今こそ、自治体の平和力を活かす取り組みを!原発もオスプレイもいらない
    自治体首長交渉、9月議会決議に全国で取り組もう!

                            全国ネット事務局 12年64号2面~3面 
       
 
   電気は足りていた
 
 今年の夏も暑い日が続いているが、大飯原発を稼働しなくても電力供給に支障がないことが当然ながらではあるが、明らかになった。 

 東京新聞(8/15)によれば、猛暑の10年より電力需要は13%低く、「最大需要は2,500万~2,600万kW台で推移し」「原発を除く関電の発電設備能力を調べたところ、火力、水力、揚水、地熱・太陽で計2,008万kW。これに中部電力など他社からの融通電力など742万kWを加えると、計2,750万kWで、これまでのところ大飯3、4号機のフル稼働がなくてもカバーできた計算。」という。
 政府・関西電力の大飯原発再稼働の理由は、再稼働以前から指摘されていたようにウソであったことが実証された。
 
   大飯原発は直ちに停止を
 
 電力は足りているという指摘に耳を傾けず、さっさと再稼働に同意し、政府の再稼働決定させた橋下大阪市長ら関西広域連合の首長らは、財界の恫喝に屈し「命より金」を選んだのだ。その責任はとことん追及されねばならない。仮にも「稼働は電力不足時期に限定」(5/30関西広域連合声明発表時)と表明したのであるから、電力が足りていることが明らかになった今、直ちに大飯稼働停止を自治体として主張し行動しなければならない。

   全国の市民の命を危険にさらすオスプレイ
 
 「命より金」の政策を推進する野田内閣は、一方で欠陥機である米軍輸送機「オスプレイ」配備や尖閣(釣魚)諸島や竹島(独島)などの「領土問題」をテコにナショナリズムをあおり、自衛隊の与那国島配備など軍事大国化路線を進めている。
 特に、10月に予定されている「オスプレイ」配備はただちに全国から反対の声をあげ、配備を阻止していかねばならない。

 海兵隊が作成した環境影響評価報告書によれば、オスプレイは月に1回は分遣隊数機を山口県の岩国基地か静岡県のキャンプ富士に派遣すること、全国6ルートで低空飛行訓練を行うことなどが明らかになり、少なくとも全国21県138市町村にまたがる。(8/13赤旗)訓練内容は、60メートルの超低空飛行訓練と空中給油。日本の航空法は離着陸時を除いて150m以上、人口密集地は300m以上が「最低安全高度」である。しかし、米軍にこの規定は適用されず、いつでも、どこでも我が物顔で自由に飛べるのが実態。いつ墜落事故をおこしてもおかしくない。

   全国の自治体から反対の声

 実際、94年10月に高知県早明浦ダムに米軍A-6攻撃機(厚木の米空母艦載機)が墜落しパイロットが死亡。そこから500mのところに保育園や小学校あり、オレンジルートの直下にあたっていた。
 こうした事態に、配備予定の沖縄県下全自治体議会での反対決議をはじめ、全国知事会も緊急決議をし、13府県が議会決議や要望を行い、高知市議会、座間市議会、香美市議会などでも反対決議をあげるなど、住民の命にかかわる問題として全国から反対の声があがっている。
 
   侵略兵器たるオスプレイ
 
 また、オスプレイのもつ「侵略性」も見落としてはならない。オスプレイの任務は、戦場で武装した兵士を敵から守りながら前線まで輸送すること。超低空飛行は、敵のレーダーや地対空ミサイル、対空砲火を避けて地形に沿って低空を高速飛行する必要があるためで、訓練飛行中にダムなど大規模施設を仮想攻撃目標として攻撃訓練も行う。敵の目を逃れて先制攻撃する「殴りこみ部隊」たる海兵隊にとってオスプレイは欠かせない「侵略兵器」なのである。戦争と戦力を放棄したわが国には全く必要がないのだ。

   自治が平和を創りだす 
 
 自治体の使命は、市民の命と財産を守ることにある。この使命を実現するためには、「自分たちの地域のことは自分で決める」という自治を徹底させ、「命より金」の政府の原発と戦争推進路線に対抗し、その政策に市民の声を反映させていくことが、地域から平和を実現することになる。
 軍隊を持たない「自治体の平和力」が発揮されるときは、市民の命と福祉を守ろうとする自治体の姿勢と戦力と戦争を放棄した憲法の平和主義が結びつくときである。それは、私たち市民の大衆的な運動で可能だ。

    首長交渉・議会決議を

 私達の行動が首長や議会をその方向に向ける。大飯原発の即時稼働停止へ、関西広域連合の首長の責任を徹底的に問う行動や交渉に直ちに取り組もう!大飯原発停止を求める決議やオスプレイ配備反対決議を全国の自治体議会で採択させよう!9・9沖縄県民大会に参加しよう! 


 【資料】すぐ使える請願(陳情)案です。議会状況に合わせてアレンジしてご活用下さい。

 米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場配備に関する
  意見書を採択することを求める請願(陳情) 案

 本年6月29日、米国政府から日本政府に対し、米軍垂直離着陸輸送機MV22「オスプレイ」を沖縄県米海兵隊普天間飛行場へ配備するという通報がされました。またオスプレイの沖縄配備に当たって海兵隊が作成した環境影響評価報告書によって、オスプレイは月に1回は分遣隊数機を山口県の岩国基地か静岡県のキャンプ富士に派遣すること、全国6ルートで低空飛行訓練を行うことなどが明らかになりました。
 これに対し、6月18日に那覇市議会、同月26日に沖縄県議会、同月28日に宜野湾市議会を皮切りに沖縄県全市町村議会でオスプレイ配備計画撤回を求める決議や意見書が採択され、7月19日には全国知事会において「安全性について大きな懸念」を抱き「配備と飛行訓練等について関係自治体の意向を十分尊重するよう」緊急決議が採択されました。さらに、山口県議会、徳島県議会や岩国市議会、高知市議会など全国各地の自治体議会において、配備に対する反対や慎重対応を求める要請や意見書が採択されています。

 米空軍のオスプレイは、6月14日(日本時間)に米国フロリダ州の演習場で墜落したばかりで、4月には、米海兵隊のオスプレイが北アフリカのモロッコで墜落し乗員2人が死亡しています。このように、2カ月間で2度も墜落するのは極めて異常で、オスプレイが最も危険な欠陥機であることは明らかです。
 また、ニューメキシコ州では地元住民の反対によりオスプレイ訓練が保留されているにもかかわらず、政府及び森本防衛大臣は、「市街地に大きな影響は与えない」とオスプレイの安全性を強調するばかりであり、沖縄県民をはじめとした国民の生命と人権を無視したこうした対応は到底容認できるものではありません。

 沖縄県内にこのように危険なオスプレイを配備することにより、普天間飛行場の固定化の既成事実を積み上げ、一方的に押しつけようとする日米両政府のやり方は、戦後67年も米軍基地の過重負担に苦しんでいる沖縄県民の「負担軽減」どころか県民が強く望んでいる「一日も早い危険性の除去」に逆行するものです。
 さらに、明らかになった全国6ルートの米軍の低空飛行訓練は、21県の市町村が対象となっており、この訓練は過去に高知県早明浦ダム墜落などの重大事故を引き起こしており、オスプレイ配備は沖縄県をはじめ全国の住民に墜落の危険と死の恐怖にさらすもので、安全に重大な危惧があると言わざるを得ません。

 もはや、オスプレイ配備に対する沖縄県民をはじめとした住民の意思は明確となっています。
 地方自治の本旨は住民意思を実現することであり、外交や安全保障も、その本質は国民の幸福を実現することにあり、この根本にあるのはやはり住民の意思に他なりません。明確に示された住民意思を尊重すること抜きに地方自治の発展と住民の幸福を実現することが難しいことは明らかであります。

 よって、●●市議会におかれましては、政府に対し、米軍垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場配備に関して、沖縄県議会、那覇市議会、宜野湾市議会意見書及び全国知事会緊急意見書をはじめとした自治体議会意見書を尊重される旨の意見書を採択し提出されるよう、要望いたします。

 【沖縄から】オスプレイ配備反対の県民大会の成功を
 新たな右翼潮流を許さず、平和互恵構築を与那国への自衛隊配備反対を

  無防備地域宣言・沖縄ネットワーク事務局長/沖縄国際大学講師 西岡 信之
                               12年64号4面
~5面    

   県民大会は過去最大を目標に

 八月五日に予定されていた「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」が、台風十一号の影響で九月九日に延期された。
 大会実行委員会は、「禍い転じて福となす」ように、参加者目標数を五万人から過去最大規模に引き上げた。新聞の読者の投稿欄には、「延期されてよかった。ロンドン・オリンピックの期間中だったら、八年前のアテネのときのように沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落しても本土マスコミは取り上げなかったかも知れない」という声があがった。

   オスプレイ六つの欠陥

 オスプレイの危険性は、多くの機関紙や会報、ニュースでも取り上げられており、最近では七つの森書館から出版された『オスプレイ配備の危険性』(著者・真喜志好一、リムピース+非核市民宣言運動・ヨコスカ)が詳しいが、八月十九日付けの県内二紙『沖縄タイムス』と『琉球新報』は、さらにそれらを上回る新しい情報を掲載した。
 『沖縄タイムス』では、元米空軍パイロットでベトナム戦争にも参戦し、一九九二年から二〇〇九年まで、米国防分析研究所(IDA)でオスプレイの主任分析官を務め、同機の開発試験にも携わったアーサー・リボロ氏からの直接取材で、オスプレイが操縦不能に陥るケースなど六つの欠陥があることを明らかにした。
 その一つが、オートローテーション(自動回転)機能の欠如だ。通常のヘリコプターなら、エンジン停止時など緊急時に安全に着陸する機能がオスプレイには備わっていない。
二つ目に、ボルテックス・リング状態。下降する際に、左右の回転翼に渦巻状の気流が発生し、制御不能となり失速する現象。
三つ目に、パイロットの操縦に起因する機体の振動。左右にローターがあるため、横軸方向での操縦が不安定になりやすい。
四つ目が、振動負荷の影響。左右に回転翼があるための構造上、油圧配管や電気配線、機械系統の配置が複雑で不具合が生じやすい。 
五つ目に、ローターの後流とその翼端の渦に対する過敏さ。複数での近接飛行の場合に生じる機体同士に発生する渦巻などによる制御不能。
 最後に、垂直揚力による下降気流(ダウンウォッシュ)。着陸時に、従来のヘリコプターの約2倍の激しい吹きおろし気流が発生し、周囲のものを吹き飛ばしたり、着陸を困難にする。

   ヘリなら許容範囲が重大事故

 これら六つの欠陥点を、米国防総省は問題を「事実」として認識しているが、機体構造にすべて起因しているので、有効な改善措置がとられないまま、二〇〇七年から実戦配備に踏み切った。またリボロ氏は、四月にモロッコで起きた墜落事故について、「操縦士が回転翼を動かすスイッチをわずか数分の一秒、長く押したために発生した。通常ヘリでは許容範囲内の操縦がオスプレイだと重大事故につながる」と指摘している。
 このようにオスプレイ開発に携わった米責任者が、「オスプレイは欠陥機」「数秒の操縦の誤差をしない技術を体得することは出来ない」と断言している事実を日米両政府はどう応えるのか。
 次に『琉球新報』では、同じくリボロ氏との直接取材の中で、「オスプレイは低速飛行時に機体の安定性を保つためにパイロットの操縦を無視するように制御コンピューターは設計されている。追い風とエンジン部の過変調が重なって制御を失う事故は今後も起こる」と指摘している。

   空飛ぶ棺桶ヘリ

 もうここまでくれば、オスプレイは人命無視の超高級欠陥ポンコツ機または「空飛ぶ棺桶ヘリ」と言わざるを得ない。日米両政府・軍関係者は、普天間でオスプレイ事故が起こる前に政権交代で、閣僚や官僚ポストを離れ、免責になると考えているとしか思えない。

   排外主義・全島軍事化の動き

 さて、無防備平和運動家にとって、最近の尖閣(釣魚)諸島、竹島(独島)をめぐる日中韓三か国の動きは静観していられない。本土では知られていない沖縄の動きを紹介したい。
 八月十九日、国会議員でつくる「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(会長・山谷えり子参議院議員)のメンバーや、田母神俊雄(元航空幕僚長・頑張れ日本!全国行動委員会会長)をはじめ、東京都議、石垣市議、右翼団体、漁業関係者など百五十名が二十一隻の漁船に分乗して尖閣諸島をめざし、その内の十名ほどが尖閣諸島の魚釣島に上陸した。これは本土でも報道されたと思う。

 沖縄では、この日、普天間基地のある宜野湾市民会館大ホールで、「祖国復帰四十周年講演。その手でつかめ沖縄の未来」と題した講演会が、日本青年会議所の主催で開催された。第一部の基調講演は、安倍晋三元首相で、二部のパネルディスカッションでは、徹底した反中国論を展開するジャーナリストの有本香、評論家の石平など、中国が尖閣諸島の軍事占拠から日本を、沖縄を占領する日に抗して今から準備しようというテーマだ。司会に沖縄の若者に圧倒的人気を集めているFMオキナワの「ゴールデン・アワー」パーソナリティーの糸数美樹が選ばれた。

 八月に予定されていたオスプレイ県民大会の頃から、幸福実現党が県内の国道、県道のあらゆる場所に「オスプレイ配備反対は集団自殺/中国共産党は沖縄を狙っている」「オスプレイ配備反対は自殺行為/チベット・ウイグルの二の舞になるな」の横3.6メートルの横断幕がところ構わず張り巡らされている。

 オスプレイ配備反対が、沖縄では自民党県連をはじめとして「県民ぐるみ」として取り組まれようとしている時期に、水面下では若者の組織化を狙った新たなる排外主義、日本民族意識を高揚するような催し物が開催されている。つまりオスプレイ配備反対の県民大会を成功させるだけでは、問題は解決しないし、支配者・権力者・軍事力依存主義者は、沖縄への軍備拡張路線をさらに強化させ、「沖縄全島軍事化」を本気で進めようとしているのがわかる。

   台湾が平和互恵政策提言

 ここであまり報道されていないが、台湾の馬総統が、日華平和条約六十年に際して、「東シナ海平和イニシアチブ」を提言していることは意味深い。尖閣諸島の領有権問題で排外主義を煽るのではなく、「対立行動の自制」「争いの棚上げ」「平和互恵」「資源の共同開発」など優れた平和政策を発している。

   無防備の原点―与那国住民投票

 最後に与那国島への陸上自衛隊沿岸監視部隊配備の是非を問う住民投票条例の制定を求める運動だ。署名簿の縦覧は、八月十九日まで行われ、有権者千二百十八人のうち、約五百二十人の署名が有効となっている。九月の町議会で条例案が可決されたら、十一月頃には住民投票が行われる。
 台湾から百キロにある国境の島を軍事にするか、非武装にするか、無防備運動の原点とも言える闘いが日本最西端で取り組まれる。無防備地域宣言・沖縄ネットワークとしても最大限の支援を続けたい。  (2012年8月19日)
  【北海道から】原発の基地も軍事基地もNO!
                  ~3.11からの無防備運動を考える
     
       無防備平和のまちをつくる札幌市民の会  谷 百合子   12年64号6面
  
   沖縄基地と変わらぬ構造

 私の原発反対運動は六ケ所村の核燃基地がきっかけである。
 1988年、北海道泊原発ストップデモに参加していた時、都会で電気を消費する一方の自分に疑問を抱き、東北の原発現地を2週間ほどまわった。
 そこで農業者、漁業者の生の声を聞いた。都会ではなかなか見えてこない原発立地の黒い背景があることを肌で感じた。札束で頬を叩き、家族や村を分断し、先祖代々の農地や海を奪い取っていく。沖縄の基地と何も変わらない構造がそこにあった。

   六ヶ所再処理工場は恐怖の的

 1989年核燃基地受け入れを問う「小さな村の大きな選挙」が実施された。友人から「ここに来ると日本が見えるよ」と誘われたのがきっかけで、以後10年六ケ所に通い詰める事になる。
 六フッ化ウラン搬入阻止で全国の女たちで一カ月テントを張り、再処理工場着工時に身体も張って来た。日本どころか原発を取り巻く世界の背景を体感する事になった。
 再処理工場は一日で原発の一年分の放射能を垂れ流す。長崎型原爆のプルトニュームが続々と再処理工場に溜まり続ける。核武装論は置いても、六ケ所再処理工場は、アジアをはじめ世界中の恐怖の的なのである。

   六ヶ所で見えた原発と核兵器

 1995年仏国から高レベル廃棄物が返還されることになり当時返還に反対していたパリのグリンピースに会いにいった。英国BBCは「核物質輸送は海に浮かぶチエルノブイリだ」と発表し、パリのグリンピースも同意していたが「日本人が核について余りにも無自覚なので今回は返還に賛成する」と言われショックであった。  
 その後ドイツの反原発市民グループにもたくさんお会いしたが「日本は原爆を落とされたのに何故原発を導入したのか?」という質問を山と受けた。

 六ケ所村に係わって見えてきたのは原発と核兵器の事であった。しかし反戦運動苦節○年の活動家達でさえ、その関連については無視と反論が返って来た。無防備運動の初期に原発と核について論議すべきであったと思う。

 原発はエネルギー問題だけではない。核戦争を前提としている。 
だからこそ、原発の基地と軍事基地を廃止するのには無防備運動が今活躍時!なのである。 原発を押しつける国家には、市民自治の力で原発・核兵器NO!を!

 12月8日(土)原発民衆法廷in北海道決定!
 十時三十分~ 北海道民活動センターかでる2・7(道庁付近)

 証言者に高橋哲哉(東大教授)さん、森啓(北海学園大学法科大学院講師)さんを迎え、意見陳述は3名。函舘で大間原発裁判に係わっている市民・幌延・岩内(泊)の各地からの報告をお願いする。乞うご期待!
  領土問題テコにした軍拡・排外主義許すな
   無防備運動などの民衆の力で東アジアに非戦平和共同体を
・          無防備地域宣言運動全国ネットワーク事務局        12年64号7面
  
  中国人活動家の尖閣諸島(中国名「釣魚諸島」)上陸を契機に、排外主義キャンペーンが展開されている。
 政府は、尖閣諸島は「日本固有の領土」として日中間に領土問題は存在しないとしている。しかし、現実に領土問題は存在し、尖閣諸島は日中どちらも領有権を主張する論拠は不十分なのである。

   領土問題は存在する 日中とも海底資源が目的

 尖閣が明の時代(十六世紀)から中国領として知られていたことを示す航海記録や地図などは多く存在する。明治以前の日本や琉球王朝の文献でも、中国の支配圏内とみなされていた。
 日本領への編入は、1895年1月の明治政府の閣議決定による。これについて政府は、「「無主地(どこの国にも属さない地域)の先占」による取得として当時の決定があった(1972年3月外務省発表)としている。

 しかし、無主地先占とは、どの国も警察力の配備などの実効支配をしていない土地は、先に実効支配した国の領土となるというものであり、その際、たとえ先住民が生活していようとその意志は関係がない。植民地支配を国際法上正当化するために用いられた帝国主義諸国の理屈にすぎない。しかも、その閣議決定に基づき石垣市の行政区であるとする標杭が建てられたのは、閣議決定から74年も経って、海底に豊富な油田・ガス田がある可能性が国連などの調査で明らかになった後の米軍施政下の1969年5月のことだった。日本の尖閣領有は、帝国主義的領土拡張の一環であったのだ。 

 また、中国が領有を主張し始めたのは1970年代初めで、継続して実効支配していたとは言い難い。日中どちらも領有権を主張する論拠は不十分なのだ。
 なお、米国も「尖閣の主権は係争中である。米国は最終的な主権問題に立場をとらない。」(04/3/24エアリ米国務省副報道官)としているのである。

   交流・相互利益追及でこそ解決

 元来、尖閣諸島周辺は、中国、台湾、沖縄(琉球)の漁民の漁場であり、生活圏であった。そして、日中は08年6月の福田首相、胡錦濤国家主席の首脳会談で東シナ海のガス田について「共同開発」を進めていくことを合意している。「領土帰属」、「排他的経済水域」等をタテに角突き合わせるのではなく、国境を超えた民衆の交流、相互利益の追求こそが問題解決の方向であることは自明である。尖閣諸島問題も、このような方向性の中で解決すべきである。

   領土問題テコに軍拡する政府

 にもかかわらず、米軍の欠陥機オスプレイが「南西諸島防衛に有用」(8/27野田首相)とし、防衛省は「南西諸島防衛」と称して軍隊の上陸時に用いる侵略用水陸両用車を導入することを決めた。自衛隊の与那国配備とあわせ、領土問題に乗じた軍拡である。

 「強硬路線をとれば、行き着く先は日中間の武力衝突」(8/17東郷和彦元外務省条約局長)なのであり、領土問題をテコにした戦争路線は許してはならない。
 
   東アジアに非戦平和共同体を

 今こそ排外主義、ナショナリズムを超えて東アジアに非戦平和共同体をつくり出していくために無防備地域づくり、戦後補償実現などの取り組みを強化しよう。日中韓の軍拡・排外主義に反対しよう。尖閣諸島問題や竹島(韓国名 独島)もこのような取り組みを強めていく中でこそ解決可能だ。
   【トピック】 
 静岡県、新潟県で原発稼働の是非を問う住民投票直接請求
 静岡県知事賛成へ 新潟県知事理解示す
 12年64号8面         
 
   朝日新聞 2012/8/27
 「中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の再稼働の是非を問う住民投票を目指す市民団体「原発県民投票静岡」は27日、約16万5千人分の署名を携え、川勝平太知事へ条例制定を直接請求した。川勝知事はこの日の記者会見で、「県民の意思を尊重し、実現できる方向で検討する」と述べ、住民投票に賛成する考えを示した。東日本大震災以降、原発再稼働の是非を問う住民投票条例に知事が賛意を示すのは初めて。」

   産経新聞 2012.8.24
 「泉田裕彦知事は23日の定例会見で、東京電力柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の是非を問う県民投票について、「選択肢の一つ。重要事項の決定に直接民主主義的な手法を取り入れることは社会の安定につながる」と理解を示した。 県民投票条例の制定を目指して6月23日から署名活動をしていた市民団体は期限の22日までに、直接請求に必要な県内有権者の50分の1を超える4万人分の署名を集めたとしている。」

 ※※※※※※※※※※※※※※※
 静岡県知事はこれまで「条例を待つまでもなく、今動かせる状況にない」と住民投票には否定的な見解を示してきたが、態度を一転させた。これは、首相官邸前行動をはじめとする全国の反原発の市民の闘いがそうさせたのである。 

 新潟県の泉田知事は野田首相の大飯原発再稼働判断に「極めて無責任。国民生活を人質にし、安全を軽視した宣言だ。」と批判した知事であり、直接請求される住民投票に賛意を表す可能性は高い。
 
 こうした運動の意義は、①原発をめぐって当該自治体内で広範な議論を起こすことにより、原発の停止・廃止に向けての世論を形成していく一大契機となる、②原子力の「安全」、エネルギー供給・消費のあり様をめぐり、自治体、住民が当事者意識をもって考え、権利として自己決定し民意に基づく地方自治を確立することにある。こうした住民投票を、原発廃止のための運動として位置づけ注目し支援していく必要がある。