある程度知っておくことによって対応というのは違ってくるだろうと思います。メディアもそうですね。もう一度しっかり人道法を勉強してちゃんと報道しないといけないということです。

  おわりに

 終わりにあたり結論として、先ほど言いましたように国際人道法の知識というのは、政策担当者や軍隊構成員だけではなく、一般市民にとって非常に重要なものになると思います。実際に無防備地域宣言運動をはじめとして様々な市民運動が国際人道法の知識を有効に利用しています。先ほども触れましたように最近では劣化ウラン弾の禁止条約を作るとか、クラスター爆弾の禁止条約を作るとかいう運動も盛り上がっています。これは実際に対人地雷の禁止条約がこういったNGOなどの活動を背景にして成功したからです。こうした背景があるからこういう運動が実は期待が持てると思います。

 そういった運動の学習ですね、対人地雷の禁止条約作成にあたっての成果を踏まえてこれからやられるだろうと思います。そういう意味で今日の話が、どのようにみなさんにとってお役に立てるかどうか分かりませんけども、今後、国際人道法だけでなく、国際法というルールについても出来るだけさらに知識を深めていただければと思います。その一助になったかどうか分かりませんけども、そのきっかけになればうれしく思います。どうもありがとうございました。(終了)


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