ジュネーブ条約60周年記念 シンポジウムと分野別討議
      「国際法を活かし自治で平和をつくる」
            09年38号2面
  8月1日(土)から8月2日(日)に、横浜市において「国際法を活かし自治で平和をつくる」と題してジュネーブ条約60周年記念シンポジウムと分野別討議が行われた。
 シンポジウムでは、戦争違法化と紛争下での文民・人権保護と憲法9条が同根のものであること、無防備についてはジュネーブ条約第一追加議定書の第59条だけでなく第48条から第58条の軍民分離原則の体系として理解する必要があることが報告され、軍民分離原則と自治で平和な地域を作り上げる重要性がより明確に確信とすることができた。

 戦争違法化を前提にして紛争における文民保護がある

 前田朗東京造形大教授は、シカゴの弁護士レヴィンソンの運動が1928年不戦条約、1945国連憲章へつながる戦争の違法化の流れを生み出し、国際人道法の形成と展開に果たしたジャン・ピクテの諸原則を紹介し、「レヴィンソン(≒戦争違法化)を前提にしてピクテ(≒紛争における文民保護)がある。対立するものではない。」と明快に述べ、国際人道法を国内で広げ、無防備運動を世界に宣伝しようと結んだ。
 澤野義一大阪経済法科大学教授は、憲法9条の源泉にある国際法として、9条1項戦争放棄は不戦条約、国連憲章から、9条2項交戦権放棄は国際人道法〜交戦法規における合法的武力行使の禁止、恒常的中立義務をあげ、無防備運動の意義は東アジア平和都市連合や非核中立への展望にあるとした。

 フィリピンの子ども平和地域決議の取り組み

 最後のフィリピンのポール・ガランAKCDF代表の報告は、参加者に大きな確信を与えた。「マラボン市ポトレロ地区での非軍事条項を含む子ども平和地域決議は、CPC(子どものための平和な地域)を子どもの権利と福祉を高め、子どもたちを虐待、暴力、戦争から守る場所、子どもに優しい地域と規定している。私が招かれたのは、ジュネーブ条約60周年を記念し、世界で人権と福祉を守る平和な地域、無防備地域建設を推進するため、この経験を共有することにある。地域の中で人々と行政が協力するためのかけ橋となったこの経験は、地域における恒久平和を実現させる一歩に過ぎない。具体的なプログラムを通して行政によって、人々に対する基本的福祉が適正に推進されない限り、または貧困、失業の問題が未解決で放置されるなら、この勝利は意味をなさないままである。正義と平和と人間らしい社会をめざして真の連帯を。・・・決議を挙げるにあたって、住民が自信を持つことが大事。そして決議は第一歩であり条例化を進める地点に立ったということを確認し、地区から市のレベルに上げる。区長と委員が我々の側についている。9月にはフォーラムを開催し来年2月にマラボン市議会で条例化したい。平和運動を取り組むにあたっては、子どもの権利、人々の生活について取り組むこと。全ての事にとって大切なのは、人々の関わり、人々の国内的必要性を認識すること、貧困をなくす平和な世界をつくることだ。」と熱く語った。
 このフィリピンの報告は、平和な地域は人権や福祉がまもられる地域であり、地域の人々の貧困などの課題解決のプログラムを推進させる自治の力でこそ作り上げられることの展望を示した。
       10 月10 日〜署名活動開始 米軍基地の島・沖縄の県都那覇市 
 歴史的な取組みのスタートへ   8/16 なは市民の会結成
    09年38号3面
 沖縄初の無防備運動に取り組んだ竹富町から激励!
 8月16日(日)那覇市で無防備平和条例の制定をめざす「戦争はイヤです!なは市民の会」結成の集いが開催された。集いには会場満杯の90名が参加。条例案も発表され、10月10から開始される直接請求署名の成功から条例の制定へ熱気に満ちた集いとなった。
 記念講演は、06年に沖縄県で初めて無防備運動に取り組んだ竹富町の石原昌武さん。「憲法改悪の動きが加速する中で、この運動は改悪を阻止し自分たちにもできる運動と確信。7島全部回って全戸配布し、有権者の三分の一の署名を集めた。議会では否決されたが、町民自ら大事な問題を直接請求し自治意識を育てた。自衛隊配備の動きがあるいまこそ、八重山全体
を無防備地域にする取り組みが必要だ。那覇では趣旨を理解する議員を作り条例を制定してほしい。」と那覇市民を励ました。

 軍民分離が住民を救った・・前島の実例描いたTV映像を上映

 事務局の経過報告をはさんで、報道特集「命どう宝」(95年ニュースステーションで放送)の映像が流された。沖縄戦で軍隊がいなかかったため、住民が助かった前島の当時の島民と米海兵隊指揮官の取材映像である。当時の米海兵隊指揮官は「民間人はジュネーブ条約により保護される」という当時の作戦命令書を見せる。一旦上陸した米海兵隊になぜ竹槍突撃をしなかったかの問いに、当時の島民は「日本軍がいればやっていただろう。住民だけだったから話合
ってやめた」と証言する。軍民分離が命を救った実例に参加者は目を凝らす。その映像提供者の平良修牧師は「この新しい運動に全力で協力したい」と表明された。
 その後、無防備全国ネットと山内徳信参議院議員からあいさつ。山内さんは「47都道府県で多くの自治体が宣言すれば日本は戦争できなくなる。一緒に闘いましょう!」と激励された。

 受任者千人で5万筆集めよう請求代表者が決意表明

 条例案の提案の後は、いよいよ請求代表者の登壇。7人の請求代表者を代表して狩俣信子(元沖縄県議)さんが「一人ひとりが基地はイヤという平和の声をしっかり集めよう。一か月で5万筆は大変だが受任者千人で集めよう。一人でも多くの賛同を!」と決意を表明。会場は満場の拍手に包まれた。
 最後に、呼びかけ人を代表して荷川取順一牧師と受任者を代表して陶芸家の安里充広さんから決意が語られた。安里さんは「無防備はウチナンチュに合っている運動だ。殺すことも殺されることもイヤだというチムグリサの心だ。やさしさ、非武の心で平和を創造する。その可能性のある運動。5万の署名で成功させよう!」と集いを締めくくった。

 9月中下旬全戸へチラシ配布から署名本番の活動に突入
 
 なは市民の会では、9月中下旬には那覇市全戸へのチラシ配布運動を行ったうえで、10月10日から一カ月間、無防備平和条例直接請求署名に取り組む。法定数は約五千筆だが、会では5万筆をめざして活動する。那覇市での無防備運動は、基地のある自治体で「非暴力」「軍民分離」「自治」で平和的生存権を確立していく全国的意義を持っている。
 ぜひ、那覇の無防備運動へカンパ(呼びかけ同封)を、そして現地へチラシ全戸配布や署名行動の支援に行こう!
      グロ− バル資本のために戦う体制づくり目指す安保防衛懇報告
                              全国ネット事務局 09年38号4〜5面 

1 安全保障戦略の転換・改憲を迫る報告

 84日、首相の私的諮問機関である「安全保障と防衛力に関する懇談会」(座長・勝俣恒久東京電力会長,以下「安保防衛懇」と言う)は、今年末に予定されている「防衛大綱」改定に向けた報告書を麻生首相に提出した。

 この報告書は、自公政権が今度の総選挙で退場し、民主党を中軸とする連立政権の発足が確実視される中で出された。民主党は、選挙後に政権の座に着いた場合には、この報告書を見直すと言っているとのことである。従って、この報告がそのまま新「防衛大綱」に反映するとは言い切れない。しかし、安保防衛懇はそのことは承知の上で、民主党の安保政策への圧力とするため、また民主党内にこの報告に同調・呼応する勢力が存在することを織り込んで、彼らのホンネをむき出しにした報告書をまとめたのである。彼らのそのホンネは、「序章」に書かれた次のフレーズに端的に表れている。

「日本が国際安全保障における自国の役割についてより真剣に考え、より積極的に行動する時期に来ている」平和は非軍事と同義ではない日本の防衛のためにも、国際社会の安全のためにも、平和を守るためには軍事力を用いなければならない場合もある。重要なのは、例え犠牲を強いてでも守るべき安全保障上の目標について国民の間で十分な議論と了解があること、そして、その目標達成のために軍事力が適切に使われる仕組みを平素から築いていくことである」

 ここには戦争放棄・戦力不保持を規定した憲法9条、平和主義の理念はかけらもない。「例え犠牲を強いてでも」(ただ、間違っても安保防衛懇メンバー、権力中枢に位置するものが犠牲になることはないが)軍事力で「問題解決」を図る、その仕組みを構築していくという姿勢が明け透けに語られている。そのために専守防衛は見直さなければならないのであり、敵基地攻撃能力保有についても検討するというのである(これについては後述)。この報告書は改憲を前提としたものであり、それをめざすことを宣言するものに他ならないのである。

2 戦略目標はグローバル資本の権益擁護

 では、安保防衛懇が実質改憲まで行って確立しようとする安全保障戦略とは何か?それがめざす「理念と目標」とは何か?それは一言にすれば日本のグローバル資本の権益擁護であり、その安全確保である。「第1章 新しい日本の安全保障戦略」の「安全保障戦略の理念と目標−日本がめざす世界」にそれはストレートに記述されている。この中では、守るべきものは「日本の安全と繁栄の維持」「地域と世界の安定と繁栄の維持」「自由で開かれた国際システムの維持」であるとされる。一見もっともそうな「目標」である。しかし、その実体は何か?それは具体的には以下のことである。

・「海外で活動する日本人の安全」−「世界各地で活動する日本人の安全がグローバルに守られなくてはならない」
・「市場と市場へのアクセスの安定」−「資源や食糧の供給が維持され、市場へのアクセスが確保されると同時に、海上輸送路の安全が維持されなければならない。海外の市場も安定している必要がある」
・「個人の自由と尊厳が守られる世界の実現」−「自由で民主的な価値を増進させることが求められる」
(“破綻国家”などについてはレジーム・チェンジも辞さないということ)

表向きには「日本の安全と繁栄」とか「地域と世界の安定と繁栄」と言うが、その内実は、海外で活動し、そこに権益を有するグローバル資本を守ることに尽きている。“外敵侵害の排除”とか、“領土防衛”などは戦略目標においてはるか後景に退き、利潤追求・権益確保のために世界のどの市場にも自由にアクセスでき、その市場が不安定化するならばそこに自由に介入し、資源を手に入れることができ、そして、このような活動をどこで展開しようと安全を保障する、そのような軍事戦略を確立しなければならない、安保防衛懇はそう言っているのである。グローバル資本の“自由”を阻むもの、その“価値観”を否定するものを排除する、そのような軍事戦略へと転換していくべきだと提言しているのだ。2004年防衛大綱がめざしていたものをもっと鮮明にし、さらに徹底させようとするのが今回の改訂の狙いなのである。

3 安保基本政策の転換−専守防衛の見直し・外征軍化の促進

 グローバル資本の権益擁護のために戦う体制の構築、それを担う自衛隊への転換を図るために安保防衛懇は安全保障の基本政策を見直すよう迫る。

 その第1は、「専守防衛」の見直しである。彼らは言う、専守防衛の持つ語感は「日本の防衛のためにどのような装備体系や部隊運用が必要かを具体的に議論するに当たり率直かつ自由な思考・発想を止める要因になっている」。彼らは「専守防衛」が、自衛隊の装備・運用を制約し、また“国際活動”の自由な展開の歯止めをかけていると見なし、その制限を取り払うよう提言する。その上で彼らは、「敵基地攻撃能力保有」の検討をも提言する。北朝鮮の弾道ミサイルに対抗するには、ミサイル防衛(MD)だけではなく、これを補完する「打撃力」=巡航ミサイル(核搭載)、早期警戒衛星の開発・装備を検討すべきであると言うのである。自衛隊を憲法9条、国際法の「クビキ」から解き放せと言っているに等しい。

 第2は、PKO参加基準の見直し、派兵恒久法の制定である。グローバル資本の権益を守るためには、自衛隊をいつでも、どこへでも出動し、部隊展開できる軍に変えていかねばならない。そのために安保防衛懇は、「国際平和協力活動」をさらに拡大していく必要があるとして、PKO参加5原則を取り払い、武器使用基準についても緩和するよう提言する。同時に、国連の枠組み内、国連の枠組み外の非国連型を問わず自衛隊が出動できるように派兵恒久法を制定するよう求める。さらに「国際平和協力活動」において「武力行使」に踏み切ったとしても、これを違憲の活動と見なさないよう憲法解釈を変えるべきであるとまで言っている。これらは自衛隊を完全な外征軍に変えていくための提案にほかならない。

 第3は、「ミサイル防衛」を口実とした日米軍事一体化の推進、集団的自衛権行使の容認である(a.米国に向かうミサイルの迎撃、b.共同で作戦を進める米軍艦船の防護)。自衛隊を戦う外征軍に変えていくポイントは米軍との共同作戦の展開であり、日米統合運用の深化である。しかし、米国はアジアで台頭する中国と「戦略的対話」を行なっている。他方、「対テロ戦争」の失敗から米国の国際的影響力は相対的に低下し、単独行動主義はとれなくなっている。このような中で日米同盟を“揺るぎない”ものにしていくために集団的自衛権行使にまで踏み込み、日米関係を米英関係に匹敵するような関係に変えていこうというのである。

 第4は、武器輸出三原則の見直しである。現行の武器輸出禁止は、「国際的な技術発展から取り残され、防衛力の低下を招く」「日本の防衛力の向上につながる国際的な共同開発や生産への参加は三原則の例外とするべき」、これが安保防衛懇の言い分だ。これは経団連防衛生産委員会の要求をそのまま受入れるものでしかない。軍産複合体の利益でしかないものを、これを「防衛力低下をくいとめる」ものと描き出し、それを擁護しているのだ。

 以上はいずれも自衛隊創設以降の日本の安全保障政策を根本的に見直し、転換させるものである。改憲と表裏一体であり、断じて認められない。

4 安保防衛懇報告のはらむ矛盾と闘いの課題

 しかし、安保防衛懇報告は大きな矛盾をはらんでいる。先ず、彼らの情勢認識が根本的に間違っている。対テロ戦争は破綻し、米国の単独行動主義は終わった。そして、紛争に軍事力で対応し、問題を解決した事例はない。北朝鮮の核・ミサイル問題もあくまで話し合い・6カ国協議で解決するというのが米国も含め世界の共通の認識になっている。イランの核問題も然りである。「平和は非軍事ではない」などと言うのは時代錯誤もはなはだしい。

 第2に、日本が専守防衛をやめ、敵基地攻撃能力を持つということは、北朝鮮や中国に対し、核・ミサイル開発を止めよ、軍備増強を止めろと言えなくなるということだ。そして、それは東北アジアにおいて軍拡競争を激化させる。それは日本の安全を危うくするだけである。そんなことを望むのは産軍複合体だけである。

 このような報告がそのまま新「防衛大綱」に反映・具体化されることはあり得ないと思われる。しかし、民主党もまた日米同盟中軸論に立っている。党内には長島昭久や前原誠司などの「タカ派」を抱えている。楽観、油断はできない。

 安保防衛懇報告を葬り去っていくために、@北朝鮮の核・ミサイル問題の平和的解決を求める世論を高める、臨検特措法に反対する、Aミサイル防衛(MD)の本質・狙いを暴露し、PAC3配備に反対する、B自衛隊の海外派兵をやめさせる、インド洋・ソマリア沖からの自衛艦引き上げ、C派兵恒久法に反対する、等の運動を強めよう。無防備平和条例実現の運動をさらに全国に広げよう。
  

    賛成議員4名の大奮闘も終に否決
  「無防備(地域宣言)という平和の杭を立川に打とう」(議員の演説)
                   平和な町条例を作る立川市民の会塚本秀男     09年38号6面
  
 去る7月24日、条例案審議が立川市議会で開かれた。議員との2回の意見交換会を経て、賛成派議員4名(定足数30)による果敢で攻勢的な質問が展開され、終日の集中審議をリードした。否決となったものの「平和と基地問題、を文民保護・地方自治の問題とさせ、市民の署名の力ではじめて議会を動かす」(議員)ものとなった。   
 

 賛成議員は、大沢豊さん(会派・みどり立川)五十嵐けんさん(市民の党)矢島重治さん(社民党)稲橋ゆみ子さん(生活者ネット)の4名だ。6月と7月に開いた議員と市民との意見交換会にも参加され、今年3月策定の立川市国民保護計画にも反対された議員だ。審議は、4名の議員が持ち時間(総務委員会1時間)や質問回数(本会議は一人3回)を相互に駆使し、体を張るようにして市長側を追及・リードして進められた。

 戦前も今日も「基地との共存」の町でいいのか。
              市民の命と財産を守り、保護できるのか

 主な争点となったのは第一に「軍民混在という立川の現実をどう捉えるのか」であった。立川市内に2つの自衛隊基地(戦前は陸軍飛行場など、戦後1974年まで米軍基地)があり、西北部には横田基地の一部が存在する。この現実と国際人道法の軍民分離原則との適合性が争われた「山中坂の悲劇」(1945年4月4日、基地隣接の防空壕入口に爆弾が落ち、) 子どもら40余名が圧死した空襲)の教訓をどう考えているか、「現在基地と隣接した学校はいくつか(約
10校)、危険にさらすことにならないか。市長は予防措置に努力しているか」等々、繰り返し4人の議員が回答を迫った。市長は当初「空襲犠牲者には同情」などとしていたが「(基地周辺は軍事目標となる)危険度が高くなる」と答えざるを得なかった。
 第二は「条例が、地方自治法に抵触するのか否か」だ。神戸、大和、藤沢、苫小牧各市の条例等を示して議員からは追及が続いた。また、市長の「外交、防衛は国の扱う事項」論に対しても「国策の基地拡張を止、めた旧砂川町議会と住民(現立川市)の運動(砂川闘争)を対置し」
て追及した。
 しかし市長のなおざりな答弁自・公・民系各議員の沈黙( 戦争「にルールなんてネェ」との野次のみ)と無勉強ぶり、及び、共産党の不可解な反対討論( 攻められたら抵抗しない、戦争非協力の主張は一つの見識ではあるが、・・・・賛同できない)には正直あきれる」、一方、「署名数が2 3万筆あったら」との傍聴人のため息も出た。

 軍都立川にデビューした無防備平和運動粘り強く続けたい

 市民の会では総括と今後の運動継続の話合いを継続中だ「もっと。多くの市民に無防備地域宣言のことを知ってもらう地道な活動が必要」との一致した意見を踏まえて進めている。「軍民分離と近隣基地調査」「国立、日野の無防備運動体との共同企画」「横田基地周辺自治体などに運動を拡げる取り組み」「請願陳情などの賛成派議員と市民を結んだ運動」などの意見も出されており、国際人道法を生かした9条の町を目指す平和運動を地域に根ざして進めたいと、考えている。
  【鎌倉】7.19上原公子講演会開催
   「無防備アレルギー}を払拭し、署名運動の準備スタート

                                             無防備運動鎌倉有志の会・遠藤恭  09年38号7面
 
 鎌倉の無防備は、まだ始まったばかりです。でも確実にスタートは切ったつもりです。

まず、昨年10月17日に、市に対し「戦争訓練の国民保護計画反対!平和な街づくりを求める申入れ」と題した申入れ活動を行ないました。10月31日付の石渡徳一市長回答で、@神奈川県に自衛隊派遣の要請の可能性があること、A保護計画作成にあたってジュネーブ条約は考慮していないこと、B自衛隊募集業務のサポートは「法定受託事務」として行なっていること、C市民に対して国際条約の周知を行なっていないことを確認しました。

 今年4月26日には鎌倉市議選が行なわれたのでわれわれは「無防備運動鎌倉有志の会」として、革新系の立候補者に「無防備地域宣言運動」に関するアンケートを実施しました。回答は以下の通り
@賛同と書いてくれたのは「市民派」の岩田薫氏一人。A神奈川ネット(4名)からは「市民の条例運動学習会や交流会に参加し、理解を深める用意がある」との好意 的な回答がありB民主系(1名)からは「この運動をあまり知らない」「今のところ趣旨には賛同できないが、検討の余地はある」との回答、C共産党系(4名)は代表が「日本を戦争のできる国にする憲法改悪を許さない一点で、一致する全ての人びとが力を合わせて9条を守ろうとしています。そうしたときに、戦争のルールを定めたジュネーブ条約をもち出して、“戦時にはこうする、平時にはこうする”という条例をつくる必要はないと考えます」と明らかな反対意見が来ました。

 「無防備運動鎌倉有志の会」は相談相手としては伊藤成彦先生がいらっしゃるし、講演者としては井上ひさしさんもおられるわけですが、問題は署名運動を動かす人間がまだ見つかっていないことです。また無防備と言えば「無防備で本当に大丈夫なの?」とか、「そんな弱腰でどうする!」とか言われるのが普通。そこで、まずは「無防備アレルギー」を払拭しようと言って、頭に浮かんだのが元国立市長「上原公子さん」の名です。
 日本キリスト教会鎌倉恩寵教会のご好意によって会場も決まり、7月19日「上原公子講演会」を開くことになりました。資料としては、憲法およびジュネーブ条約のコピーを用意した。当日は、35名ほどが集まり、まず荒井牧師のご挨拶「聖書にある通り“剣を打ちかえて鋤となす”ことは、
キリスト教の観点からも正しいこと、求めていたところです」とい。う力強いお言葉をいただきました。続いて短時間、恩寵教会の方が用意してくださったスクリーンで、無防備運動の実際をまずは参集者の目に訴えました。
 上原公子さんからは「国の動向を、しっかり目を開いて、監視していかなければならない。そのために、ジュネーブ条約に基づく無防備宣言の運動は非常に有効。鎌倉も頑張ってください」と激励を受けました。
 第一回の会合としては成功であったといえます。