請求代表者6人全員が意見陳述
                                        議会と市政に自治と平和の風を起した

                               08年24号2、3面 小田原無防備平和条例をめざす会  河辺邦夫
   
  請求代表者全員が意見陳述

 小田原市無防備平和都市条例を求める直接請求署名は、選挙管理委員会で最終的に「署名総数8.094筆 有効署名数7.471筆」が告示されました。
 私たちが目標とした4月単独議会の開催と土曜日、夜間の議会開催は受け入れられず、3月定例議会に組み込まれる形になりましたが、無防備条例の審議のために3月21日条例請求議案提案と市長の意見書提出、3月24日請求代表者の意見陳述と議員の市長への質疑、3月27日採決と3日間の日程が組まれ、21日、24日は無防備条例制定のための独自日程で、請求代表者6名全員の60分の意見陳述を実現しました。

 24日は80名の傍聴席がほぼ満杯となる市民が議会を傍聴、小田原市議会史上初めて市民による議場での意見陳述を堂々と行いました。その後の市長意見書への質問では共産党と神奈川ネットワーク運動の2名の議員が質問、議会終了後行われた総務常任委員会は、通常の委員会室を40名の傍聴者が入る全員協議会室に変更し、ほぼ満杯の市民傍聴、加えてほぼ全員の議員傍聴も集めて行われました。冒頭、市民クラブ議員より「要望書が出ているが請求代表者の参考人招致を認めなくて良いのか。」と動議提案。否決されましたが、市民クラブ、共産党、神奈川ネットの3名が賛成しました。

 その後の委員会審議では、市民クラブより「武力事態諸法はジュネーブ条約違反ではないのか。」などの質問も出されましたが、市の「国は自治体の無防備宣言を認めていない。国の方針に反して条例化は出来ない。」など不当な見解に押し切られ、共産党、社民党は「憲法9条に違反する条例案だ」などと採決で反対しました。唯一、副議長を務める神奈川ネット議員が「市民の直接請求の意義は大きい。国際法に準拠している。」と賛成しました。

  条例案否決も議会に変化起す

 27日の採択では、4名の議員が意見表明で挙手。「現時点では賛成できないが、市民による8.000筆もの平和の思いを重く受け止める。憲法、9条が変えられようとしている流れに対する市民の危機感だ。」との意見が続き「武力攻撃自体諸法はジュネーブ条約違反。武力で平和はもたらされない。」と神奈川ネットの議員が賛成し、賛成少数で否決されました。

 結果は残念な結果でしたが、27日無防備条例採決に先立って行われた市の予算案に対して、異例の10数人の議員が意見表明を行い、与党最大派閥の保守系議員も「ホール建設、駅前再開発に市民の合意が無い」と反対の意見表明を行い、3分の1近くが反対に挙手する異例の事態となりました。 一緒に傍聴した署名協力者の仲間は「無防備条例請求運動もあり、市議会が本当に変わった。市民が意見を堂々と議会で述べ、市民の意思を受けて議員が発言をする歴史に残る議会だった。」と終了後の感想交流で述べていました。

  市民の力で小田原市を変える

 定例議会に組み込まれ、充分な議員要請や対策を取れないままの議会審議でしたが、1月署名開始から、『戦争非協力の街をつくろう』と市民の力で小田原市を大きく揺り動かした3ヶ月間でした。議会の写真は、議会事務局の職員が撮影し、会に提供していただいたものです。8.000筆の市民の平和の願いは、市の若い職員も大きく動かしました。平和な街を実現する取り組みは今、ようやくスタートラインに立ったところです。この大きな切り開いた成果を大切にし、小田原を真に変えていく運動を始めて行きたいと決意しています。

            
  川崎市、尼崎市で直接請求署名同時スタート!全国から熱いご支援を!
                        
署名期間4月26日〜5月25日 
08年24号3面
                      
 
 4月26日(土)から5月25日(日)まで、兵庫県尼崎市と神奈川県川崎市で、無防備平和条例の直接請求署名が同時に取り組まれます。
 請求に必要な法定数は、尼崎市約8,000筆、川崎市は約22,000筆です。全国では23、24番目となります。ともに大都市圏都市で、特に川崎市は政令指定都市としては大阪、京都、堺、札幌に続く5番目となります。

 両市の会では、スタートにあたり、上原公子前国立市長や作家井上ひさしさん、日本カトリック正義と平和協議会会長の松浦悟郎さんをお迎えして大きな集会を予定しています。ぜひ、全国の皆さんの物心両面からの熱いご支援をお願いします。

   
    「軍民混在の島」から「軍民分離の島」へ
          09年4月、県都・那覇市で無防備平和署名運動を
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          08年24号4、5面 無防備地域宣言・沖縄ネットワーク事務局長 西岡信之
 
  【大江・岩波裁判の判決文に前島】
 
 沖縄戦初期、慶良間諸島の座間味、渡嘉敷島で起きた「集団自決」(強制集団死)は、戦隊長が住民に自決を命じたことが要因とする書籍の記述が誤りだとして争われた大江・岩波裁判で、3月28日大阪地裁は日本軍の関与を認め、原告・元隊長らの請求を棄却する判決を出しました。
 判決文に次のような記述があります。「沖縄で集団自決が発生したすべての場所に日本軍が駐屯し、駐屯しなかった渡嘉敷村の前島では集団自決が発生しなかった」と。
 4年前大阪市で始まった無防備運動の当初から「無防備地域」の前例として紹介されてきた渡嘉敷・前島が、ついに教科書問題で焦点となっている裁判の判決文に採用されるまでになりました。
 
 翌日の琉球新報紙の社説では、「さらに判決が『集団自決』の要因として、前島の事例を挙げたのは分かりやすい。住民を守るはずの軍隊が駐屯した島で惨劇が起き、その一方で無防備の島では多くの住民が救われた。『集団自決』の本質にかかわる重要な指摘だ。」と渡嘉敷村前島の事例を判決文の中に採用したことを高く評価しています。
 「軍隊がいない地域では、住民は戦争の惨禍に巻き込まれない」という無防備地域の特徴を裁判所の判決文に明記されたことは大変意義があると思います。
 
  【軍隊不在、「無防備地域」を宣言する意味】

 さて沖縄戦では、前島以外にも日本軍が駐屯しなかった場所はありました。離島の粟国や伊平屋では、米軍は大規模な上陸作戦を敢行しましたが、住民がすぐに投降したため被害は最小限に止まっています。ここでも部落長が、あらかじめ白旗を準備しており、敵上陸とともに島民の多くが山から下りて助かっています。しかし、上陸前の「鉄の暴風」と呼ばれた激しい艦砲射撃によって住民の被害は少なからず出ています。日本軍が駐屯していないということを、米軍が攻撃する前に事前通告する手段があれば、島民全員が助かっていたと考えられます。つまり、軍隊がいない、住民には戦う意思がない、無防備地域であることの宣言です。日本軍が地域に駐屯していなくとも、そのことを米軍に伝えなければ意味はありません。「無防備地域」を「宣言する」ことの意味を強く感じます。

  【軍民混在でなく軍民分離を】
 
 沖縄戦で住民10万人近くが犠牲となったのは、1945年5月中旬から6月にかけての1か月間に集中しています。5月22日に、日本軍(第32軍)司令部が、首里城地下壕から南部に撤退する際に、住民が日本軍と行動をともにし、避難したことが要因だと言われています。軍民混在の地上戦という状態が結果的につくり出されたことが、多大な犠牲者を生み出すことにつながりました。
 1975年に終結したベトナム戦争も、沖縄戦と同様に住民の犠牲者が戦死者の9割を超える事態となったことから、1977年に結ばれたジュネーブ条約追加第1議定書の第58条[攻撃の影響に対する予防措置]では、「軍民分離の原則」が記されています。住民を軍事目標の近傍から移動させることが住民を戦争の惨禍から守る手段であることが明記されています。
 
  【人格破壊された米兵に再教育・綱紀粛正は無理 解決は軍民分離で】

 2月10日、本島中部で発生した少女暴行事件は、被害者本人からの告訴取り下げという事態になり、マスコミによる二次被害(セカンドレイプ)の深刻な問題と米兵への基地外住宅への思いやり予算の放題な支出などを改めて明らかにしました。また野党三党による日米地位協定の改定案、3月23日の県民大会開催へ結びつきました。
 
 3月23日、北谷町の野球場前広場で開催された「米兵によるあらゆる事件・事故に抗議する県民大会」は、土砂降りの最悪の天候にも関わらず6千名が参加し、米兵の無法ぶりへの怒りを県民の意思として示すことができたと思います。
 今回の連続した米兵による事件・事故を日米政府は、再教育プログラムや綱紀粛正で正すとしていますが、人格を破壊する訓練を二か月以上受け、人殺しの訓練を積み、実際にアフガンやイラクで人殺しの場面に出会い、そして実際に人殺しを実体験した殺人ロボットに、他人を大切にする清く正しい人になれ、ということ自体が無理です。暴力を奨励した上官に、暴力を否定させることはできません。  暴力を続ける軍隊と平和を求める一般住民が近隣に生活する沖縄の実情自体が国際法上違反しています。やはり「軍民分離」でしか基地被害の問題は解決しません。

  【那覇市で無防備署名運動】
 
 沖縄には、米軍基地も自衛隊基地もある「軍民混在」の島です。しかし、軍が存在したのは、この100年間程度で、明治政府による皇軍化までの300年間琉球王府時代は、軍隊を持たない「非武の島」であったことも事実です。その沖縄で、本島から「軍民分離」の地域をつくりだす運動に取り組もうと準備に入っています。
 2009年春、4月頃を目途に県都・那覇市で無防備署名運動を準備しています。法定数は、約5千筆。2年前の竹富町での無防備署名運動を継承し、「基地の島」から「平和な島」に向け、再び挑戦します。

    
      自衛隊が公民館フェスタに登場
           防災に名を借りた地域の軍事化・戦争容認を許すな
      
       08年24号6面  枚方市平和・無防備条例を実現する会 大田幸世

  
  自衛隊が公民館フェスタに登場

 1月公民館が廃止され、社会教育ではない有料の生涯学習市民センターに改編されて約1年がたちました。そこで、恐れていたことが起こりました。こともあろうに2月の利用者団体によるセンターあげての「ユーカリフェスタ」に自衛隊が「自然防災訓練」を隠れ蓑に登場したのです。

  装甲車・迷彩服で兵器を映写し自衛官募集

 事前にセンター長や運営のNPO団体の責任者の方々と話し合いで「自衛隊は、あくまで自然防災の展示のみで、自衛官募集の展示はしない。また、迷彩服は、避けるように申し入れた」と確認されていました。しかし、当日行われたことは、センターの入り口前の障害者用の駐車場2台分に装甲車がおかれ、迷彩服の自衛官が立っていました。これ自体も屋外展示だったのです。  
 会議室では、ビデオで軍艦がつぎつぎ映され、災害援助のパネル以外にテロ特措法に基づくインド洋の給油活動等のパネル、自衛隊員募集の冊子、自衛隊の戦闘訓練を写したDVD、戦闘機の写真カードが置かれていました。子ども、若者向けの就職斡旋でした。

  展示に抗議 撤去へ

 イラクの絵画展で参加し「軍民分離原則を訴えた…自衛隊はどこへすすむのでしょうか」というパンフレットを配布していた私たちの抗議で2日目は、装甲車は、障害者用の駐車場からは移動され募集用の資料等は、取り除かれました。

  市幹部が自衛隊研修

 12月からこの問題を重大にとらえ枚方市への「自衛隊参加の中止」要請しました。そのやりとりの経過の中で枚方市は、自衛隊との関係をより深めるという意思表示を行い、既に2年前に庁内幹部等の防災意識の向上を目的に「陸上自衛隊災害派遣研修」を開催していたことを明らかにしました。ちょうど枚方市で国民保護計画の作成を始めたころです。
 またフェスタ終了後の市役所の態度は、「平和都市枚方はどこに行ったのか」という追求に対し「自衛隊に対する姿勢は、変った。今回の件も、NPO団体がおこなったこと。公共施設の管理の立場では、関与できない」と、この間センターとの連絡を密にしていたにも関わらず、無責任な態度をとり続けています。
 
  自衛隊の対応の問題を確認

 しかし、現場のセンター長、NPOの責任者との事後の話し合いでは、「自衛隊は明らかに、約束の枠をこえた。当初の目的である『市民の安全に対する意識を高める』からすれば問題を残した」との意向をひきだすことができました。

  戦争容認の動きを止める声を

 市民の多くの方々は、軍隊としての自衛隊を認めていません。それは無防備署名をおこなった時に確信したことです。国挙げて自衛隊への危機感を払拭させる動きが強化される中、「平和な町」をつくりだす原点を今回も見ることができました。あきらめずに、戦争を容認する動きを止める声を挙げ続けたいと思います。
       
   総務省消防庁国民保護室と交渉 国民保護法は国際人道法違反! 
           各自治体で自衛隊の導入・訓練の中止を求める交渉を
                      08年24号7面 無防備地域宣言運動全国ネット事務局
 
 3月28日、「軍事費削って貧困なくせ!ワンデーアクション」(東京)の一環として、総務省消防庁との交渉を行った。窓口は全国の自治体に自衛隊参加の有事訓練を押し付ける国民保護室。
 有事の住民避難に自衛隊が誘導などにあたることは住民を付随的な被害の危険にさらすことになり、国際法の禁止するところであることは過去2回の交渉においても指摘してきた。

  市民を被害に巻き込む欠陥法

 今回も「国民保護等派遣」で出動する部隊が追加議定書の61条、67条にいう「軽量の個人用の武器のみ」をもち「専ら文民保護のみに当たる部隊」であるとは国民保護法、自衛隊法のどこにも規定されておらず、明らかな欠陥法であること。それどころか、平成19年度版防衛白書においては武力攻撃事態においては防衛出動などの一環として国民保護措置を行うとまで言い切っており、これでは「国民保護」どころか住民を丸ごと被害に巻き込むことになることを追求した。

  反論できない国民保護室

 国民保護室の担当者(係長+1)はひたすら条文を反芻しながら我々の主張をなぞって行くのみで、いっさいの反論は行わなかった。
 
  自衛隊の活用と訓練の中止を

 しかし、こうした問題点(国際法違反)を繰り返し指摘されてきているにもかかわらず、消防庁は今年も「危機管理体制の整備〜」検討会報告(2/28)を通じて全国の自治体に対して自衛隊員の採用、定期的な共同訓練の実施を求め、自治体の一層の有事体制化を進めようとしている。この点についても一律、強権的な指導の中止を強く要求した。
 今回の中央交渉を一つのばねに、各自治体においても危機管理室交渉などを持って、自衛隊の導入や住民強制の訓練などに歯止めをかけていくことを参加者で確認した。

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  「地方公共団体における総合的な危機管理体制の整備に関する検討会」
                          (08/2/28)報告書の提言要旨(関連部分)

 「・・・日常から危機管理部門の職員に「図上訓練など実践的な研修」を定期的に実施するよう求める。外部の人材活用では(1)警察、自衛隊、消防などの専門家を迎え、そのOBらも非常勤の「アドバイザー」として採用(2)想定される危機の内容別に専門家リストを作成し、発生時の協力について協定を締結・・・」

   総務省消防庁国民保護室宛要請書要旨

 戦闘部隊である自衛隊が住民の避難誘導行うことは、ジュネーブ条約第一追加議定書第61条及び67条に明確に違反している。国際人道法の遵守を謳いながら、他方で国際人道法の禁じる違反行為を規定するという重大な欠陥をもつ「国民保護法」に自治体を無批判に従がわせ、住民訓練を行なわせることは見過ごすことができない。以下を要請する。

1. 自衛隊による住民避難誘導を行わないこと。訓練に自衛隊を参加させるな。
2. 危機管理体制整備検討会報告では、すべての都道府県に対し、自衛隊から派遣された自衛官を 常駐配置するよう求めている。これは、軍民分離原則に明確に違反し、住民保護と相容れない。自 衛隊の配置を求める報告を撤回し、自衛隊配置を自治体に拡大しないこと。
3. 都道府県並びに市町村の訓練計画について、防災に名を借りた戦時訓練を行わないこと。国民保 護室及び同運用室として、どんな訓練を想定し市町村に実施を促しているのか明らかせよ。とりわけ、学校での訓練や子どもを巻き込んだ実働訓練は実施しないこと。


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