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                  議会の論点と私たちの見解

                    議会での議論から 論点と私たちの見解

                             2006年6月  無防備地域宣言運動全国ネットワーク事務局


  これまで12以上の地方議会で、無防備・平和条例が審議されてきました。ジュネーブ条約と憲法を生かし、平和を創造し住民の生命と財産をどのように守るのか議論を深めるため、主な論点を整理し、私たちの見解を明らかにします。議論の進展にあわせて、このページも変えていくことになるでしょう。

 自治体当局から出された意見のまちがい

1. 「戦闘員の撤退、兵器の撤去は国の権限に属するもの。地方自治体は権限を有していないので無防備地域宣言の4要件を満たすことが出来ない」

 地方自治体は住民の生命・財産を守るために、戦闘に巻き込まれないように政府及び軍当局(自衛隊など)に戦闘員・兵器の撤去を求めることができます。政府・軍当局も、ジュネーブ条約(国際人道法)を守る義務がありますから、この自治体の要請を無視することはできません。ジュネーブ条約第1追加議定書では、住民と戦闘員を明確に分離することを基本原則とし(軍民分離の原則)、細かく条文に定めてあります。同条約第58条では、「攻撃の影響に対する予防措置」として、「人口の集中している地域又はその付近に軍事目標を設けることを避けること」「住民・民用物を軍事行動から生ずる危険から保護するため、その他必要な予防措置をとること」と明確に定めています。政府や軍当局はこの条約を守る義務がありますから、自治体が求める4条件を確保しなければなりません。

 また、国民保護法においても、第9条の「留意事項」2項には、「国民の保護のための措置を実施するに当たっては、国際的な武力紛争において適用される国際人道法の的確な実施を確保しなければならない」と規定しています。

 自治体は無防備地域4条件を満たすことはできるのです。自治体は平時から軍隊のない町をつくり、無防備地域を準備することが求められます。

 

2. 「宣言はわが国においては、国においておこなわれるべきであり、仮に地方自治体が無防備地域宣言を行っても、ジュネーブ条約に規定されている宣言に当たらない」との国の見解があるので効力がない。

 ジュネーブ条約の解釈は赤十字国際員会の条約コメンタールが正しいもので、日本政府の見解は誤りです。赤十字国際員会は地方自治体も宣言ができるとしています(コメンタールpara2283)。さらに赤十字国際委員会は「4条件が満たされたときに、ある地区が無防備地域となる。一方的な宣言や合意だけによって、この状況を確定する」(コメンタールpara2263)としています。大事なのは4条件を満たしていることです。日本政府が勝手に「国だけしか宣言できない」と解釈しても、国際的に通用するものではありません。また、条約に合致した自治体の無防備地域宣言について、日本政府は有効無効の判断をする立場にありません。

 政府見解(国会答弁)も、政権や状況が変化すればこれまでも変遷していますし、変わる性格のものです。誤った政府見解はやがて訂正されるに違いありません。

 自治体も政府見解を鵜呑みにするのではなく、国際条約は国内法規の上位規範に当たりますから、赤十字国際委員会のコメンタールどおりジュネーブ条約を忠実に理解しなければなりません。

 

3. 「地方自治法に抵触するおそれがある」

 国民保護法、武力攻撃事態法、自衛隊法のどこにも無防備地域宣言できないなどと書いてありません。どの法律のどの条項に違反するのか、自治体当局は示すことができません。ここのところは議会でも十分追及できていません。なんとなく国の言うとおりにしようというのでは地方自治は死んでしまいます。

 「非核平和」宣言、「非核神戸方式」、大和市の基地撤去に努力することを定めた条例など防衛・平和に関することを条例・宣言としている実例があります。無防備地域宣言は住民の生命・財産を守り、福祉を発展させる地方自治法の精神に合致した自治体の正当な権限です。住民の暮らし・平和を守るために、できることはすべてやることが自治体の責務です。

 日本の最高法規は憲法です。締結した国際条約も憲法98条2項により日本国家を法的に拘束します。自治体は、憲法、ジュネーブ条約を守っていくことが求められます。

 

 議員から出された反対意見

「占領に開放された地域。占領されることを容認するもの」

 これはジュネーブ条約・国際人道法の無理解です。

 品川区議会における当局答弁ですら、「占領されるということではなくて、そこで通常どおり生活してもいいという、そのまま保護するという内容でございます」と簡潔明瞭に述べました。

 ジュネーブ条約追加議定書59条についての赤十字国際委員会のコメンタールpara2296は、「敵の軍隊は明らかにその地区に駐屯するべきではなく、敵は行政制度を発足させることに制限されるべきである」とし、para2269では「その地区が敵国に占領されないこともありうる」と書かれています。無防備地域は、相手国に開放された地域ですが、必ず占領と結びつくわけではありません。過去の例で沖縄の前島では、米軍が一旦は上陸しましたが、日本軍が駐留・展開していないことを確認すると、そのまま撤退し占領はありませんでした。

 民間人保護がジュネーブ条約の基本ですから、違法な占領行為は戦争犯罪として訴追の対象となります。また市民的権利として非武装・非暴力の抗議・抵抗は当然のこととして保障されます。

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