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2005年05月22日

琉球新報「論壇」に無防備が掲載されました

5月20日付琉球新報の「論壇」に無防備が掲載されました。
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琉球新報「論壇」 2005年5月20日(金)
  

 無防備地域宣言を沖縄から
        -国民保護法は住民を守らない-

西岡信之

 「無防備地域宣言」という条例制定運動が、本土で広がっている。聞きなれない言葉だが、ジュネーブ条約の第一追加議定書の五十九条「無防備地域宣言」の戦時に攻撃を受けないという国際法を根拠にしたものだ。日本政府は、昨年この条約に加入し、今年二月二十八日に正式発効した。

 すでに昨年四月から人口二百六十万人の大阪市に始まり、大阪府枚方市、東京都荒川区、神奈川県藤沢市で取り組まれ、現在兵庫県西宮市で運動が進行中だ。地方自治法の直接請求という制度を活用し、有権者の五十分の一の署名を集めれば市町村の首長に対して条例案を提出し、首長は議会に意見書とともに上程することになっている。残念なことに法定署名数は集まるものの議会ではすべて否決されている。今後、今年から来年にかけて、全国二十以上の市町村で取り組まれる予定だ。北海道の札幌市、苫小牧市をはじめ東京の国立市では市長自ら市議会に提案する動きも出ている。

 「無防備地域宣言」した自治体に武力攻撃をすると、国際法違反により、攻撃した国家は戦争犯罪として処罰される。実際、第二次世界大戦では、フランスのパリ市がジュネーブ条約と同じ国際人道法のハーグ陸戦法規の「無防守宣言」をしたことにより、ナチスドイツ軍はパリへの砲撃を中止した。パリ市は、住民の生命と貴重な文化財の被害を最小限にとどめ戦後を迎えた。

 沖縄戦では、日本軍の捨石作戦という本土防衛のための長期戦が繰り広げられ、住民と軍隊が混在する生活の場が戦場となったため四分の一以上が戦争の犠牲となる悲惨な体験がある。軍隊は住民を守らないというのが沖縄戦の教訓だ。事実、一九四五年四月一日の本島上陸が始まった読谷村では、戦争による住民の死亡率が低く、逆に南部では高いという記録がある。これは、当時日本軍が、読谷村などの地域には軍の兵力を最小限にしたからだ。軍隊がいない場所は、戦闘行為が行われないため住民の被害も少なくてすんだ。武装による防衛ではなく、非武装による住民保護がもっとも正しい選択と言える。

 憲法も非武装による平和政策をとっているが、今、憲法が改悪され自衛隊が軍隊として公認されようとしている。さらに国民保護法によって都道府県段階では国民保護計画の策定が始まっている。国民保護法は住民を守るのではなく、戦争体制に住民を組み込むためのものだ。こうした動きが、無防備地域宣言運動を全国で加速させている背景だ。

 現在、世界にはコスタリカやモルジブなど非武装の国家が二十七ある。実に国連加盟国の十五パーセントを占める。これらの国々が集まって、サミットやG7に対抗する「ピース27」という国際会議も検討され、世界的には非武装で平和を進める動きが始まっている。

 基地の島、沖縄で無防備地域宣言を検討することが、住民保護最優先主義に立脚した本当の意味での国民保護計画ではないだろうか。

(那覇市)

投稿者 全国ネット : 2005年05月22日 23:30

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