【 尼崎市議会】 無防備地域宣言への誹謗中傷を許さなかった本会議
                      市民参加の審議こそ条例制定の展望
                  
尼崎市に平和無防備条例をめざす会 中村実     08年29号2面
   
 
9月29日の尼崎市議会の総務消防委員会は質疑を前回で終了したとして、各会派の条例案に対する意見が表明され採決が行われた。
 自民、公明は「条例案に実効性がない」として反対。最大会派の「新風・グリーン」(社民、民主ほか)は「会派として意見がまとまらなかった」として反対。共産党は「憲法9条を守ることが重要であり、戦時を前提としたジュネーブ条約に基づく第6条には反対」。「虹と緑」の都築議員だけが賛成となった。 

    実効性実現可能の賛成討論

 これを受けて開催された10月2日の本会議では条例案反対の立場で共産党議員が「共産党として6条を外して、市民平和条例を12月議会に提案したい」と表明。 
 賛成の立場から「虹と緑」の弘中議員が「条例の実効性を実現することは可能であり、憲法、国際法で市民の安全を守ることは自治体の責務」「市が無防備地域を宣言し、国民保護計画の避難実施マニュアルを拡充して、安全地域として避難保護の特殊標章を市内全域のあらゆるところに掲示すれば、宣言は実効性を持たせることができる」と発言し傍聴席から大きな拍手がおこった。自公の会派からは発言はなく、「無防備地域宣言は敵の占領を招き、内乱罪に相当」などというこれまでの自治体議会で行われた誹謗中傷は行われなかった。採決では「虹と緑」3名の議員と「新風・グリーン」の社民党の3名の議員が賛成した。

    市民参加の審議こそ条例制定の展望

 前号の報告にあったように尼崎の議会審議に条例請求者である市民が参加することで、実質審議を実現させた。
 これまでの議会審議では議員の質問に、条例反対の市当局が答弁し、「地方自治法に抵触」「国は、自治体の無防備地域宣言を認めていない」と内容以前の論議に終わっている事が多かった。しかし、尼崎は参考人招致においてその限界を突破し、「宣言の実効性を自治体の努力で創り出すことができる」ことを論証したのである。市民参加の審議が条例制定の展望をつくりだしたと言える。

    残念な共産党の対応

 残念なのは共産党の対応である。9条を守る運動と国民保護法の対案となる無防備宣言の条例化をあえて対立させることは、市民の平和運動の分断としか言えない。12月議会では「市民平和条例」の文面そのままで、6条だけを除いた条例案を共産党案として提出しようとしている。私たちは、12月議会でも直接請求の条例案の趣旨を生かした内容になるように各会派に働きかけていくつもりである。
 
     市民参加と全議員要請が鍵

 この成果を他の自治体でも引き継いでもらうため強調しておかなければならないのは、議会対策である。市民を議会に参考人招致することを、賛否に関わらず、保守系議員を含む全議員に要請することが重要である。
 市民の直接請求の意味は重く、保守系議員も否定できるものでない。尼崎の例を出し説得すれば十分可能である。市民参加の議会審議を実現し、論議を深めることで、保守層にも支持を広げていく展望が開け、条例制定に近づけると考える。
 「めざす会」は12月7日に総括集会を開き、会を今後も存続させ、市民平和条例を実現させる市民運動を継続させていくことを確認する予定です。全国の仲間の皆さんとともにがんばります。

            
    【大阪府寝屋川市】法定数の2倍超える!市民の願いがひとつになった!
                    市民の声が届く町へ、市議会を動かす時だ!
  
                寝屋川市平和無防備都市条例を実現する会   山口一郎  08年29号3面 
                      
 
     署名終了 ご協力に感謝

 寝屋川市平和無防備都市条例を実現するための市民直接請求署名は、十月十九日(日)をもって終了しました。寄せられた署名数は7,939筆 (10/20現在)、法定数(3,940筆)の2倍を超えました。署名にご協力いただいた市民のみなさん、支援のみなさん、ありがとうございました。

     こんな署名を待っていた!積極的な強力が次々と

 始めは本当にこの寝屋川市で署名運動が可能なのか、不安もありました。また、署名一週間前には、まだ署名が始まっていないにもかかわらず、市議会共産党会派から反対のビラが配布されるといぅ前代末間の状況の中でスタートしました。しかし、いざ署名が始まってみると、多くの市民が積極的に協力してくれました。
 署名スタート日に香里園駅で署名してくれた人が、その日の夜のスタート集会に参加し、以降4日間連続して街頭に立って署名を集められました。「憲法九条を護るということだけでは漠然としている、何をしていいのかわからない、こんな署名を待っていたんです。」というのが参加されたKさんの弁です。

     署名が浸透 

 また署名が始まるまでは少なかった受任者も、徐々に増え、その方々が連日のように署名用紙を事務所まで届けてくださりました。当初の不安は完全に払拭されていきました。署名が寝屋川市民に深く浸透していきました。法定数の2倍に達したことが、何よりもその証明でしょう。

      条例制定へ寝屋川から無防備運動の新たな動きを

 十月二四日(金)には署名を選管に届け、市議会各会派にも報告し、併せて無防備条例に関する学習会をもって欲しいと要請に行きます。署名期間中にも、ある会派が三十分の学習会を設けていただきました。今後、総務委員会での参考人招致を実現すべく議会対策を強めなければなりません。
 また、今年初めて市民まつりに自衛隊が参加しましたが、この件についても危機管理室へ申し入れよぅと計画しています。そしてぜひ、寝屋川市から無防備運動の新たな動きをつくっていきたいと思っています。

   
   【京都府精華町】 弾薬庫撤去はみんなの願い〜条例制定へ頑張るぞ!
                   
無防備・平和都市精華をつくる市民の会 神田 高宏  08年29号4面  
 
  戦時中、「東洋一」と言われた陸上自衛隊の弾薬庫を抱える京都府精華町で、九月二七日、署名を中止させられてしまう衆議院解散を気にしながら、直接請求署名がスタートしました。

      市民と平和の対話

 「月桃の花歌舞団」のエイサー応援などで活気ある一日となり、署名はなんと325筆。事前の全戸ビラを見ていて向こうから署名の申し出をしてくる方や、新興住宅地の人の中には祝園弾薬庫の存在を知らない方も多く、弾薬庫の事を改めて知ってもらうことができ、署名を通じて多くの人と平和の課題で対話が進みました。「誰かがせなあかんことをやってくれるのはうれしい」という言葉には励まされました。

      3日目で法定数突破!

 3日目、法定数(546筆)を突破しました。役場「交流ホール」を借りて「平和写真展」をしながらの署名でしたが、午後からほとんど役場に来る人が少なくなり、雨の中、駅前にも足をのばしてようやく5時過ぎに法定数を突破しました。
 「今の政治、中山だけでなく麻生も無茶苦茶、政治家全部辞めさせないかん。」「へえ、こんな取組みがあったんですねえ、知りませんでした。ありがとうございます。」今の政治への批判、無防備運動への期待が署名をしていただいた人から返ってきています。

      法定数の2倍

 16日目、なんとか30筆で合計1111筆、法定数の2倍を越えることができました。
 22日目、午前中、役場前1筆、場所を変えた京阪奈公園でも1筆、そして福祉センターに移動してようやく計13筆、受任者からの返送10筆を加えて23筆、合計1220筆になりました。街頭では、ほぼ飽和状態になっていることを認識させられた一日でした。

      弾薬庫のない町はみんなの願い

 署名は、十月二六日で終了しますが、この署名を通じて弾薬庫について市民と直接対話ができたことは大きな収穫です。
 枚方の禁野の弾薬庫の大爆発とその後の祝園への移転のことを知らないお年寄りはいません。「絶対廃止しないとだめ」という人が多数いる一方で、「でもすぐに移転は無理よね、お金ももらってるし」という声も聞かれます。しかし、弾薬庫のない町はみんなの願いであることは明確になりました。
 ぜひ条例を実現させて、「現実」は変えることができるということを示していきたいと考えています。

    
  
新テロ特措法延長案スピード可決(衆院)に抗議する!
  アフガン・イラク民衆を殺す新テロ特措法は廃案に!自衛隊はインド洋から撤退を
 
                                           08年29号5面  

  
 アフガニスタンやイラクの民衆を殺す作戦に加担する新テロ特措法延長案は、10月10日に衆議院で審議入りし、わずか2日間の委員会審議で10月21日に衆議院で可決された。翌22日には参議院で審議が始まり、10月末には参議院否決をうけて衆議院で再可決・成立という日程が報道されている。
 
     延長案のスピード可決

 この新テロ特措法は、昨年末に特措法の期限が切れ自衛隊は一旦撤退に追い込まれ、大多数の国民の反対を押し切って衆議院で再可決し成立した代物である。そのスピード審議・可決は、民主党の衆院解散最優先の党利党略のために国会審議を軽視し国民を無視する行為の産物である。

     民主党案の好戦性

 同時に衆議院で否決されたが、新テロ特措法の対案としている民主党「テロ根絶法案」の好戦性は政府案をしのぐ。
 民主党案は、インド洋上での給油活動は否定しているが、その内容は武器使用を拡大しアフガニスタン本渡に展開する国際治安支援部隊(ISAF)に自衛隊を派兵することを柱に、派兵恒久法の整備まで盛り込んだものとなっている。既に実質的に海外に展開する
 自衛隊の活動にお墨付きを与え集団的自衛権の行使を認めて憲法9条を骨抜きにするものだ。新テロ特措法改正案も民主党・テロ根絶法案も決して許すことはできない。
 
     特措法延長を許すな

 米軍などへの新旧テロ特措法による洋上給油は、すでに847回、約50万kl(海自HPより)にも上っている。また、会計検査院の指摘によると、この2年間で海上自衛隊は給油燃料を2億3千万円も高く買っていた。国民の税金でアフガン・イラク民衆の人殺しの片棒を担いだ上、大企業に私たちの金をくれてやる、とんでもない新テロ特措法の延長を許してはならない。


     
帯広市で初の集会 無防備条例直接請求署名に向けた活動に着手へ
    
                                          08年29号6面  

  北海道・十勝地方はパッチワーク状の広大な畑と紅葉の山々が息を呑むほど美しい季節を迎えている。その十勝地方の中心地で東京23区と同じ広さの市域をもつ帯広市で、「無防備地域宣言をめざす帯広市民の会」主催の初の集会が十月十日開催され、約三十名が参加した。
 
 集会では、最初に無防備北海道ネットワーク代表の和田順義・石狩市議からの挨拶の後、森啓さん(札幌市民の会共同代表、北海学園大法科大学院講師)が、「平和なまちをつくる自治の理論」と題して講演した。

     制定主体は市民

 「さしせまった現実の不安は、どこかが攻めてくるのではなく、日本がアメリカの戦争に巻き込まれること。だますカラクリは、政府を国家と言い換え、戦争動員を国民保護と言い換えること。軍隊は支配体制を守り、国民を守らない。無防備条例をつくり、自治で地域に平和をつくる。全国各地でやれば私達が主権者として防衛権限を取り戻すことになる。実に現実的な運動である。制定請求を首長と議会の判断で否決してはならない。制定主体は市民である。私達は自分の権限を議員に信託しているのであって、白紙委任しているのではない。市民投票に付すべきである。市民投票に付したなら、市民の共感かあるから過半数を超えて制定できたであろう。」と歯切れよく述べられた。
 
     全道に広げよう

 その後、無防備全国ネットワーク桝田事務局長より、全国の運動の状況といずれかの都市での条例化への決意が表明され、札幌市民の会の谷百合子さんから「市民は署名を待っている。全道に広げて欲しい」と激励があった。
 参加者からは、「平和の地域をつくる意味がわかった」「これまで条例化できていないのはなぜか」「なぜ共産党は反対しているのか」など活発な意見と質疑があり、集会は充実したものとなった。

     署名めざして

 帯広市では、今年の7月と8月に歩行者天国でブースを設け、無防備北海道ネットの協力のもと無防備地域宣言運動の宣伝を行なってきた。その取り組みの上に立って、今回はじめて集会を成功させた。「帯広市民の会」代表の笠原美香子さんは、「今後も学習会を重ねて署名へ向けて頑張りたい」と成功を喜び、司会を担当した同会事務局の野村和幸さんも「署名は平和への市民の意思表示になる。いつになるか時期はまだ不明だが帯広市も署名をやりたい」と強い意欲を語った。
 「帯広市民の会」では、この集会を契機に直接請求署名をめざして活動を広げていく予定である。

   この本を
   08年29号7面  

 本年3月と8月に、ともに無防備地域宣言運動に深く関わっている森啓さん(北海学園大学法科大学院講師、無防備・平和のまちをつくる札幌市民の会共同代表)、上原公子さん(前東京都国立市長、無防備地域宣言運動全国ネットワーク共同代表)が本を出版した。それぞれ「市民自治」をテーマにした示唆に富む本である。

  上原公子著『しなやかな闘い―生命あふれるまちづくりの試み』
                               (樹心社、2008年8月刊、1,800円+税)

 著者は、市民活動を経て、99年に東京都で初の女性市長に就任。以来、2000年に「国立市平和都市宣言」を行い、有事法案をすすめる政府に対して質問書を提出し反対を表明。2002年12月、住基ネットからの離脱、訴訟原告側証人として出廷。2006年7月市民からの直接請求に応え「無防備平和条例案」に全国初の賛成意見書を提出するなど、常に声を上げ続けてきた。本書は、その過程を講演記録などで振り返るもの。
 
 著者は、市政に関わって以来、信念は「市民自治の復権」と「住民の生命財産を守る」であり、これを本気で引き受け実践してきた。そのため、この法で市民を守りき市民を守れないときは「悪法も法なり」とはせず、「悪法は正す」のが地方自治体の仕事であり、地方分権時代の仕事であると断じる。そうした著者の姿勢は、収録されている「無防備平和条例に対する市長意見書」や「無防備地域宣言で9条を活かしたまちづくり」にも明確に表れている。

 市民自治について「市長にお任せ、市役所にお任せではなく、市民もまちづくりに関わっていくし、行政はそのステージ作りをしながら、合意したものをルール化していくのです。これこそ、市民自治であり、試行錯誤で、共に民主主義社会の実現を目指すのが自治の本旨」と述べる。また、市議選のとき、公園で鳥の声が耳に飛び込んできた。そのとき「いつもは人と車の喧騒の中で聞き分けることを忘れてしまった鳥の声は、静寂の中に自然の輝きを聞く空間すら失っていることを思い起こさせた。私の描きたいまちは、生命が育ちあうまちであり、生命が息づいていることを実感できるまちである。」と感じる。文体はしなやかで、みずみずしい。ぜひ一読を。

  森啓著『新自治体学入門〜市民力と職員力』
                          (時事通信社、2008年3月刊、2,300円+税)

 著者は1987年に中心の一人となって自治体学会を設立し、以来20年の長きにわたり自治体学の理論を構築してきた。本書は、北海学園大学法学部での「自治体学」の講義を基にしたものである。

 「現在の対抗軸は「国家統治」対「市民自治」である。すなわち、「中央支配の継続」に対抗する「地域自立の実践」である。…すなわち、自己革新した「市民」と「自治体職員」の相互信頼に基づく協力関係が地域の自立を創り出すのである。本書の表題を「市民力と職員力」とした所以である。・・・さらに、住民投票は有権者の「代表権限制御の行動」であるとして自治体学理論に定位した。」(森啓「自治体学」ブログより)と本書について著者は述べる。

 著者は、昨秋の札幌での無防備条例直接請求署名運動の先頭に立ち、一日の街頭での署名数170筆という個人「最高記録」を打ち立てた。
 そして各地の無防備運動の講演で常に「市民は政府(首長と議会)を選出して代表権限を信託する。信託は白紙委任ではない。政府の代表権限は信託された範囲内での権限である。制定主体は市民である。」と明快に説き、市民に力を与え続けている。
本 書は、エネルギッシュな著者の、明快で歯切れの良い講演を目の前で聞いているような爽快感を覚える。ぜひ一読を。

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