安倍政権の原発推進・戦争国家路線を地域からとめよう
     "無防備地域宣言運動全国ネットワーク事務局 14年71号2面        
 
 安倍政権の戦争国家への暴走を許すな

 12月6日安倍内閣は、大多数の国民や日本内外各界の反対を押し切って秘密保護法を強行採決し成立させた。11月には安全保障会議設置法改正法を強引に成立させ、国家安全保障会議(いわゆる日本版NSC)の設置を決めた。これは、日本が地域紛争に介入し戦争するための政策を決定する憲法違反の軍事司令塔なのだ。それを情報統制の面から支えるのが秘密保護法であった。

 今後、国の施策の全ての面で国家安全保障を最優先し、憲法の制約を超えて集団的自衛権を行使するため、国民に戦争協力の責務を課して国民を総動員することを企図する国家安全保障基本法の国会提出・成立が狙われるであろう。これは、まさに憲法の下位法たる法律による憲法9条をはじめとした国民の基本的人権の破壊である。これら3法案はセットであり、まさに戦争国家の総仕上げが狙われていると言って良い。(詳細P4~5面参照)

 すでに、12月4日に日本版NSC初会合を開催し、「武器輸出三原則」廃止を含む国家安全保障戦略が議論された。また、2013年末に閣議決定される「防衛大綱の見直し」では、南西諸島防衛へ水陸両用装甲車や垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の配備も盛り込まれる。防衛を超えた敵地攻撃能力強化であることは明らかだ。
 秘密保護法廃止運動をはじめとした闘いを強化し、国家安全保障基本法の国会提出を阻止しよう。

 汚染水、琵琶湖の水問題を放置し原発再稼働へ

 安倍政権は「30年代に原発稼働ゼロ」の目標(2012年9月)も過去の遺物とした。エネルギー基本計画の見直しに向けた経産省審議会(11/27)は脱原発から一転「一定割合で原発は必要」とした。
 現在、原子力規制委員会へ再稼働審査を申請しているのは、泊、柏崎・刈羽、大飯、高浜、伊方、玄海、川内の7原発14基だ。この審査も新規制基準に基づくものだが、事故が起こった際全国どこの原発でも起こりうる汚染水対策は盛り込まれておらず、滋賀県が発表した中間報告のシミュレーション(11/18公表)でも10日間以上琵琶湖水が放射能に汚染され基準値をこえることが明らかになり、この対策はない。こんな基準での再稼働など認められない。

 再稼働阻止、避難の権利制度化を地域・自治体での闘いで

 立地自治体への要請と共に、周辺30キロ圏自治体への要請行動を強めることが必要だ。市民の命と安全を守る立場に立てば、非現実的で役に立たない避難計画(福井県内では避難計画は策定すらできていない!)や近畿1400万人の生死に直結する対策不能の水問題を抱えての原発再稼働を承認できるはずがない。

 そして放射能健康診断無料化などの医療要求、避難・保養プログラムをはじめとした被災者・避難者の要求を実現させることが重要だ。この要求を自治体が独自施策で実現し、全国の自治体に波及させれば、再稼働促進のために被災者支援を放置し福島事故の責任をとらない政府を許さない自治体からの包囲網を形成できる。

 大阪府堺市では「大規模災害被災地等支援基金条例」が作られ、市民の要求により独自保養施策や放射能健康診断が検討されている。滋賀県でも避難者や支援者による粘り強い要求で民間保養事業への支援へ予算措置がされようとしている。そして、県議会決議など放射能無料検診実施へ取り組みが加速されている。

 福島事故の現実、甲状腺ガンの緊急事態など、事故の収束どころか国民の生存にとって極めて深刻な事態に立ち至っている事実を突き付け、徹底して当該自治体の行政権のもとにある住民である被災者・避難者の命と健康を守るという自治体の使命を追及することで展望は開ける。
 全国で、地域自治体から取り組みを強め、戦争国家・原発推進路線を包囲し、安倍政権の暴走を止めよう!
  【沖縄から】   
   特定秘密法は沖縄では日常の課題
         施行も実行もさせない闘いはこれから
 
西岡信之(沖縄国際大学非常勤教員/無防備地域宣言・沖縄ネット事務局長) 14年71号3面 
 
 特定秘密保護法が可決された。廃案に向けて沖縄でも連日のように集会やデモが開催された。特定秘密の4分類「防衛」「外交」「スパイ防止」「テロ対策」など、すべて沖縄は常に隣接している課題だ。
 市民弾圧法と言われているが、沖縄では、基地反対の抗議行動を封じ込める法律とも言える。たとえば、東村高江のオスプレイ訓練のためのヘリパッド建設阻止行動では、市民が24時間、工事ゲート付近に宣伝カーを横付けし、自動車の上に脚立を立てて、基地内の工事の様子を監視しているが、当然、防衛に関する秘密事項として特定してくることが予想できる。
 
 座り込み3000日を超す辺野古テント村も、1年2か月を超した普天間基地の野嵩ゲートや大山ゲートでの抗議行動も対象にするだろう。そればかりか、行政として基地対策の日常業務として行われている嘉手納町役場の米軍嘉手納空軍基地内への調査・監視も宜野湾市役所の普天間基地監視も、那覇市役所のオスプレイ違法飛行調査情報も組み込まれることが考えられる。「日米両政府に逆らうようなことはするな」という恫喝としてボディ・ブローのように締め付けてくるだろう。

   21世紀の「琉球処分」

 しかし、これは今に限ったことではない。東村高江のヘリパッドでは国家権力である防衛局が、抗議する市民を逆に裁判所に訴えた「スラップ訴訟」すら起こっている。このように権力がいくら沖縄の反基地運動を締め付けようが、県内のどの闘いの現場においても闘い続ける決意が、法案成立後の12月7日の新聞インタビューで市民の声として登場している。頼もしい限りだ。
 
普天間基地の名護市辺野古移設問題では、自民党の石破茂幹事長が、自民党の沖縄県連幹部や所属する県選出国会議員を自民党本部に呼び出し、「県外移設」の公約を撤回させ、辺野古移設を容認するよう恫喝した。そのことについて地元沖縄の新聞は、石破幹事長のことを、明治政府が琉球王朝を軍隊の力でつぶした「琉球処分」を行った松田道之処分官と同じだと批判すると、「21世紀の処分官であると自覚している」と石破は語った。また今年、米国を訪問した安倍首相は、米国ニューヨークのシンクタンクでの講演で、「私のことを右翼の軍国主義者と呼びたいなら呼んでいただいて結構だ」と語った。

 「琉球処分官」に「右翼の軍国主義者」たちが、今この国を戦争ができる国に急速にピッチをあげて突き進もうとしている。そして、彼らは国会での立法改憲をめざしながら、沖縄には育鵬社の公民教科書を使用しない八重山郡竹富町や沖縄県の教育委員会に恫喝を続けている。3年前に超保守・右翼と噂されても首長選を勝利した宜野湾市の佐喜真市長や石垣市の中山市長も、安倍政権1年を経つ中でようやくその姿を現し始めた。辺野古移設は、普天間基地の危険性除去のためには必要だという見解を始めたのだ。普天間基地の辺野古移設を求める署名を、7万筆以上集めたと県知事に要請する「市民団体」も登場している。

   平成のファシズムに抗する

 しかし、これらの動きの背景には、沖縄県民140万の中に存在する自衛隊・防衛局関係者、軍用地主、土砂砂利業者など約10万人が水面下で蠢いているのだ。大学では、統一教会の世界日報に寄稿し、竹富町教育長に脅迫メールを送った法学部の教授も本土から移住してきている。

 国家安全保障会議に特定秘密保護法など「平成のファシズム」に抗するのは、今からだ。悪法が可決されても、施行も運営も実行もさせないこれからが本当の平和と民主主義の闘いが始まる2014年の夜明けだ。(2013年12月7日)

  違憲の「集団的自衛権行使」を立法化する
    国家安全保障基本法案の国会提案を許さない!
       
  無防備地域宣言運動全国ネットワーク事務局 矢野秀喜  14年71号4面~5面
 
  1 はじめに

  秋の臨時国会で安倍政権は、国民の大反対を押し切って特定秘密法を強行「成立」させた。臨時国会では併せて国家安全保障会議(NSC)設置法も通過させている。強行採決を繰り返してまで特定秘密法の「成立」を急いだ安倍政権に対して国民の批判は高まり、支持率は急落し、発足以来初めて50%を割った(共同通信世論調査では47.6%)。しかし、安倍の壊憲策動はとどまることを知らない。
  安倍政権は、12月17日、「国家安全保障戦略」、「新防衛大綱」そして「中期防衛力整備計画(2014~18)」を閣議決定する。日本を戦争する国に変えていくため、安倍は休むことなく次の手を打ってきているのである。

  2 中・朝を敵視、国民には愛国心強要

  安倍政権は、いかにも安倍らしいと言えるが、初めて策定する「国家安全保障戦略」に「愛国心」を盛り込む。他方で、「わが国の防衛生産の維持・強化」のために「武器輸出三原則」の見直しを明記する。つまり、国民には「黙って戦争政策に従え、支えよ」とばかりに愛国心を強要し、軍産複合体には武器・関連技術の輸出をフリーにして新たな儲け口を用意してやるということだ。フクシマ原発事故被害者を棄民しつつ、原発輸出に血道をあげるのと全く同じ構図だ。
  「新防衛大綱」-「中期防」では、陸海空自衛隊の統合運用と即応性を重視する「統合機動防衛力」の構築を前面に打ち出し、これまでの防衛大綱に記述されていた「節度ある防衛力の整備」という表現は削除する。専守防衛は投げ捨て、米軍とともに展開し、戦う軍をつくっていくことを宣言するのである。その相手(=敵)は中国であり、朝鮮民主主義人民共和国だ。
 そのために、那覇基地に戦闘機や早期警戒機を増強し、全国の陸自部隊を一元的に指揮・命令する陸上総隊を新設するとともに離島(尖閣など)防衛を担う水陸両用部隊(=日本版海兵隊)を創設する。水陸両用車、機動戦闘車、さらにはオスプレイまで導入する。また、ミサイル防衛のためにイージス艦を増やし、無人偵察機(グローバルホーク)3機を導入する。このように大幅に装備を更新・増強するために、中期防の予算は現行中期防を1兆2千億円上回る24兆6700億円にまで膨れ上がる。消費税増税などの大増税はけっきょく軍事費に充てるためだったのである。

  3 日本を戦争する国にするための国家安全保障法

  安倍政権は、NSC設置法、特定秘密法の「成立」を踏まえて、さらに国家安全保障基本法の制定に踏み切ろうとしている。国家安全保障基本法案は、既に昨年7月6日に自民党総務会がまとめている法案である。自民党は、昨年12月の衆院選、今年7月の参院選でこの法律の制定を公約として掲げていた。従って、自民党が前記2法の制定を踏まえて、次の通常国会にこの法案を上程してくる可能性は大である。この法は、安倍が第1次政権いらい執念を燃やしている集団的自衛権行使の「合憲」化を法律で規定するものである。

  国家安全保障基本法は12の条文で成り立っている。その第10条「国際連合憲章に定められた自衛権の行使」の1項で、自衛権行使の条件を規定しているが、その「一」に、「我が国、あるいは我が国と密接な関係にある他国に対する、外部からの武力攻撃が発生した事態であること」とある。従来、日本政府は自衛権行使は、「我が国に対する急迫不正の侵害(武力行使)が存在すること」を条件としている。集団的自衛権行使は違憲としてきたのだ。自民党の国家安全保障基本法案は、国連憲章の規定を盾に、この日本政府の従来の見解(閣議決定)を破り、違憲の集団的自衛権行使を下位法で容認しようとしている。立憲主義に反する悪法と言わざるを得ない。

  もしこの国家安全保障基本法を通してしまったならば、次には、「集団的自衛事態法」の制定、自衛隊法改正(防衛出動を規定する76条の次に、76条の2として集団自衛事態出動を挿入)に進んでいくことは必定である。また、同法第11条「国際連合憲章上定められた安全保障措置等への参加」の規定に基き、自衛隊を何時でも何処へでも海外派兵できる「国際平和協力法」の制定が画策されることもまた火を見るより明らかである。このようなわが国の憲法の恒久平和主義、戦争放棄に明白に違反する立法を認めることはできない。

  4 奴らを通すな!(NO PASARAN!)

  国家安全保障基本法案の国会上程を阻止することは可能だ。安倍政権は特定秘密法を強行「成立」させたが、反対運動は収まるどころか継続し、盛り上がっている。「廃止」に向け、広範な層が結集し、共同して闘いを進めていくことを確認している。日本を戦争する国にさせない、は多くの国民の合言葉になりつつある。

  また、集団的自衛権を行使すると言って、どこで実際に行使するのか?米国・オバマ政権は、必ずしも中国を敵と見なしてはおらず、尖閣問題でも領土主権には関わらない、との立場を鮮明にしている。それどころか尖閣をめぐり日中が軍事的に衝突し、それに米国が巻き込まれることに懸念を持っている(米国議会も)。韓国政府は、日本の集団的自衛権行使について、「朝鮮半島に関わる場合、韓国の要請に基き、韓国の承認下でのみ(行使)可能」(11.9、韓国外務省)と述べている。さらに、「歴史から起因する周辺国の疑問と憂慮を解消する方向で、論議は透明にされねばならない」と釘をさしてもいる。過去の侵略戦争のツケはまだ残っている。

  アフガン、イラク戦争に勝利できず、財政危機に喘いでいる米国政府は、国際的な反対運動にも押されシリアに軍事介入することはできなかった。このように武力紛争を回避し、問題の平和的、交渉による解決を促す国際的潮流が主流となり、規範的力を持つ時代に差しかかっている中で、安倍政権の策動は必ずや頓挫する。奴らを通すな!
  平和の島 オーランド諸島(4)
  東京造形大学教授/無防備地域宣言運動全国ネット共同代表 前田朗 14年71号6面~7面
  
   独自の旗と切手

 マリエハムン中心街のオーランド自治政府庁舎は、日本各地にある市役所のような建物だが、屋上にはためいているのはフィンランド国旗ではなく、オーランド島旗である。最初はスウェーデン国旗に類似したデザインを採用したというが、さすがにフィンランド政府から苦情が出て、一九五四年、現在の青地に黄と赤の十字架のデザインになった。一目で北欧風の旗とわかる島旗は、政府の建物、船舶、遊覧船にも掲げられている。

 政府の隣にはオーランド美術館があり、展示はすべてオーランド独自の歴史と文化を強調している。オーランドに人が住み始めた時期からの自然、生活用品、そして芸術品が展示されている。売店で絵ハガキと、オーランドの民衆音楽のCDを購入した。
 オーランド諸島政府庁舎から徒歩五分、交差点の右は銀行、左に入ると郵便局だ。
 オーランド諸島は国家ではないのに、独自の切手を発行している。オーランド自治政府は、一九五〇年代から要求を続けて、一九八四年に切手発行権を獲得した。郵便局の運営も自治政府に委ねられている。フィンランド領なのに、フィンランドの切手は使えないという。
郵便局で切手を買って、絵ハガキを日本に向けて出して見たところ、後日、本当に日本に届いた。オーランドが国際的郵便システムに入っていて、フィンランド経由で世界に配達されるのだ。

 オーランドは独自の通貨発行も狙ったが、さすがにフィンランドはこれを認めなかった。その後、フィンランドはユーロを採用したので、オーランドでもユーロが通貨である。郵便局から銀行に戻って、円を出して両替をしてみたところ、ユーロに両替してくれたが、その手続きは西欧諸国と同様であった。
 住民はフィンランドのパスポートを所持しているが、そのパスポートには「フィンランド/オーランド」と明記されている。国際標準化機構メンテナンス機構はオーランドに「AX」という国コードを割り当てている。

   島民権とは何か

 オーランドの自治は、フィンランドの自治法によって保障されている。フィンランドとしては、スウェーデン語を話しスウェーデン文化を持つ人の住むオーランドをフィンランド領とした代償として、オーランドの独自性を保障するために、特別の自治法を作り、自治権を認めてきた。
 その中核を成すのが住民権(島民権)であり、自治権の基礎となっている(自治法六条~一二条)。

 住民権には、選挙権、被選挙権、不動産取得権、営業権が含まれる。住民権がなければ、島での不動産取得も店舗の営業も困難である。住民権は、両親のいずれかが住民権を有している子ども、またはフィンランド国籍を保有し、オーランドに合法的に五年以上居住し、かつスウェーデン語の十分な能力のある者に認められる。逆に五年以上島外に居住すると住民権が失われる。

 公用語はスウェーデン語である(自治法三六条)。フィンランドの公用語はフィンランド語とスウェーデン語だが、フィンランド語とスウェーデン語は文法構造がまったく異なる別の言語である。英仏独語の間のような類似性がないという。
 従って、島民権を持つためにスウェーデン語能力が要件とされているのだ。フィンランドなのに、フィンランド語ではなくスウェーデン語がつかわれている。フィンランド政府とオーランド自治政府の協議、フィンランド政府から送付する文書、フィンランドの高等裁判所での審理などもすべてスウェーデン語を用いている。
 公立学校の教育言語もスウェーデン語である(自治法四〇条)。フィンランド語は「外国語」としてのみ教えられる。フィンランド語教育のための私立学校をつくることは可能だが、実際には存在しない。スウェーデン風オーランド文化を守るためにスウェーデン語の習得が不可欠の要件であり、住民はスウェーデン語と文化の維持のために努力を傾けてきた。

   オーランドと沖縄

 五年以上居住しても、スウェーデン語ができないと島民権を取得できず、不動産取得権も営業権も取得できないのは、契約自由の原則や営業の自由に対する制約である。

 沖縄を考えればすぐにわかるように、本土の企業が沖縄に乗り込んで土地を買い、観光開発をする。本土の会社が沖縄のバスやタクシー業に乗り出している。契約自由の原則に基づいて土地を購入し、所有権に基づいて土地開発をするのは自由だ。ウチナーグチを話す必要はない。日本の標準語で良いのだ。こうして、本土の企業が沖縄経済を支配することが可能になる。
 オーランドではそういうことはできない。フィンランド本土の企業はオーランドの不動産を買うことも、店舗を出すことも自由にはできない。一定の制約がある。オーランドの産業を守るためだ。
 ヘルシンキから来た資本家が、五年間マリエハムンに住んで、スウェーデン語ができると言って、島民権を請求したことがある。ところが、オーランド政府はこれを認めなかった。明らかに資本進出を狙った行為だと考えられたからである。資本家は裁判に訴えて出た。判決は、たしかにこの資本家はスウェーデン語ができるが、十分なスウェーデン語とは言えないとして、資本家の請求を却下した。

 自治権とは何か、オーランドと沖縄を比較してみればよくわかるだろう。
   近畿初の米軍基地 Xバンドレーダー基地許すな!
     無防備地域宣言運動全国ネットワーク事務局 中川哲也    14年71号8面         
 
 12月15日(日)、京丹後市で曇天で断続的に雨が降る強風をついて「京丹後市・経ヶ岬に米軍基地はいりません 平和の叫び&人間の鎖」が近畿一円約千二百人の参加で開催された。午前中に建設予定地付近で現地行動が予定されていたが、予定地は機動隊が阻止線をはり立ち入りさえできなかった。午後から京都府と共に早々と受け入れ表明した京丹後市役所ヒューマンチェーンのあと市内をデモ行進し、米軍基地建設反対を訴えた。

   米本土防衛のためのレーダー基地

 この米軍基地建設計画は、2013年2月の日米首脳会談で、米軍の早期警戒レーダー「Xバンドレーダー」の日本国内追加配備が合意されたもの。京都府京丹後市経ヶ岬(きょうがみさき)航空自衛隊経ヶ岬分屯基地内に米軍レーダーを設置する予定で、レーダー運用に必要な施設を新たに建設するため、防衛省は自衛隊基地局周辺の約5ヘクタールの民間地を借り上げる。
 9月19日には、京都府知事及び京丹後市長が受け入れを表明し、一気に合意形成がはかられ建設へ向けて急テンポで計画は進んでいる。 

   懸念される強力な電磁波

 このレーダー基地は、米国本土防衛のため、仮想敵国(北朝鮮や中国等)からのミサイルの早期警戒レーダー基地。Xバンドレーダーは、7~12GHz(1秒間に7億回から120億回の周波数)ととても高い周波数の推定探知距離5千km、1千km>先の10センチ単位の物体を識別するという精緻で強力なレーダーなので、人間や野生動植物への電磁波の影響が心配される。
 同型のレーダーを搭載しているイージス艦でレーダーを使用する時は、甲板上に乗組員を歩かせないのは海上自衛隊では常識という代物。また、米国では、Xバンドレーダーの配備にあたっては「環境アセスメント」の実施が義務付けられているが日本では「不必要」(防衛省)という。

 防衛局は年内に民有地の賃借契約を結び、米軍基地を設置したいとしている。住民の不安や反対、府民の反対の声を無視をして、ここでも日米軍事一体化の強化、戦争国家推進が住民の暮らしと安全を踏みにじろうとしている。近畿初の米軍基地建設を許してはならない。