砂川闘争50周年の立川市で無防備直接請求署名を
  
                                   有賀精一  09年32号2面
  立川市は人口17万7千人の町です。東京都の多摩地域の中心に位置し、中央線、青梅線、南武線、多摩都市モノレールが走る交通の要衝でもあります。

  基地を撤去の砂川闘争50周年 住民投票直接請求30周年

 この町は今から50年以上も前に砂川闘争が闘われた地でもあることを皆さんご存知でしょうか。この闘争に関連した砂川事件で、東京地裁・伊達裁判長が米軍基地拡張は、日本国憲法第9条2項前段によって禁止される戦力の保持にあたり、違憲であるとの判決を下しました。(1959年)闘争は勝利し、米軍は立川基地をあきらめ、横田基地へ移っていきました。また1978〜9年には、基地の跡地利用をめぐって、全国に先駆け、住民投票条例をつくろうと市民が直接請求した歴史も立川市にはあるのです。今年2009年は砂川闘争勝利の50周年、そして住民投票直接請求30周年にあたります。
 
  依然基地の町 国民保護計画も

 このことをあえて書いたのは、依然立川市が基地のまであることを強調したかったからです。自衛隊の駐屯地があります。横田基地とも一部隣接し、その地域の立川市民も爆音の被害を受けています。さらに付け加えるならば、立川市では、いま国民保護計画の策定が進められています。前市長の青木氏は保守ではあっても砂川闘争の経験者でもあり、在任中に国民保護計画に着手することはありませんした。しかし、一昨年市長が変わると早速、国民保護計画作りに着手したのです。来年にも国民保護計画がつくられてしまうかも知れません。
 
  基地の町から平和の町へ

 歴史や今の立川市の置かれた現状を冷静に見るならば、2009年という年に、立川市を「基地の町から平和の町へ」と呼びかけ、無防備地域宣言条例の直接請求をすることは、大きな意義があることです。同時に、イージス艦の漁船撃沈、自衛隊派兵違憲名古屋高裁判決、田母神発言が起こるなど、軍隊や基地が市民を守るのかを運動の中で問う基盤が大きく広がっているのです。この地の利、時の利、これまでの無防備地域宣言運動がつくってきた実績の利を最大限生かして、運動を進めて行きたいと思います。全国の皆様ご注目下さい。

 ※「立川テント村」(反戦団体)が行った自衛隊官舎へのイラク派兵反対チラシに対し、弾圧が加えられるという事件もここ立川で起こっています。
            【京都府向日市】署名後、平和のまちづくりへ例会開催・市政チェック
   キーワードは市民参加
  無防備平和条例をめざす向日市民の会 杉谷伸夫 09年32号                
       
   無防備平和条例をめざす向日市民の会は、2006年秋に無防備平和条例の直接請求署名に取り組み、有権者の1割を越える署名を集めました。2007年1月議会は、市民の熱意にもかかわらず、お粗末な審議で否決。一生懸命署名を集め、この議会を傍聴した市民から、「市長も議員もわかってない。これからがスタートだ。再チャレンジしよう」と声が上がり、会の活動を継続しています。
 
  署名後会費制の会として再出発・毎月例会開催

 2007年3月から、年会費制の会として再発足し、毎月第3水曜日夜の定例会を欠かさず続けてきました。定例会は、最初に「世界の反戦運動」などのビデオを見て、そのあと社会や地域の問題について情報・意見交換し、会の取り組み計画を話しあいます。毎月の例会の他に、春と秋には全市民を対象にした催しをしたいと考えて取り組んできました。
 2007年秋には映画「夕凪の街・桜の国」上映会、2008年春には地元高校出身のジャーナリスト・西谷文和さんのイラク現地取材報告会を開催。毎年秋に市が主催する市民まつりにも位置づけて出展し、2007年は原爆被爆写真展、2008年は平和ビデオ上映会を行いました。
 
  平和のまちづくりへ「市民参加のまちづくり講座」開催

 昨年秋からは、単に平和の催しをするだけでなく、「平和のまちづくり」を意識して「市民参加で市政を変える」取り組みを意識的におこなっていこうと、毎月の例会を「市民の平和講座」と「市民参加のまちづくり講座」として開催することにしました。
 10月には、前田朗さんに来ていただいて第2回市民の平和講座として「軍隊のない国家」の講演会を開催しました。また、第1回市民参加のまちづくり講座は、市の市街地整備課から来てもらって向日市のハード面でのまちづくりについて説明を受け、意見交換しました。

  市政チェック〜自衛隊行事の市広報掲載に歯止め

 市政に対するチェックも、市民派の議員が市民の会の会員であることもあり、市政や議会の問題を取り上げて議論しています。
 市の広報に自衛隊の催し案内が掲載された時は、直ちに市の担当部署に申し入れをし、「自衛隊の催しを広報に掲載することは、広報の趣旨からして困難」との過去の議会での当局見解を再確認し、歯止めをかけました。
 
  キーワードは市民参加 会の代表を議会へ 

 平和なまちづくりを進めていく上でのキーワードは、やはり「市民参加」だと思います。現在、向日市では、巨額を要する駅周辺開発計画が市民不在のまま進められる一方、財政危機を理由に市民団体への補助金が容赦なくカットされるなどしています。私たちのまちをどうしていくのか、今年の市民の会の活動は、市政の情報公開と市民参加を追求して取り組んでいきたいと思います。昨秋から、毎月1回のFAXニュースに加えて、A4版4頁の会報を隔月で発行しています。「枚方市の会」のように、この会報を手渡しで地域に広げていけたら、というのが今年の目標です。そして、数年後には議会に会の代表を送り出し、無防備平和のまちづくり条例に再チャレンジをめざしたいと考えています!
   
   ガザ封鎖を解除せよ!民衆虐殺をやめよ!
     
戦争犯罪を裁き、実行者を処罰し、被害者の補償を 
全国ネット事務局 09年32号4.5面           
   
   イスラエルによる大虐殺糾弾!
 
 イスラエルは昨年12月27日から開始したガザ攻撃を、1月17日に一応「停止」した。3週間余にわたるイスラエル軍の陸海空からの軍事攻撃によって、ガザの住民1330人が死亡した(1.22 パレスチナ医療当局者発表)。死者のうち437人は16歳未満の子ども、110人は女性。また、負傷者は5450人にも達した。負傷者の少なくとも500人は重態であり、医薬品不足等により命を落とす可能性は大である。従って死者の数は今後さらに増える見込みである。私たちはイスラエル軍によるこの大虐殺を断固糾弾する。絶対に許すことはできない。

 イスラエルのガザ攻撃は国際人道法違反=戦争犯罪だ!
 
 イスラエルは今回のガザ攻撃を、ハマースからのロケット弾攻撃に対する反撃、自衛措置であると強弁し、正当化しようとしている。しかし、このような主張を鵜呑みにし、擁護するものは米国政府、シオニスト以外には誰もいない。
 国連人権理事会のリチャード・フォーク人権問題特別報告官は、イスラエルのガザ攻撃が国際人道法違反であると明確に述べている(1.9国連人権理事会特別会合で)。リチャード・フォークはその理由を以下のように言っている。
@ (ハマースの)ロケット弾攻撃は法的に正当化できない。しかし、08年6月に合意された停戦は、11.4のイスラエル軍の大規模攻撃によって崩壊させられた。他方、08年12月27日以前の1年間にガザから発射されたロケット弾で死亡したイスラエル人は一人もいない。
A 18ヶ月に及ぶイスラエルのガザ封鎖は不法であり、集団的な懲罰の大規模な形態。それはジュネーブ第4条約第33条、55条違反である。(ガザの人口の約75%が衛生的な水、電気が使えない、急性貧血に陥っている子どもが45%にも上る、80%が貧困ライン以下の生活を強いられている等)
B (ロケット弾攻撃に対する反撃であるとしたら)犠牲者の数、惨害の規模、攻撃の大きさが全く均衡性を欠く。
@.犠牲者の数はガザが死者640人、負傷者2800人(1.9報告時点で)、これに対しイスラエルの兵士の死者は4人で、しかもその全てが「同士撃ち」によるもの。
A.ガザで崩壊または大損壊を受けた施設は50国連施設、21医療機関、1500工場・作業所、20モスク、崩壊家屋 5000、損壊家屋20000(ガザの全建造物の14%)。これに対しイスラエルの被害は軽微。
C イスラエルは法的に受入れられない標的を狙い、「残酷」で、「不必要な苦しみ」引き起こすため国際慣習法で禁止されている兵器を使用している。違法に標的とされた施設等には、イスラム大学、学校、モスク、医療施設・人員(救急車を含む)がある。違法に使用された兵器としては、白燐弾、高密度不活性金属弾(DIME)、劣化ウラン弾(バンカーバスター)などがある。
 
 そして、1月12日、国連人権理事会特別会合はリチャード・フォーク特別報告官の報告をもとにイスラエル非難の決議を採択した。
 この決議では、イスラエルの攻撃を非難するとともに、ガザ撤退、封鎖解除を求めている。また、戦争犯罪を糾明するために緊急に独立した現地調査団を派遣することを決定している。
 イスラエルの軍事行動「停止」後、多くのメディア、人権団体等がガザに入り、イスラエル軍による戦争犯罪、その痕跡を発見・確認し、それを公表している。アムネスティ・インターナショナルは白燐弾使用の確かな証拠をつかみ、使用実態の調査を進めることを明らかにした。国際原子力機関(IAEA)は、劣化ウラン弾使用について調査を行う旨を表明した。
 メディアもガザの各地で戦争犯罪の傷跡、痕跡を取材し、報道している。イスラエルが戦争犯罪の事実を否定し、隠し通すことはできない。

  今こそ戦争犯罪を裁き、実行者を処罰し、被害者に補償を
 
 今、イスラエルは自国軍幹部、兵士が戦争犯罪に問われる事態を回避するために躍起となっている。軍は各メディアに対し、ガザから戻った部隊司令官等をインタビューする場合は顔をぼかしたり、身元が判る情報を削除するよう命令している。メディアは軍の検閲制度に従うよう義務づけられている。
 また、1月25日、イスラエル政府は幹部や兵士が訴追された場合には全面的な支援を保証する方針を閣議決定した(1.27「朝日」)。
 イスラエルは国際的な戦争犯罪追及の声の高まりに戦々恐々とし、戦争犯罪を隠蔽しようとしている。戦争犯罪国家であることを自ら認めているに等しい。しかし、現場指揮官の名前は隠し果せても最高指揮官の名前は隠せない。オルメルト首相、バラク国防相、リブニ外相、これらの名前は決して消せないのだ。
 「非人道的な白燐弾を使ってガザの子どもたちを殺しているイスラエルに対して何のお咎めもないこの不公正な世界で、どんな希望を見出せると言うのか」(ガザの大学生)、医者になるという将来の夢を捨てて、「戦闘員になる。占領者と戦うんだ」(ガザの15歳の少年)、ガザの若者、子どもたちの中にこのような怒りの声が湧き上がっている(1.25「朝日」)。イスラエルの戦争犯罪を放置し、実行者を処罰することも、被害者に補償することもしなかったら、ガザにはまた幾百、幾千人もの「戦闘員」が生まれることは必至だ。
 イスラエルに戦争を繰り返させないためにも、ガザに新たな「戦闘員」を生み出さないためにもイスラエルの戦争犯罪を追及し、裁判にかけなければならない。国際人道法の実効性を確保し、法の下に平和をつくりだしていくために、このことは不可欠だ。

ガザ包囲・封鎖を直ちに解除せよ! パレスチナ占領を止めろ! パレスチナ民衆、ガザ民衆をこれ以上殺すな!
戦争犯罪を隠蔽するな! 戦争犯罪の実行者を処罰せよ! ガザのすべての被害者に謝罪と補償を行え!
われわれはパレスチナ民衆とともにある!
※1月5日からの毎週のイスラエル大使館抗議行動の際の要請書は全国ネットホームページにて掲載。
    
      
参考人招致は請求側の当然の権利!活発な議論を展開

       
無防備地域宣言運動関西交流会報告(上) 09年32号6面  
  
   1月25日、大阪で「無防備地域宣言運動関西交流会」(全国ネット主催)が開催された。
無防備平和条例直接請求も26自治体を数え、数多くの事例を作り出してきたが、議会の壁をこえて条例制定の例は作り出せていない。この壁を突破するために、署名数もさることながら議会審議を見越した地域での運動の進め方の方向が必要になっている。また、署名後に市民の力を生かしていくために、地域や議会変革へ向けた会のあり方や運動の活性化について一定の方向をつくりだすことが問われている。
交流会では、尼崎市と枚方市の報告を受け、実践的な交流が行われた。

 可決・議会審議充実のために

 尼崎市の例などから、議会で充実した審議と条例案可決へ向けた次の方向について議論された。署名数の圧倒的な集中は必要だが議会審議に際して
@ 求代表者全員の参考人招致を実現させる。その実現のために参考人招致を決定する議会の当該委員会審議についても、条例案に対する賛否は別にして、審議充実のために当該各議員に強力に要請をする。
A全会派へのしっかりした要請と会派または議員有志との学習会(説明会)の開催。尼崎では幾度も説明会・学習会を開催した。
B市当局が認める、あるいは「立ち往生」するまで質問をやめない論点形成を議員がつくれるよう要請しサポートする。
C招致に耐えられる参考人・事務局の学習。 
D議会への粘り強い要請。議事日程や参考人、陳述を決める議会の当該委員会の傍聴と要請。
E市長意見書を起案する、または資料を市長に提示する自治体担当部署に、条例案の解説をする場を必ず設けさせる。
 などがあげられた。これらは、これまでも試みられていたが、尼崎市の報告や寝屋川市等の経験から徹底することが必要であると確認された事項である。

 参考人招致は請求側の答弁権確保で当然の権利だ

 特に、@にかかわって参考人招致は審議充実と答弁権確保のため、必要欠くべからざるものと議論された。
 地方自治法第74条(直接請求)は、2002年に改正されて初めて請求代表者が意見陳述をできるようになった。その改正理由は「議会の活性化、審議の充実」と「請求を受けた首長が条例案を議会に付議する場合、自らの意見をつけることとの均衡を図る」(第105回衆院総務委員会政府答弁)である。「均衡を図る」とはほとんどの場合、首長は反対意見を出すことが前提に考えられているからである。
 であるから、「市民請求の条例案について当局に質問しても当局が答えられるのか」(尼崎市議会)と言った至極当然の声が議員からも出され、尼崎市では請求代表者全員が参考人が招致されたのである。
 このことから、議会審議の充実という地方自治法の趣旨からしても、請求側の答弁権を参考人という形で議会において確保することは当然のことであり、他の自治体においても参考人招致をした尼崎市、精華町両議会のように必ず参考人招致をさせることが必要である。
また、この流れを請求側の質疑答弁権を獲得するため、将来地方自治法を改正させていくことも必要であると議論された。
(以下次号※次回は署名後の平和なまちづくりについての議論を報告する)

  [資料]
 『尼崎市議会 虹と緑 弘中信正議員 無防備条例案賛成討論
      (2008年10月2日 尼崎市議会本会議)
     09年32号7面  

  会派虹と緑の弘中信正です。付託されました議案第74号 「尼崎市を非戦の街に」市民平和条例の制定について、条例の趣旨に賛同し、会派を代表し賛成の討論をします。
 本条例は、有権者の50分の1を上回る1万3,913筆の署名でもって住民直接請求として市長に提出されました。これだけ多くの尼崎市民が国際平和と憲法の平和主義の理念実現のために、憲法9条に掲げる戦争放棄と非戦平和のまちづくりに向けて、不断の努力を求めた条例に賛同され直接請求されたことに改めて敬意を表したいと思います。
 歴史でも明らかなように、戦争で最も犠牲になるのは当事国同士の市民です。その市民を守るべき立場の白井市長の条例に対する意見では、制定の目的である平和宣言をした自治体の市長のとるべき責務、平和を願う多くの市民の意思、その実現への基本計画への条項に何らその見解を示されず、尼崎市のみで無防備地域宣言の実効性があるか否かを論点に、市民平和条例に反対意見を添えて提案されたことは、市民の平和への願いや思いを甚だ軽視していると言わざるを得ないと指摘しておきます。
 次に、本条例について賛成理由を述べます。

 この条例は、2本の柱から成り立っています。1つは、平和憲法を守り、市民が犠牲となる戦争そのものが起こらない努力と活動を市民とともに地方自治体の責務とすること。もう1つは、突発的に戦争に出る武力攻撃が発生しそうな、あるいはした場合、戦争から市民を守る手段として相手国や国際機関、政府に無防備地域宣言をすることを取り決めていることです。
 まず、前者については、付託された総務消防委員会では、平和を希求する点で各議員から一定の理解も示されたと考えます。この7月には、東京中野区に続き、千葉県我孫子市では、我孫子市平和推進条例が制定されました。悲惨な戦争を知らない世代が多数を占める中で、核兵器廃絶平和都市宣言や世界平和都市宣言が紙切れそのものに終わることなく、自治体としての平和を守る責務と確固とした継続性のある平和推進を事業として取り組むべく条例を策定しました。本条例がそのような内容を含んでいる点で賛成です。
 次に、市長反対意見である無防備地域宣言は実効性がないとしたことについて意見を述べます。
 1つは、無防備地区と規定したジュネーブ諸条約第1追加議定書59条には、その無防備地域は非軍事行動や移動、軍事関連施設の排除、住民の敵対行為がされないという4つの条件が満たされることになっています。しかし、国家間の戦争では、隣接する自治体が非宣言地区で戦闘地域にある場合、権限が及ばないということで尼崎単独で無防備地域宣言をしても市民を戦争被害から守れるのか、実現性には甚だ疑問だとして反対しておられます。4条件は、あくまでも軍人や軍事施設と民間人が分離されているかどうかが大事なのであって、尼崎市全域でなくても特定地区を無防備地区として規定することは可能です。また、軍との合意を得る必要があるとしていますが、当然、市長権限で市民を守るために、軍と合意を求めるべきです。日本政府は、イラク戦争において、戦争当事国で戦闘地域と非戦闘地域の区分ができることを公に認める発言もしているからです。

 次に、武力攻撃事態の予測も、その対処も、第一義的に国の権限としていますが、国民保護計画では、国からの指示がなくとも市長の判断で緊急対策設置や対処ができるとしています。さらに、市民避難誘導に自衛隊も当たるので軍民分離ができないとして無防備地域宣言の効力がないとしています。しかし、国民保護計画にあるように、武力攻撃においては、自衛隊の任務は我が国への侵略を排除するための軍事活動を行う。つまり優先されるので、避難活動などの住民保護の自衛隊派遣要請は、その活動に支障を来さない範囲でとしています。つまり、政府見解は、戦時下では自衛隊は戦闘員であって、住民保護は期待できず、自治体管轄の責任である消防、警察などが主としてするとして考えられます。その点で4条件を満たす宣言は可能です。
 さらに、非軍事の4条件が満たされなくてもジュネーブ諸条約第59条の5では、赤十字国際委員会などの国際的な人道機関の仲裁などによって、地区を支配する者、つまりは市長などの直接的な外交によって戦争相手国や国際機関に対して無防備地域宣言を通告し、合意をすれば可能であるとしています。つまり、4条件がなくても自治体の首長の責任で、外交レベルで相手国や国際機関に非武装無防備地区宣言は可能ですし、それによって市民を戦争の被害から守ることができるのです。
 市長、例えば友好都市の締結は日本の政府の許可がないとできないのでしょうか。外交はすべて国の専管事項ではないのです。

 3番目に、市長の結論である無防備地域宣言は国が行うので地方自治体はできないという国の見解を漫然と受け入れていいのかということです。沖縄の米軍普天間飛行場のある宜野湾市の伊波洋一市長は、イラク戦争派遣の海兵隊輸送ヘリが市内の沖縄国際大学に墜落した事件で日本政府を相手にせず、直接アメリカ上院・下院の議員、国防省に基地の実情を訴えて基地返還を前進させました。公費での訪米が議会で否決されたために、市民カンパで訪米したことは余りにも有名な話です。前岩国市長の井原勝介氏は、米空母艦載機の厚木基地からの岩国への移駐に政府の国防政策に従わず、住民投票で賛否を問いました。労働省官僚出身にもかかわらず、井原前市長は、住民自治での合意を日米軍事同盟の国防施策に優先したのです。いずれも国と対等の地方分権を主張する首長です。住民投票も含めた住民合意があれば、無防備地域宣言も可能です。

 最後に、日本は島国です。戦争による武力攻撃やテロがあっても、他国の安全区域に避難民として移動することもできません。ならば、国民保護計画での避難実施マニュアルを拡充し、自治体として市内全域ないしは安全区域の場所を設定し、自国や戦争相手国に通告し認めさせ、戦争犠牲者になろうとする市民を守ることは当然の責務です。自衛隊や国防の権限は地方自治体になくとも、非戦、非軍備の平和安全地帯を政府や相手当事国にも認めさせること、そしてその安全地帯を国際法であるジュネーブ諸条約に規定される避難方法を示す国際マークである特殊標章を無防備地域宣言の通告とともに自宅や公共施設初め、市民が集うあらゆる場所に掲示すれば、まさにそこが無防備地域として宣言できる場所なのです。
 本条例を検証すれば、国際法に基づいて実効性が可能だとして賛成をしたいと思います。どうぞ御同意よろしくお願いします。