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2005年07月10日

7/9付「八重山毎日新聞」に無防備記事が掲載されました

八重山毎日新聞 2005年7月9日(土)号 1面「土曜リポート」から
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     無防備地区宣言とは・・・ 【2005年7月9日掲載】
     新たな平和運動、沖縄から

     宣言に積極的な石垣市、竹富町 素っ気ない県

 兵力や兵器がないことや戦う意志がないことを条例で宣言し、紛争時に戦闘を回避しようという、国際法に基づく無防備地区宣言。他国からの武力攻撃などを想定した国民保護法に基づく国民保護計画の対極にある住民運動だ。石垣市や竹富町の議会に続き、県議会でも取り上げられた。両首長は関心を示したが、県は「宣言は国においてなされるべきもの」と素っ気ない。はたして、自治体は宣言できないのだろうか。条文をみると、そうとも言えないことがわかってくる。(那覇支局・比嘉盛友記者)

 県議会6月定例会の代表・一般質問。花城順孝知事公室長は野党議員から相次いで無防備宣言について問われ、こう答弁した。
 「条約に基づく宣言は国において行われるべきものと解されており、県にその権能はないと解されている」。国防・外交は国の専管事項で、県や市町村がそれにかかわる宣言はできない、とする政府見解を踏襲したものだった。

■「適当な当局」とは
 日本でも今年2月に発効した国際人道法・ジュネーブ諸条約の第1追加議定書。第59条で、無防備地区を宣言した地域への攻撃を禁止している。宣言ができるのは「The appropriate authorities of a Party」とあり、 「紛争当事国の適当な当局」と訳されている。国際法が専門の前田朗・東京造形大学教授が解説する。「『a party』はこの場合、日本国だが、authorities が複数形になっているので、宣言できるのは政府だけではない。地方自治体も一定の条件があればできる。条約の素案は当初『a party』だけだったが、国家ができない場合のために書き換えられた」議定書の正式な解説書でも「宣言は原則的に政府自体」としているが、それが困難な状況では「宣言が地方の軍司令官あるいは市長や知事のような地方の文民の当局によって出されることもありうる」と明記している。
前田教授は「政府見解は明らかに間違っている」と断言した。

■実効性は
 一方で、「宣言したら攻撃されないのか」と実効性に疑問もあるが、前田教授は「その保障はどこにもない」と答え、逆に「宣言しなかったために、助かったところはあるか」と問い返してこう続ける。
 「攻撃すれば国際法違反で戦争犯罪人として処罰される国際法は確立されている。平和のためにできる努力をすることが大事。平和の意識を掘り起こして考えていくのがこの運動だ」。
 県レベルの自治基本条例の策定作業を進めている仲地博・琉球大学教授(行政法)ら沖縄自治研究会も中間報告の中に無防備地区の規定を盛り込んだ。
 3日に開かれた「無防備地域宣言を沖縄から考えるシンポジウム」に出席した仲地教授は「地方自治法で国防・外交は国の仕事、地方自治体の仕事は住民福祉の増進が基本と規定されている」と指摘した上で、こう問題提起した。
 「住民福祉の前提は平和。平和政策を担うのはなにも国家だけではない。自治体も憲法に定める平和的生存権のためにあらゆる努力が必要だ。沖縄から再び、代理署名拒否のように全国に平和の問題を提起できるかだ」。

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【写真説明】沖縄での無防備地域宣言の意義を討議したシンポジウム=3日、教育福祉会館

投稿者 全国ネット : 20:11 | 八重山毎日新聞 /| 報道 /| 沖縄 | トラックバック (0)