大阪府吹田市〜7/13−17議会審議
    条例案否決も、市長の反対意見書修正、平和行政推進決議など成果
                                                         09年37号2面
  大阪・吹田市の平和・無防備条例案を審議する臨時議会が7月13日から17日にかけて開催された。 
 無防備条例案は少数否決されたが、市長意見書に批判が集中し、その結果、市長意見書が修正されるという前代未聞の事態が生まれた。04年の大阪市から始まった全国28自治体の無防備条例審議(立川市は7/24審議)で市長意見書が訂正されたのは初めてのことだ。また、同議会では「平和行政を進める決議」が議員から提案され可決された。市民の平和なまちづくりへの熱意が、一般的決議という形ではあるが、議会を動かしたと言える

   「条例案は国民保護法違反」(市長意見書)を徹底追及

 条例案に反対する阪口市長の意見書の要点は、「地方自治体の事務ではない」「国によれば無防備地域宣言は国にしかできない」「条例案3条の『戦争に関する事務は一切行わない』という規定は、武力攻撃事態等においては、国と相互に連携協力して国民保護にあたるとする国民保護法第3条に抵触する」というものだ。
 これに対して、請求代表者意見陳述で「憲法9条を具体化した条例案の規定が法律違反になるはずがない。市長意見書では、国民保護の国と市の相互連携は戦争協力であることになり、吹田市の国民保護条例、同保護計画は端から戦争参加計画になってしまう」と痛烈に批判された。また、本会議質問でも、条例案に賛成する中本議員と池渕議員が、「国民保護に関する事務は戦争事務か」「請求者の意見を聞かないまま条例案を勝手にちがう解釈をしている」と市当局と市長を厳しく追及した。この中で、市当局は請求人の意見を事前に聞かなかったことについて「今後の課題としたい」として事実上非を認めた。また、坂口市長は軍民分離原則の認識を問われ、「軍民分離ですが、日本では軍は民によってコントロールされている。」と答弁し、シビリアンコントロールと混同する驚くべき無理解・不勉強ぶりをさらけ出した。

   前代未聞の市長意見書の修正

 続く議案を付託された文教委員会審議においても、再三にわたって追及が行われた。条例案に賛成する西川議員は「戦争に関する一切の事務を行わないことは憲法で当たり前なのに、これが国民保護法に抵触と言っている。なんでや。国民保護事務は戦争に関する事務と思っていたのか」との追及に、市当局は立ち往生し答弁不能になり、1時間40分の休憩となった。市当局は、市長と協議のうえ「戦争に関する一切の事務を行わないという規定は、これらの法律や条例に抵触する」とした部分の削除、修正を余儀なくされた。これは、請求代表者との面談に応じることもせず、国際人道法の理解を深めることを放棄し、市民保護の自治体の責務を政府の指示に丸投げするという一貫した市の姿勢が墓穴を掘ったのだ。

   平和行政推進決議など成果残す

 条例案は否決されたが、吹田市議会審議は少なくない成果を残した。
第一に、市長意見書の「国民保
護法に抵触する」という文言を撤回させた。第二に、市当局による軍民分離の有用性の確認、市と条例案で市民の目指すものは無防備条項をのぞいてはほぼ同じだとの確認(坂本自治人権部長)を答弁の中で引き出し、今後の条例案の内容を実現させていく端緒をつかんだ。第三に、「『吹田市非核平和都市宣言』に基づく平和行政を進める決議」の議会決議は、まぎれもなく運動の「成果」だ。さらに本会議での「請求者から中身を聞くことは今後の課題としたい」(赤野統括監)と今後、他市での協議・参考人招致への足がかりとなる答弁を引き出した。一方、市当局の「平和=戦争の悲惨さを確認する宣言や事業」という固定観念を打ち破ることに課題を残した。(平和=人権・環境・民主主義という観点でまちづくりを行う条例案の趣旨を浸透させきれなかった)
今後、吹田の会では、7月26日に報告集会を開催し、今後の取り組みの方向を確認する。
            【東京都立川市】 議員と市民の2回の意見交換会から
                7月24日、議会集中審議・採決に臨む
                         平和な町条例を作る立川市民の会 塚本秀男  09年37号3面
 立川市における条例請求運動を進めてきた市民の会は、署名数4463筆(有効3958筆 法定数の1・4倍)をもって6月25日に本請求を行った。7月15日に臨時議会が召集され、24日に請求人意見陳述と集中審議・採決が行われることとなり、最終局面を迎えている。

   議員と市民との二度の意見交換会を開く

 全議員(定数三十人)に案内状を出し、6月につづき都議選翌日の7月13日に第二回目の意見交換会を開いた。以前から無防備地域宣言運動に注目されていた会派・みどり立川(1人)など4名の議員が参加された。各議員からは、「基地拡張の国策と闘い勝利した砂川闘争の先例は、市長の意見書にある『国の専管事項』論に対する回答となる」「普天間基地のように、市の中央に自衛隊基地があっていいのか、その是非を初めて問う条例案」等の意見が出された。
 また市長意見書が出された前々日には、「市長からは意見書に関する指示や国からの資料提供などはない」と語る担当部長や課長らとの折衝(実質上レクチャー)を約80分間市長応接室にて行った。
 来年の市議選を見込んだ会派からは、「無防備地域宣言の実現」と記された同派会報が市民に広く配布され、民主系6人全員を対象に説明会も持たれた。「北朝鮮が攻めてくる」と感情を露にする自民党系議員の主張や「戦争前提の条例」との異議を唱える会派の主張に対しては、意見陳述において丁寧な反論を行うこととしている。
 市のHPのトップには「注目情報/お知らせ」コーナーに条例請求要旨等がアップされ、市内各地の掲示板にも告示が一斉に張り出された。

  狭〜い事務所を拠点に、元気に活動中です

 4月以来、市民の会定例会は水曜日の夜だ。立川駅徒歩4分の位置にあるわずか5畳余の空間で、時には30代から70代の十数人が集まり立錐の余地もなくなるほどの、通称「スペースあけぼの」事務所で開いている。イベントの度に約六十通の葉書を市民に発送したり、電話かけや陳述用のパネル資料作りなどから、時には新聞記者が取材に来られたり、市当局からのFAX受信先やネット右翼?からのアクセス窓口ともなっているのが、この事務所である。また、例会の議事録は毎回担当より一斉にメール送信され、情報の共有化は会自慢の一つだ。
06年に直接請求運動を取り組まれた隣接の国立市と日野市(中央線で各一駅)からも市民が節目節目に駆けつけ、心強いサポートとなっている。
 いよいよ、臨時議会最終日を迎える。意見陳述の原稿仕上げに総力をあげているところだ。東京・多摩地区中心部に位置する国立・日野・立川とつながるピースゾーン運動トライアングルを築き上げるロマンをもって、条例制定審議に臨むつもりだ。
   10月署名運動へ、8月16日「戦争はイヤです! なは市民の会」結成へ!
   沖縄全島軍事要塞化に抗する那覇市の無防備平和運動
                      戦争はイヤです! なは市民の会(準備会)事務局  西岡信之 09年37号4〜5面 

   沖縄全島軍事要塞化

 米軍再編=日米軍事一体化によって、沖縄は全島が軍事要塞化されようとしている。本島北部の高江ヘリパッド、辺野古崎・大浦湾の新基地建設の計画をはじめ、キャンプ・ハンセンでの日米共同演習、都市型訓練。本島中南部では、勝連のホワイトビーチへの過去最多の米原潜寄港、嘉手納基地へのF22ラプター(ステルス型戦闘機)配備やF18ホーネット艦載機の飛来、パトリオットミサイル(PAC3)配備。自衛隊那覇基地ではF15戦闘機への機種更新。糸満の自衛隊与座岳分屯基地のFPS5レーダー。先島では、竹富町の西表島・上原港への海自護衛艦寄港、石垣空港への米軍自衛隊のヘリ輸送機の離発着。そして、最西端である国境の島=与那国島への陸自配備計画。
 沖縄島本島、宮古、八重山の全てに日米政府は軍事施設の再編強化を一気に推し進めてきている。

   国境の島の軍事化

 与那国島と台湾との距離は、約百十キロ。晴れた日には、台湾の最高峰・玉山(標高3952m)が見える。玉山とは、新高山(ニイタカヤマ)と台湾植民地時代には呼称され、太平洋戦争では「ニイタカヤマノボレ1208」として戦闘開始の電文に使用された。与那国と台湾の距離感は、箱根駅伝の区間とほぼ同じ、東京・大手町から芦ノ湖と思えばいい。大手町から富士山が見える距離に台湾がある。
 今年四月、八重山郡の三自治体(石垣市、竹富町、与那国町)の首長は、台湾を訪問し、交通確立、文化・経済交流を約束。25年前から与那国町は台湾東部の花蓮市と姉妹都市を結び、昨年には花蓮市内に連絡事務所を開設、直行チャーター便の運航を取り決めたばかりだ。その与那国町長が、7月防衛省を訪れ、浜田防衛相に陸自配備を要請、それに応えるかのように来沖した浜田は、復帰後初めて防衛大臣として与那国に入り、自衛隊配備検討を確約した。
 与那国島は、わずか29平方キロの小さな島だ。サトウキビとマグロ漁だけでは島民は食べていけないと人口流出がここ数年課題となっていた。自衛隊配備で隊員からの税収入が見込めるからという町長の申し出に、尖閣諸島、東シナ海ガス田開発という対中国をけん制したい政府・独占が飛びついた形だ。
 8月の町長選挙に向けて、自衛隊配備に反対する町職員が、対立候補として手を挙げた。国境の島に軍隊は必要なのか、町民の判断が試される暑い夏の闘いがもうひとつ始まった。

   厳しい結果になった那覇市議選

 7月5日、投開票の那覇市議会議員選挙は、定数40名に対して、67名が立候補という大激戦となった。結局、翁長雄志・那覇市長の与党である自民・公明が全員当選し、過半数を確保した。野党は、民主党の躍進はあるものの社民党、社大党、共産党はともに厳しい結果に終わった。
 今年の年末に予想される那覇市議会での無防備平和条例議会審議で賛成討論を予定していた社民党の市議候補も惜敗という結果になり、大変厳しい議会審議になることが確実になった。
 しかし選挙結果に関わりなく、こういう沖縄全島が軍事要塞化されようとしている時にこそ、県都・那覇市から平和を訴えていくことが必要だと、首里石嶺町にできた新しい事務所で7月10日に開いた初めての事務局会議で話し合った。

   市民の会結成から署名運動に向けて

 「戦争はイヤです!なは市民の会」(那覇市無防備平和条例をめざす会)がいよいよ結成される。
 8月16日(日)午後2時から、那覇市の新都心・おもろまちにある那覇市上下水道局・厚生会館の多目的ホールで、「市民の会結成の集い」を開催する。 第一部には、「海勢頭豊 無防備平和コンサート」。第二部に、「結成の集い」を開く。 記念講演として、四年前の竹富町での無防備運動を取り組まれた請求代表者の一人である石原昌武さんを西表島から招請する予定だ。 無防備運動を県民運動にしていきたいという思いから事務局論議で、沖縄の全政党代表者を来賓として招待することも検討している。
 署名運動は、10月10日から開始する予定だが、それに向けてふたつの講演会を企画している。 9月4日(金)午後7時から、那覇市西町の「てぃるる」(県男女共同参画センター)で、ジャーナリストの斉藤貴男氏の講演会。署名運動直前の10月5日(月)午後7時から、那覇市国際通り・ぶんかテンブス館ホールで、カトリック正義と平和協議会会長の松浦悟郎氏のお二人だ。
 これらの企画を大きく宣伝し広げていく中で、署名運動の協力者、受任者を拡大していきたいと考えている。
 
   戦争遺跡を文化的財産として保護を

 那覇市の無防備平和条例の案文討議を事務局と準備会で続けている。その中の論議で、那覇市内には、沖縄戦で第32軍司令部があった首里城司令部地下壕をはじめ、識名の県庁壕、泊小学校旧校舎などの戦争遺跡が数多く残されている。現在の首里城は復元されたものだが、独特の文化発展を遂げた琉球王朝の歴史的建造物は、日本軍が司令部を置くことによって壊滅的な攻撃を受けた。軍隊と文化財は近傍してはならないとする国際法の考え方からも、戦争遺跡は、文化的財産として保護する必要があるのではないか。請求代表者のひとり、具志堅隆松さんは、「ガマフヤー」(遺骨収集ボランティア)として、休日には那覇市内のガマに入って、今も遺骨を収集されている。現在、宅地開発等によって数多くの戦争遺跡が姿を消していると言う。64年前、三人に一人が犠牲となった沖縄戦の戦争遺跡は、未来に向けて戦争の実相を伝え残す貴重な市民の財産だ。
 無防備平和条例運動の中で、戦争遺跡を残していくことも一つ大きな目標に置きたいと考えている。

   なは市民の会の運動にご支援・ご協力を

 8月からスタートする那覇市の無防備平和運動にぜひ全国から物心両面のご支援とご協力を訴えます。50万円カンパをはじめ、全戸チラシ配布、署名収集など、ぜひ沖縄にいらしてください。
   軍隊を棄てた国コスタリカに学ぶ 足立力也さん講演集会
    
軍隊がないことが最大の防衛力
  09年37号6面
  7月11日、吹田市で、全国ネットと平和・無防備条例をめざす吹田市の会の共催で、「現実的選択肢としての非武装国家」と題して、コスタリカ研究家の足立力也さんを招いて軍隊を棄てた国・コスタリカに学ぶ講演集会が開催された。 
 無防備運動がめざす平和なまちづくりに大きな確信を持つ内容であった。

   有事の危機も積極外交で解決
 

 コスタリカの位置する中米は、メキシコとコスタリカ以外の国は米国に1回は潰されたように20世紀後半は、まさに血みどろの歴史を辿ってきた。その中にあってコスタリカは60年間軍隊のない国として存在し続けている。
 その中で、1948年に軍隊を廃止して以降も4度の有事の危機があったが、すべて無防備・非武装で解決してきた。
 ニカラグアの支援を受けた勢力の侵攻に対しては、米州機構に訴え、紛争の当事者を増やし紛争の構図を変えて勝決した。また、米国によるコスタリカ国内のコントラ支援による最大の危機には、「積極的永世非武装中立宣言」を打ち出し、積極外交で欧州各国の支持を拡大し、解決した。その後も非武装という立場から生まれる信頼を生かし、積極外交による紛争解決を行っている。

   非武装が文化となる

 そうした経験から、冷戦や抑止論を否定し「軍隊がないことが最大の防衛力だ」と言えるまでになっている。まさに非武装が文化となり、国民の価値観となっているのだ。だから、憲法上再軍備は可能ではあるが、国民がそれを選択しないのだ。
  
   軍隊は民主主義に反する/平和は民主主義・人権・環境
 
 足立氏は語る。「軍隊があるか否かと、攻められるか否かは全く別の問題だ」と。まさに中米の近代史はそのことを実証している。無防備条例に反対する人たちの「無防備だと攻められる」という論理はすり替えであることがわかる。
 足立氏は「軍隊は、政治的目的達成のために物理的強制力を行動の根源とした、国家またはそれに準ずる組織に属する階級的組織でそのメンタリティは『人を殺せること』にある。警察は政治的目的のために動いてはならず、殺してはならない。この点が違う。」「コスタリカの人々はこの点を理解している。だから街角でのインタビューで『軍隊があれば民主主義でない』『話し合いで解決できるから、軍隊はいらない』と即答する。」と続ける。
 さらに、日本で平和というと「悲惨な戦争反対」を連想し、ネガティブなイメージを持つが、コスタリカでは小学生が「民主主義」「自由」「人権」「環境」と答えるなど肯定的な側面がイメージされると言う。このことから、足立氏は平和とは「統合的価値観」であり、「平和は静止した点ではなく、常に前向きに動き続ける線であり、私達がそれをつくり続けることが大事である。」と結んだ。

   無防備運動をさらに広げよう

 憲法9条をもつ日本が、軍隊を持ち派兵している時、現実的選択肢として非武装を選択したコスタリカの歴史と現状は、無防備運動に大きな展望を与えてくれる。無防備運動を大きく広げよう。
  江別に吹き始めた無防備の風  無防備北海道ネットワーク谷 百合子 09年37号7面
 
 札幌の隣に江別と言う牧歌的な町があります。酪農学園大学や札幌学院大学をはじめ各種学校や道立図書館、開拓の森などが、緑に囲まれた田園風景の中にあり文化の香りがする街です。
 市民運動も活発で長年活動を続けている市民運動の達人も大勢おいでです。
 中でも札幌の無防備署名を応援して下さった石田せつこさん、藤井絹代さん、上野祥子さんの三人娘さんには、札幌の署名期間中、毎日のように駆けつけて頂き、どれ程励まされたか分かりません。
 江別でも前田朗さんの講演会等で無防備のことはお知らせしてきましたが、今回は谷が6月12日に「無防備地域宣言」について報告させて頂き、7月4日には森啓さんが「平和な江別のまちづくり」というテーマで憲法九条と市民自治についてお話をする機会を頂きました。
 主催は9条江別市民の会でしたが、なんと41回目の学習会とのことです。さすが学習を重ねてこられただけあって、質問も鋭く具体性なものでした。
 無防備に関しての知識は満ちました。あとはGOサインのみ(?)