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               地方議会での無防備条例賛成討論発言

京都市議会(2006年1月30日)

倉林明子 議員

  日本共産党市会議員団は,京都市無防備・平和都市条例を制定すべきという態度を表明していますので,私が代表してその理由を申し述べます。
  第1に,条例制定を求める署名4万1,125筆に込められた市民の平和を求める願いにこたえるべきだからです。請求代表者の意見陳述でも述べられたように,戦争体験者が戦争はいかんと署名されたように,市民の平和への願いが込められていることを真摯に受け止めるべきです。
  第2に,条例に賛同できないとされた市長意見には根拠がないからです。市長意見では,平和,文化財の保護の取組は既に実施しており制定の必要ないこと,無防備地域の条件を満たす必要な権限がなく実効性がないことを挙げられています。しかし,京都市の平和施策や文化財保護の取組は決して十分なものではないことが審議を通じて明らかになりました。戦後60年の節目の取組は一切行われていなかったこと,中央図書館の平和関連図書コーナーの設置も期間限定のもので常設されているものではないこと,被爆者団体への補助金の削減など,その内容は他都市の取組と比較しても不十分です。世界遺産14箇所を持つ京都市でありながら,ハーグ条約の追加議定書の批准を国に働き掛ける姿勢もないことが明らかになりました。答弁では,イベントや啓発ではなく平和の理念を施策に生かしているとありましたが,条例案8条で定めるように具体的な平和施策を規定し予算措置も明記している条例制定こそが求められています。
  次に無防備地域の実効性については,市長意見では,国の見解どおりに地方自治体が無防備地域宣言の主体になれないというものの,明確に条例制定を禁止する法的根拠がないことは答弁のあったとおりです。ジュネーブ条約追加議定書や国際刑事裁判所の規定の発効と無防備地域宣言の実効性が世界的にも高まっていることは審議でも紹介したとおりです。国や軍当局との合意がない時点でも条例案第6条で国に対して求めるとしていることからも,実効性のある条例として地方自治体から発信していくことは十分可能です。明確な実効性が今ないからできないとする市長意見は,やる気のなさを示しているにすぎません。
  この間,政府は有事法制化,イラクへの自衛隊派兵,憲法9条の改定と日本を戦争に参加できる国に作り替えようとしています。同時にアメリカと一体となって軍事機能の強化を進める米軍再編の動きも強めています。一方で,基地再編強化に対する地方自治体の首長の発言に見られるように,こうした動きに草の根から反撃する動きも急速に高まっています。更に国内では憲法9条を守る運動が,また世界では平和の実現を求め紛争の解決を武力に頼らない地域共同体が急速に広がりを見せています。武力による紛争の解決ではなく,平和的な解決を実現できる可能性はかつてなく高まっており,逆に世界からもアジアからも孤立しているのがアメリカであり,日本となっているのではありませんか。日米安保条約が日本の平和に貢献しているのではなく,先制攻撃を掲げるアメリカ軍基地が日本にあることが逆に日本国民の生命及び財産を危険にさらすこととなっているのです。憲法9条こそ戦後60年余り日本の平和と安全を守る力となってきたのです。今,本条例を制定し地方自治体から平和を発信する意義は極めて重要であり,議員の皆さんの賛同を心から呼び掛けるものです。
  最後に,市民による直接請求による条例制定の提案を議会がどう真剣に議論するのか,議会の在り方も問われました。本会議での意見陳述を認めなかったこと,委員会の直接傍聴さえ認めなかったことは,閉ざされた京都市議会だと市民の批判を受けました。今回の扱いを前例とせず,一層開かれた市議会となるよう改革を進めていくことが求められていることを申し添えまして私の討論と致します。(拍手)



品川区議会(2006年1月19日)

沢田英次 議員

 私は日本共産党を代表し、区民の直接請求による第1号議案、品川無防備平和条例について、賛成討論を行います。
  本案は、1、戦争事務を行わない、2、非核三原則の遵守、3、日ごろからジュネーヴ条約第一追加議定書第59条にある無防備地域の条件を満たす努力、4、平和事業を計画的に推進するなどをめざしたものであります。その趣旨は、憲法の前文および第9条に定められた国民の平和的生存権を自治体レベルで保障しようとするもので
す。我が党は、第9条改憲が叫ばれている現在、本案に心から賛同するものであります。
  さて、私はここで、区側が本案に添えて提出した高橋区長の意見について見解を述べさせていただきます。
  第1は、国際条約なのに高橋区長は政府の見解のみを主張し、本案を議決しても地方自治法に抵触し、効力はないとしている問題です。本条例案の確信部分の1つが、1977年に締結されたジュネーヴ条約第一追加議定書を品川区に適用しようとするものです。第59条や、戦争や紛争で9割もの住民が犠牲になることを防止し、固定された軍事施設の敵対的な使用が行われないことなど、用件を満たした無防備地域宣言を行った自治体に対し、相手国は攻撃してはならないとしており、本案はその条項を品川区に適用、区民の命と財産を守ろうとするものであります。
  区長は、防衛は国において行われるべきであり、地方公共団体が無防備地域の宣言を行うことはできないと主張。宣言したとしても、「第一追加議定書に規定された宣言には当たらない」との、総務大臣の国会答弁を紹介しています。しかし、この主張が国際舞台で通用するのでしょうか。総務委員会でも議論になりましたが、ジュネー
ヴ条約の提案者である赤十字国際委員会は、第一追加議定書第59条のコンメンタールで、原則として、宣言はその内容を確実に遵守できる当局によって発せられるべきである。一般的に、これは政府自身となるであろうが、困難な状況にあっては、宣言は地方の軍司令官または首長や知事といった地方の文民当局によって発せられることもあり得るとしているのであります。
  赤十字国際委員会の解釈によっても、自治体が宣言することは可能であり、本案はこの解釈に基づいたものであります。総務委員会では、条約の解釈は各国それぞれだとの答弁がありましたが、これでは国際条約の締結の意味がなくなってしまうことは明瞭ではないでしょうか。区は議会で何回か、国際条約は国内法規の上位規範に当たると述べてきましたが、区の意見はその主張にも反し、世界に通じない議論だと言わなければなりません。
  第2に、地方自治とは何か、地方自治の本質が問われております。品川区は、政府の判断を絶対視、本案を事実上門前払いとしました。これは、地方自治の放棄であり、品川区を国の従属機関化するもの、断じて容認するわけにはまいりません。
  ここで、32年前に制定された区長準公選条例の制定の運動について述べます。当時の地方自治法では、区長は議会が選任するようになっていましたが、区民の間の直接請求運動により、区長準公選条例を制定しました。区長を決定するに際し、区民投票を実施、その結果を尊重して議会が区長を選ぶ、区長公選が事実上実現したのであります。当時、この準公選運動は23区に広がっていましたが、自治省は、脱法行為であり、区民投票は自治法違反だと妨害を繰り返しました。このような妨害を抗して、品川区議会は準公選条例を全会一致で議決、区民投票の実施ばかりか、そのことにより区長公選の法改正まで至ったのであります。もし国の地方自治法違反の圧力に屈し、区民投票を行わなければ、区長公選のおくれは必至と言わなければなりません。住民の直接請求に対し、政府見解を絶対とする区の態度は、品川の栄えある自治権拡充運動の成果を汚すものと言わなければなりません。1985年、防衛にかかわる問題とはいえ、非核平和都市品川宣言を全会一致で制定、区民とともに平和事業を推進する立場にこそこれを貫いてほしいものだと思います。
  第3は憲法との関連です。区は無防備平和条例を制定したとしても、地方自治法第14条第1項に抵触する。つまり、違法だとしています。憲法第9条は第1項で、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」、第2項で「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保
持しない。国の交戦権は、これを認めない」としております。政府が文字どおり第9条を完全実施するなら、それこそ日本国じゅうが無防備地域になることは明らかであります。ところが政府は、世界第2の軍事費を支出し、世界有数の自衛隊を保有しているばかりか、アメリカの要請にこたえて武装した自衛隊をイラクにまで派兵しているのであります。条例制定が地方自治法違反というよりも、自民党、公明党の政府が憲法を公然と踏みにじっていることこそ違憲であり、問題にすべきではないでしょうか。私は、今回の直接請求運動は、憲法第9条に沿った平和な地域づくりであり、道理ある運動と確信するものであります。賛成討論の最後に、国連憲章に基づく平和な国際秩序をめざす流れが、地域的規模で世界に広がっていることを紹介したいと思います。
  1つは、東アジア平和の共同体の流れです。昨年12月マレーシアで開かれたASEAN首脳会議、ASEANプラス日・中・韓のプラス3の首脳会議、東アジア首脳会議が連続してアジアで開かれました。地域の平和共同体の形成で合意したのであります。紛争の平和的解決、武力行使の禁止をうたい、1976年に結んだ東南アジアにおけ
る友好協力条約(TAC)は、中国、韓国、日本、インド、ニュージーランド、パプアニューギニアなど、世界の人口の53%が参加、東アジア平和共同体へと発展しています。
  もう1つは、ラテンアメリカで起こっている巨大な社会進歩の流れです。1998年にベネズエラで始まった民主的変革の流れは、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、昨年末にボリビアと南米大陸全体に広がり、これらの変革が選挙を通じて行われていることは注目に値します。共通していることは、アメリカ主導のIMF路線、新自由主義の押しつけが破綻、米国支配からの決別を掲げ、自主的で民主的な経済政策転換をしていることであります。
  もう1つの特徴は、2004年南米12か国が参加した首脳会議で、国家試験の平等とともに、紛争の平和的解決を掲げ、南米諸国共同体の設立が宣言されております。国連憲章を無視、イラクをアメリカの先制攻撃の標的とし、平和の共同体の流れと明らかな対比をなすものではないでしょうか。小泉内閣は、憲法第9条まで改定、アメリカ
の軍事的派遣主義のお先棒を担ぐ道を進んでいますが、世界の流れに逆行していることは明らかではありませんか。品川区無防備平和条例は、戦争から区民の命、財産を守ろうとするものです。同時に、無防備地域を全国に広めることができれば、憲法の前文と第9条の平和な日本が築かれることになります。品川での無防備平和条例制定の動きは、自治体での動きでありますが、アジア、ラテンアメリカ、世界に広がる平和の共同体の流れと軌を一にする運動でもあります。改めて、区民の戦争反対、平和の願いのもとに、1万人を超える署名が提出されたこの運動は、品川区政史に名を残す快挙だと思います。本案に賛成することを表明し、日本共産党を代表しての賛成討論といたします。ありがとうございました。(拍手)

井上八重子 議員

  私は、第1号議案、品川無防備平和条例に賛成、総務委員長報告に反対の立場で討論いたします。
  品川区は、1985年に区民の願いである核兵器の廃絶と恒久平和の確立を求め非核平和都市品川宣言を行いました。国連加盟国165か国に宣言を発し、世界に向けて強く訴えました。これは明らかに地方自治体の範囲を超えた防衛政策、軍事にかかわる問題ではありますが、区民の平和に生きる権利を求める、守るために宣言を行ったもので、非常に意義のあるものだと思います。
  今回、区民が直接請求をしている品川無防備平和条例も、ある意味ではこの非核宣言と通ずるものがあると思います。戦争、テロのおそれが言われる中で、真剣に住民の生命、財産を守るために自治体が何をすべきか、できるのかを提起するものであり、その趣旨については自治体として真摯に受けとめるべきだと思います。区長は、無防備地域宣言は、国の見解をもとに地方自治体は適当な当局にはなり得ない。さらに、地方自治法第14条第1項の規定に抵触するという理由で、本条例に反対の立場をとられています。総務委員会の審議の中で、仮に国が宣言主体として困難な状況のとき、地方自治体はどうすることができるのかという質問に対して、仮定のことには答弁できないと言われました。このことが説明されないまま、国が地方自治体と一体に国民の生命を守ると言われても納得できるものではありません。日本国憲法前文では、「平和に生存する権利を有する」とうたっています。また、地方自治法第1条の二第1項では、住民の福祉向上を図ること、すなわち住民の生命と財産を守ることこそを自治体の責務としています。 この条例を地方自治体が制定することは大きな意味があります。この動きは、大阪市から始まり枚方市、荒川区、藤沢市、品川区、そして京都市、大田区、目黒区、市川市、日野市、国立市に広がっています。地方が自立をし、あらゆるところで宣言を広げていくことで、国を動かそうとしています。20年前に品川区が非核平和都市品川宣言をした当時と、世界の平和、日本の平和の状況が変わっているのは事実です。品川区が住民の生命と財産を守るためには、宣言を条例制定によって具体化することで、平和政策に取り組むという姿勢を私は求めます。
  請求代表者住吉氏の憲法の前文を引用された言葉が印象的でした。「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起きることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し」ということです。つまり、過去において、政府が為政者、指導者たちが戦争を起こしてきたのだと言っているのです。そのことが再び起きないように、主権者である私たち国民が政府を見張り、監視し、戦争を起こそうとする機運が少しでもあれば、それを阻止していかなければならないと言っているのです。今回の条例制定の動きは、有事関連法案が次々に制定され、日本も不透明な有事を想定し、戦争ができる国に少しずつ進んでいるのではないかと心配した区民が、平和の思いを込めて条例制定の動きになりまし た。この運動が直接請求という500人を超える多くの受任者、協力者の呼びかけで、条例制定をしたいと思う区民が少なくとも1万人を超えています。この区民の思いを尊重すべきであり、平和を守るために条例制定に対して賛成をいたします。
  以上で討論を終わります。(拍手)



奈良市議会(2006年1月13日)

原田栄子 議員

 御苦労さまです。私は、日本共産党奈良市会議員団を代表し、議案第一号 奈良市平和・無防備都市条例(平和を希求し、戦争に協力しない条例)の制定に賛成し、討論を行います。
  この条例制定を請求された皆さんの御意見にもあるように、二度と戦争をしてはいけないという素朴な思いと平和への強い願い、そして古都奈良の世界遺産・文化遺産を守り、後世に引き継ぐためには、奈良市及び奈良市民が戦争に巻き込まれないようにするために、平和・無防備の条例を制定することが最も効果的だということから、この条例を提案されました。このような市民からの直接請求による条例提案は、奈良市議会では一九六四年に一回あり、それ以来初めてのことです。条例提案のため、昨年十月十五日からわずか一カ月で、必要な法定署名数六千三十三名の二倍を超える一万二千九百十八名の署名が寄せられ、条件不備で無効となったものも入れれば、一万四千二百八十八名にも及ぶ皆さんが賛同署名をされています。私たち共産党議員団は、こうした直接請求された方々の平和への思いを重く受けとめています。
  この条例では前文に、奈良市は「古都奈良の文化財」と豊かな自然を有する世界遺産のまちであり、これらを後世に継承していくことは、現代に生きる私たちの責務であり、また、この文化遺産を保全することは、我が国の国際社会に対する責務でもあるとしています。そして、戦争による文化遺産の破壊を防止するために、「戦争には一切協力しない」、このことを宣言し、世界に発信する意義は大きいとうたっています。この議会で繰り返し議論されているように、この条例案は、憲法が定める平和的生存権を基本理念に、ジュネーヴ条約第一追加議定書に基づき、紛争下で文民保護、文化財保護を目的に、市長が無防備都市宣言を行い、相手国や日本政府に通告することを言うものです。こうした提案に対して、市長は、実質的な効力を有しない、また地方自治法に抵触する、このことを理由に条例制定は適当でないという結論を出しました。
  確かに、このジュネーヴ条約追加議定書に対しては、憲法学者の中でもさまざまな解釈の違いがあることは事実ですが、戦争のときに人権保障を求めることは当然のことであり、一定の条件下で生命、財産を守ることは、最低限保障されなければなりません。とりわけ奈良市は、八つの世界遺産と数多くの文化財を抱える全国的に見てもまれな都市であり、先日、請求代表者工藤良任氏からの意見陳述にもありましたが、奈良市は七百件を超える重要文化財があり、中でも国宝建造物は三十四件と、全国一位と述べられています。このことからも、この条例を制定する意義は大きいものがあると考えますし、委員会でも議論いたしましたように、憲法や地方自治法に照らしても法に抵触するものではなく、むしろこうした行為は地方自治体本来の仕事であることは明らかです。
  なお、東京都中野区では、一九八二年八月十五日に憲法擁護・非核都市中野区条例で、その第一条、目的で「私たち中野区民は、国際平和を誠実に希求し、平和に生きる権利があることを確認する。」とし、その第五条では、反平和的行為の禁止で「区の財産及び個人の財産を、区及び本人の意思に反して戦争の目的に利用すること。」また「徴兵及び徴用、その他戦争に協力する業務を行うこと。」などを禁じています。
  第二次世界大戦では、アジアで二千万人、日本では三百十万人ものとうとい犠牲が払われました。戦後六十年を過ぎてもなお、家族を失った悲しみ、悔しさ、心の傷をいやせない方々がたくさんおられます。二度と戦争を起こさない、このことが悲惨な経験をした人たちだけではなく、戦争を知らない世代を含むすべての人々の願いであり、決意でもあります。この点については、中川 徹請求代表者が御自身の体験を通じて、るる述べられたとおりです。国が憲法をじゅうりんして、イラクに自衛隊を派遣し、国政の舞台では戦争を否定している憲法を書きかえ、アメリカと一緒に海外で戦争をする国に変えていこうとする動きのある中、奈良市でこの条例を制定することは、憲法九十二条の地方自治の本旨に基づいて、地方自治体の責務を全うし、拡充することを意味するものであって、政府の見解などに何ら拘束されるものでないことを申し上げ、賛成討論といたします。


高槻市議会(2005年12月26日)

野々上愛 議員

  おはようございます。元気市民を代表いたしまして、議案第158号 高槻市無防備・平和都市条例制定について、賛成討論をいたします。
  この高槻市無防備・平和都市条例は、10月1日からの1か月間の署名運動で、有効署名数1万2,518筆を集め、今回、議会へ直接請求をされたわけですけれども、高槻市議会としては、市民のこれらの平和を求める声を、まずは真摯に受けとめなくてはなりません。
  現在、日本国憲法では、前文や第9条、さらにその全体を通して、平和主義や国際協調主義がうたわれています。しかし、現在の日本は、この憲法の持つ精神からどんどんと遠ざかるような政治を進めてきているのは明白な事実です。そのことこそがまさに問題なんです。
  平和憲法の精神を生かし、混迷を極める世界に向けて平和を発信、構築していくべきはずの日本が、現在、アメリカの覇権主義と歩調を合わせ、戦争のできる国へと着々と準備を進めているという現状にあります。武力攻撃事態法や国民保護法など、まさしく戦時下へ突き進んでいくような、ここ数年の数々の法制化の流れに対する市民の悲鳴とも言えるのが、この1万2,518筆の署名ではないかと、私たちは真摯に受けとめるべきではないでしょうか。
  自治体は今、戦時下へ突き進んでいくような国の流れに真っ向から立ち向かっていかなくてはなりません。違憲状態ともとれる国の政治に従っていくのではなく、真の自主性を持った自主政府としての自治体が、その住民の生命、財産を守るための措置を積極的にとっていかなくてはならないのです。誤った法に従っていくのではなく、憲法や、さらには国際条約に広く根拠を求め、自治体が平和政策を打ち出していかなくてはなりません。
  第二次世界大戦の沖縄戦線などを見れば明らかなように、国の戦争に市民が巻き込まれていくことに何ら歯どめがきかなかった状況があります。私たちは今こそ、国が始めた戦争に一人一人の市民が巻き込まれない権利を明確に示す条例案として、この高槻市無防備・平和都市条例を制定していくことが必要なのではないでしょうか。
  今回の条例案に対して、市長は、この条例案に対する反対の旨の意見書を提出されています。大きく憲法解釈と平和事業に関する問題と、そしてジュネーブ条約の解釈に関する問題ですが、まず、平和事業に関する部分では、既に同様の事業を高槻市が行っているから改めて条例化の必要はない旨の意見書を提出されています。しかし、今、この戦時下へ突き進んでいくような状況を市民の皆さんが肌で感じられているときだからこそ、今、高槻市がとっている平和政策では不十分だということを突きつけられているということを、もう少し真摯に受けとめなくてはなりません。
  戦後60年、戦争の記憶が薄れつつある日本で、さらに次の戦争へ突き進んでいかないためにも、改めて実効性のある平和事業を高槻市としては進めていかなくてはなりません。
  そして、もう1点、ジュネーブ条約の無防備地域宣言にかかわる部分については、終始、地方自治法第14条1項を引用し、自治体の裁量権の及ばないというところに終始しています。しかし、この無防備地域宣言については、国が主体となるという日本政府の見解と、国際人道問題などで大きな影響力を発揮する赤十字国際委員会などの見解は真っ向から対立しているものであります。高槻市は一体何をもって、この無防備地域宣言の主体たり得ないとしたのか。調査研究不足で国の見解にただ従うという事なかれ主義なのは余りにも明らかであります。「国が」ではなく、自治体からの平和政策として、この無防備地域宣言を実効力を持ったものとしていく研究を、国内外の基礎自治体やさまざまな機関でも進められている現状があります。高槻市も、こういったことを積極的にならうべきであると私は考えます。
  折しも、2000年の地方自治法改正以降、自治政府としての自治体の機能がますます重要化しています。国の機関としての自治体、そして、市長ではなく、そこに住む高槻市の住民の生命と財産を守る最終責任者としての高槻市、そして奥本市長なんです。市民の生命、財産を守っていくためには、日本国憲法の精神を実現することと、さらに、自治体として、間違った国の政治、法律に真っ向から立ち向かい、これをただしていく姿勢と気概が必要です。その武器として、自治体としても、平和と人道に依拠したこのジュネーブ条約を積極的に解釈していくことこそ、まさしく国際社会における自治体の姿と言えるのではないでしょうか。
  平和は、待っていても訪れるものではありません。特に、今、日本の法制化が平和から遠ざかっていくような状況だからこそ、積極的に平和を創造していく政策が、市民の生命と財産に最終責任を有する高槻市、そして奥本市長のとるべきものだと考えます。
  よって、この議案第158号 高槻市無防備・平和都市条例制定について、元気市民として賛成の討論といたします。ありがとうございました。(傍聴席から拍手あり)


森田充二 議員

  おはようございます。高槻市政を革新する会を代表して、私の方から、今回の議題に供された高槻市無防備・平和都市条例案に関して、幾つかの意見を付記した上で賛成の討論を行います。
  まず、今回の条例案に関する賛成の根拠です。前文における、非武装をうたった憲法9条を高槻の地から実現し、戦争につながるすべてのものを排して、この高槻を戦争非協力の町としている点です。今まさに、政府小泉政権がイラクへの自衛隊派兵をさらに継続し、国内においては、武力攻撃事態対処法や、あるいは国民保護法などによって、戦争国家への道を推し進めようとしています。そのときに憲法9条の精神を実現しようとするということは、私たちに何よりも問われていると思います。
  また、この憲法の第99条では、「天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」という立場からも、現在、改憲を押し進めようとしている政府こそが、明白な憲法違反を行っています。この中で、最大の焦点である第9条を実現するということが、今まさに問われていると思います。さらに、この前文で、戦争につながるものすべてを排除して、この高槻を戦争非協力の町にしようとしている点ですが、これこそが憲法9条の精神であるということです。
  もともとこの憲法9条は、日本帝国主義が、敗戦の中でほうはいとしてわき起こった中国、アジアの人民の戦い、これと結合した日本の労働者階級人民の戦後革命の嵐に対する、いわゆる思い切った譲歩として制定されたものです。いわば日本の革命ということが切迫した恐怖の中から、当時のGHQ、そして日本政府の日本人民とアジア人民への約束としてあったものがこの憲法9条です。これを破棄して再び戦争するというのであれば、日本人民及びアジア人民は、この日本政府を打ち倒す権利があるということを意味しています。
  次に、条例の第2条の、平和のうちに生存する権利を有することを確認し、軍事を目的にした市民権の制約や財産権の侵害、自然環境の破壊を受けることを拒否しているという点であります。
  憲法前文に規定されている平和的生存権は、国際法上も確認されている基本的人権であって、国はもちろん自治体もこれを守り実現する責務があることは言うまでもありません。しかるに、現実は、平和的生存権はますます空文化しつつあります。
  例えば、沖縄県民にとってはどうでしょうか。沖縄には米軍基地の75%が集中し、この戦後60年間、県民は基地によって生命と財産を脅かされ続けてきました。ごく最近でも、ヘリコプターが住宅密集地に墜落し、頭上を砲弾が飛び交い、米兵による暴行事件が相次いだりする現実は、沖縄県民にとって平和的生存権などなきに等しい現実ではなかったでしょうか。沖縄県民の基地撤去を求める闘いは、まさに憲法に規定された平和的生存権の実現を求める闘いであります。
  このような日本の現実にあって、高槻市が条例で平和的生存権を確認することは、大変積極的意義を持っていると思います。また、平和的生存権の実現と保障は、労働者、市民みずから実現するものであるが、高槻市民の代表である高槻市としての地方自治体はこれを宣言する義務を負うことは言うまでもありません。
  第3に、条例案の第4条として、高槻市は戦争に協力する事務を行わないことを市の責務としております。その上で、この市域に軍事施設の建設を求めないとしている点こそが、先ほどと関連して最も今求められていることであるというふうに思います。
  その上に立って、次に、この条例案に対する市長の意見書に対して、私たちの見解を述べたいと思います。
  第1に、非核平和都市宣言等を行っているので改めて規定する必要はないと、市長の意見書は述べています。これは、真正面から判断することを避けている点、あるいは、法令を勝手に解釈して、地方公共団体ではできないといって拒絶している点は、本当に許しがたいというふうに思います。非核三原則を遵守し、核兵器の廃絶と平和のとうとさを市民に訴えてきたから、こういった規定をする必要はない、本当にそうでしょうか。むしろ逆ではありませんか。現に、完全武装の陸上自衛隊がイラクで米軍と一緒になって軍事占領活動を行っているではありませんか。自衛隊は、イラクの民衆によって迫撃砲を撃ち込まれ、あるいは石つぶてで反撃を受けています。また、ブッシュ大統領がごく最近の演説で、イラク人民を3万人虐殺したということを明らかにしています。こういったものを支えているのは、実は海上自衛隊の燃料供給であり、航空自衛隊の輸送行為ではありませんか。しかも、劣化ウラン弾という核兵器でイラクの子どもたちが次々と殺されています。
  今、こういった現状に対して市が訴えてきた非核三原則や平和のとうとさが本当に踏みにじられているからこそ、改めて平和的生存権、これは何も高槻市民だけではありません。イラクの民衆の平和的生存権のためにも訴えなくてはならないのではないでしょうか。
  第2に、法令に反する事務をとり行うことはできない、こういう形で、この条例制定に反対しておられます。実は、政府こそが、この平和的生存権を踏みにじり、武力攻撃事態法などの有事関連法令を制定して憲法9条に違反しているのではないでしょうか。みずから憲法違反をしておきながら、自治体に、法律に抵触する条例をつくってはならないと言う権利が一体あるのでしょうか。市長の意見は、国の間違った論理に屈伏し、みずから地方自治を放棄するものであります。憲法に反する法令には、違反してでもとり行うことが憲法99条の精神と立場ではないかというふうに私たちは思います。
  また、法に反する事務は行えないと言いながら、実は、地方自治法の第74条に定める今回の住民自身によるこの条例制定に向けての署名活動に対して、法令でもなく、ましてや条例でもない、単なる内規でしかない庁舎管理規則で妨害したのは一体だれだったのか。憲法や法令の都合のいい解釈だけで行政執行をとり行うなと言いたい。
  以上のように、高槻市長のこの条例に関する意見は、およそ真剣な検討も行われているものではないと言わざるを得ません。また、高槻市民に対して真摯に向き合ったものではないと言わざるを得ません。
  最後に、今回の条例提案に関する私たちの見解として、幾つかの疑問点、そして意見をつけ加えたいと思います。
  まず、今、日本の、そして高槻の住民として一番問われていることは、アメリカ帝国主義が推し進めているイラクでの戦争行為と軍事占領を直ちにやめさせるために何ができるのか、そして、何をしなくてはならないのかということです。この場合、最も重要なことは、殺され占領されているイラクやアフガニスタン、こういった人民、民衆の立場に立った闘いと運動ではないかと思います。私たち日本の人民がこのイラクの民衆に対して加害者になっているという点から、こういった立場からの国際連帯が鋭く問われていると思います。
  そこで問われている最も大きな課題は、在日米軍への闘い、基地撤去を求める闘いです。現在、トランスフォーメーションとして在日米軍の大再編が推し進められようとしています。こういった中で、その最も最先端で闘われている沖縄での闘いです。沖縄の基地なくしてイラクの戦争継続は絶対成り立たないからです。この闘いや取り組みに最も重点を置いた運動が求められていることをはっきりさせなくてはなりません。沖縄県民との連帯や、イラク民衆との連帯の闘いが最優先課題じゃないかということです。
  さらに、この立場と関連することで、実は加害者とされてしまっている私たちが、イラクを初めとしたイスラム人民のやむにやまれぬ決起を否定することは許されないということです。既に日本政府は当事者になっています。この点で、いかに無防備宣言を発しようが、私たちが日本政府をしてこの戦争を阻むことができていない中で、その加害性を免れることはできません。被抑圧民族であるイスラム人民のやむにやまれぬ反撃の権利を私たちは認めるものです。この無防備地域宣言運動は、これらの闘いと権利に敵対するものであってはならないと考えます。
  また、だからこそ朝鮮半島での戦争を想定した日本の小泉政権の戦争準備、憲法改悪のあらゆる動きに本当に対決する闘いと運動が求められていると思います。
  提案者の意見陳述の中で、自衛隊はその任務の必要性から何をしてもよいのではなく、戦争のルールと文民保護を定めた国際人道法ジュネーブ諸条約の範囲内でしか軍事行動はできません。こういった見解や認識には同意できません。これは、日本の軍隊、しかも既に侵略戦争を開始し、この東アジアで本格的に軍事展開しようとする軍隊や、憲法を踏みにじり根底から破壊しようとしている今の日本政府に対して、幻想を与えるものではないかと思います。
  自衛隊や日本政府は、もはや平時ではなく戦時の態勢に突入しており、戦争のルールやジュネーブ諸条約の遵守などは、今までの帝国主義の戦争を見る限り、味わえないものと確信しています。こういった法や諸条約を守った侵略戦争があり得るかのような見解では、本当に戦争を想定した日本の小泉政権の戦争準備、憲法破壊のあらゆる動きに対決することができるのでしょうか。侵略と強盗のための戦争を阻むために、民衆はいかなることをする権利もあることです。また、しなくてはならないことではないかと思います。
  憲法9条は、日本の人民にとってはそういった積極的な意味を持つものとして輝かさなくてはならないものと言えます。
  こういった観点と意見を付記した上で、この条例案に賛成いたします。


二木洋子 議員

  議案第158号 高槻市無防備・平和都市条例制定について、賛成の立場から討論を行います。
  本条例は、1万2,518名もの市民の皆さんが、戦争放棄、非武装をうたった日本国憲法第9条を地域で具現しようと提案された条例です。条例は、大きく2つの部分から構成されています。1つは、憲法で保障されている平和的生存権、及び従来から高槻市が取り組んできた平和事業について、改めて条例に明文化しようというものです。もう1つは、1977年のジュネーブ条約追加第一議定書第59条に基づき、高槻市は戦争の危機に際しては、無防備地域を宣言するとともに、そのために、平時からその条件整備に努めていこうというものであります。
  この条例に対して、市長は1点目については、既に事業に取り組んでおり条例化の必要はない。2点目については、条例化すれば地方自治法違反になるとの見解を述べ、条例制定は無理であるとされました。
  そこで、この市長の意見に対する私の考えを明らかにさせていただきます。
  まず、平和的生存権及び平和事業の推進についてであります。高槻市が平和的生存権を認め、今後も平和事業を推進しようというのであれば、非核平和都市宣言だけではなく、条例でこのことを明文化して事業を推進しても何ら問題はありません。条例化する方が、高槻市の平和を希求する姿勢がより明確になり、市民にも日本全国にも、ひいては世界に高槻市の平和への願いが発信できて、まさに非核平和都市宣言の発展となるのではないでしょうか。
  次に、もう1つのジュネーブ条約追加第一議定書第59条に基づく無防備地域宣言についてであります。市長は、国防は国の専権事項であり、宣言は政府しか行えず、地方自治体が条例化すれば地方自治法違反になるとの見解でありました。これは、政府の見解をそのまま述べたものであります。しかし、追加議定書第59条によれば、無防備地域宣言ができるのは、軍隊が地域に接触しているなどの戦場と化したような場合であります。したがって、59条には、宣言主体は「紛争当事者の適当な当局」と書かれており、赤十字国際委員会の解説では、一定条件下では市長もできる旨書かれているのです。この点については本会議でも、一定の条件下では地方自治体もできる旨の答弁をされていました。
  そうであるならば、政府の見解をそのままうのみにするのではなく、議定書、法等を十分調べた上で、市としての独自の見解を出すべきであります。住民の生命、財産を守ることは地方自治体の責務です。一定の条件下で市民が戦火に巻き込まれないよう、市民の生命と財産を守るために、高槻市が無防備宣言をすることは可能ですし、まさに地方自治法上もそうするべきではないでしょうか。仮に、そのような場合に議会を開くのが不可能であるならば、市長にあらかじめその権限を付しておいてもいいのではないかと私は考えます。
  ただ、ジュネーブ条約及び追加第一議定書が、戦争及び武力紛争時のルールをうたった国際人道法でもあり、この議定書に基づき、戦時に宣言をするという態勢の準備をすることはできますが、平時から宣言ができるかどうかについては、私自身は、もう少し検討しなければならないと考えています。
  しかし、市民の命と平和、暮らしと財産の安全を守るためにも、市は戦時には無防備宣言をするという姿勢を平時から打ち出すことは、これは極めて重要なことであります。
  数百万人もの方々の犠牲のもとに、戦後、世界の恒久平和を願い、戦争放棄をうたった平和憲法が制定されました。平和憲法のもとで、私たちは二度と悲惨な戦争を繰り返さないことをかたく誓ったのです。そして、戦後60年間、私たちは平和を享受してきました。憲法9条を守り続けていたならば、まさに、日本全体が無防備地域宣言をしていることと同じであります。
  しかし、今、この平和憲法が改悪されようとしています。自衛隊の海外派遣がなされていますし、有事法や国民保護法などが制定され、まさに戦争への道を歩み始めています。このような状況の中で、全国各地でこの無防備地域宣言運動が行われ、高槻市でも、1万2,518名もの方がこの運動に署名をされました。署名された方々は、憲法9条を生かし、何としても平和を守りたい、そのために地域でできることはないかと考えられ、非核平和都市宣言を発展させ、かつ、国際人道法であるジュネーブ条約追加第一議定書に基づくこの無防備地域宣言の条例化を求めておられるのであります。まさに、皆さんの思いは、国際人道法の視点を取り入れた憲法第9条の地域での具現です。
  この皆さんの非戦への熱い思いに敬意を表するとともに、今のような状況だからこそ、この平和憲法を生かし、市民の安全と平和を守るためにも、本条例制定は必要だと私は考えております。
  以上の意見を明らかにして、私のこの議案に対しての賛成の討論といたします。



大津市議会(2005年12月22日)

八木修 議員

  (登壇、拍手)私は、日本共産党大津市会議員団を代表いたしまして、ただいま行われました各委員長報告のうち、議案第203号 2005年度大津市一般会計補正予算(第5号)、議案第204号 2005年度大津市国民健康保険事業特別会計補正予算(第2号)、議案第255号 大津市営住宅の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例の制定について、議案第268号 大津市立幼稚園保育料等に関する条例の一部を改正する条例の制定について、議案第311号 指定管理者の指定について、議案第315号 指定管理者の指定について、議案第321号 大津市平和・無防備都市条例の制定について、請願第9号 出資法の上限金利の引き下げを求めることについて、請願第10号 事業所税導入時の弾力的運用に関することについて、以上議案8件、請願2件についての反対討論を行います。
  次に、議案第321号無防備都市宣言に関するものですが、本件については委員長報告に反対し、原案に賛成の立場での討論となります。委員会の審議では、この宣言は国において行われるもので、地方自治体では宣言できないというふうに市は言っています。無防備都市宣言は、国防に関わるもので地方の事務ではない、国の専管事項だということですが、これは請求され提案されている条例案をよく読まず、また理解せず、地方自治法に抵触すると言っているにすぎないのではないでしょうか。条例案は、無防備地域宣言をすること、戦争に関する事務はしない、また軍事目標の撤去ないしは戦時における機能停止を政府に求める、こういうことを求めているもので、これはまさに地方自治権や条例制定権の範囲のもとで、仮にそういう条例を制定し宣言をすれば、政府はそういう地方の意思を尊重するのが本来の姿であるわけです。
  また、地方自治法第14条問題に触れてみますと、地方自治法第14条は普通地方公共団体は法令に違反しない限りにおいて第2条第2項の事務に関し条例を制定することができる。この第2条第2項は、普通地方公共団体は地域における事務及びその他の事務で法律またはこれに基づく政令により処理することとされるものを処理するという規定になっていますし、また地方自治法第1条の2では、地方公共団体は住民の福祉の増進を図ることを基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものとなっているわけです。これらの条項から見てみましても、この無防備都市条例に制定することに何ら問題はないことは明らかです。
  御承知のように、わが国は憲法前文と第9条で戦争を放棄を宣言し、軍隊を持たないことを宣言をしています。にも関わらず、自衛隊という軍隊を持ち、政府自民党は日米安保条約という軍事同盟を憲法の上に置いて、その世界観はまさにアメリカの立場でしか物を考えず、自衛隊という軍隊を特別措置法を作って憲法上禁じられている海外派兵を行っています。こういうときにこそ、地方自治体がこの当宣言が当然できるものと解すべきですし、ジュネーブ条約で見ても当初戦闘状況や無政府状況を仮に想定したとしても、それから一転時間がたち今日の政治状況、社会状況のもとで地方が宣言することを全く妨げていないと解釈するに無理のないことは当然です。無防備都市宣言は、ふるさと都市大津恒久平和都市宣言をしている大津市の平和行政を一層前進させ、より市民の平和と安全を守ろうとするものです。
  1975年3月、神戸市議会は非核証明のない艦船の入港を認めない決議をいたしました。委員会での質疑の中で、市は明文化されていないので法的に有効でないというふうに答弁をされていますが、現実にこの宣言以後、神戸にはアメリカの艦船は入港していない、入港の申請すらしていないというのが現実ですし、1972年8月、横浜市の当時の飛鳥田市長は、米軍相模原基地からベトナムへの戦車輸送について、道路交通法の重量制限違反の規定を適用して、市道上の橋の通行を拒否をし、戦車の移送を阻止をしています。国際的には条例案前文に書かれているように、日本政府も批准している1949年8月12日のジュネーブ諸条約に追加される国際的武力紛争の犠牲の保護に関する議定書にもしっかりと合致していることは言うまでもありません。そういう意味で、この条例案に賛成するものです。
  なお、無防備なら攻撃したいという野蛮な好戦的な人間の存在は社会的に重大な問題と言わなければなりませんし、そういう人間も国際法、条約・法で規制されなければならないのはもちろんですが、それでもなお攻撃するという人間は、まさに犯罪者です。世論の包囲で孤立させ、当然淘汰されるというふうに思います。


園田寛 議員

  (登壇、拍手)私は政新会を代表しまして、議案第321号 大津市平和・無防備都市条例の制定について、委員長報告に対する賛成討論を行います。
  当条例は、地方自治法第74条第1項に定められた住民直接請求権に基づき1万1,039名の署名を集め、その制定を求めて市長に提出されたものであります。法定の署名が集められたことに対しては一定の評価をするものでありますし、議会としても規則に則り請求代表者の意見陳述も踏まえ、十分なる討議、検討をしてまいりました。
  申すまでもなく、世界の恒久平和は人類が等しく願うところであり、ある意味では有史以来の課題であると言えます。すべての人が願いながら、それが実現しないのはなぜか。その根本原因が究明されたときこそ、われわれが全く争い事のない理想世界実現を現実のものとして期待し得るのではないかと思います。有史以来の課題を、今この議会で議論させていただくことは、もとより力の及ぶところではございませんので、現実論に目を向けたいと思います。
  今回提案された条例は、大津市平和・無防備都市条例と名づけられ、冠の平和を見て思わず署名してしまったという方もあったのではないでしょうか。この条例により、本当の平和がもたらされるならと真摯な議論を重ね検討してきましたが、残念ながらこの条例をもって平和が保障されるとは言えませんし、まして国の法体系からしても大津市が平和・無防備地域宣言をする条例を制定することは違法と言わざるを得ません。同様な条例案が過去にも大阪等の地方公共団体で提出され、議論されました。目片大津市長は、意見書の中で極めて明快に既にふるさと都市大津恒久平和都市宣言を行っていること及び文化財保護法とこれに基づく条例の制定により文化財保護を図っているので、今さら条例制定の必要がないだけでなく、当条例が地方自治法等の法律に抵触すると述べておられます。これまで、同様の条例が提案された地方議会において議論され尽くした部分もありますが、政新会として論点を整理しつつ意見を述べさせていただきます。
  論点は次の三つです。
  第1は、この条例が法律に抵触すること。第2は、地方公共団体が無防備都市を宣言することができないこと。第3は、この条例によって平和が保障されるとは言えないこと。以上の3点であります。
  まず第1点、この条例が極めて違法性が強いということであります。地方自治法第14条第1項に、普通地方公共団体は法律に違反しない場合において条例を定めることができるとあります。したがって、条例の上位規範である法律に反する条例は、それ自体効力を有しないものと考えられます。国の安全に関わることは国の見解を待つまでもなく、一地方公共団体の権限、能力の及ぶところではありません。国は公式見解として、国の安全を守る責任は国にあると明快に打ち出しています。また、国民保護法ではテロなどの国民に被害が及ぶ状況は予想されるところでは、国と自衛隊、警察が一体となり力を合わせてこれを防ぐとあります。自衛隊法も、当然国の安全に責任を持つものとしての責務を果たすためには、法令全体が自衛隊が国の管轄下にあることを前提とした法律になっており、条例案にあるような戦闘員、兵器の移動や固定軍用施設の不使用を地方公共団体が決定することはできません。
  第2点、地方公共団体が無防備宣言できない点です。ジュネーブ条約には権限を持つしかるべき主体が宣言するとあります。また、赤十字国際委員会コメンタールは地方公共団体が宣言の主体たり得るとしていますが、その前段で戦時下、政府がその機能を果たし得ない状態に陥ったときとの前提があり、この前提を外してこの条約が地方公共団体の首長が宣言することを認めているかのような認識は明らかに誤認と言わざるを得ません。
  第3点として、これが真の平和と安全を保障することができない点について述べてまいります。ジュネーブ条約第1追加議定書により、戦時において無防備宣言をした国、地域に対しては攻撃を加えることはできないとしていますが、過去の例を見ると、残念ながらジュネーブ条約に違反して住民が踏みにじられた例がいくつもあります。具体的には、NATOによるユーゴの発電所、病院への爆撃、第2にイラク戦争時、イラク市民のバグダッド市民における略奪行為、第3にアフガンにおける米軍の病院への爆撃等であります。確かに、沖縄、前島において米軍はこれを占領しなかった例があります。これは日本軍の島への上陸を拒み、無防備にしたことにより守られたという一面もあるでしょうが、日本軍、米軍にとって地理的、戦略的にさほど重要視する島ではなかったので戦火を免れたというのが妥当のようです。
  そうした条件を考慮せず、無防備宣言をすることが攻撃を受けない方途であるとするのは適当ではありません。また、仮にジュネーブ条約に違反しても、その参加国から非難されるのみで、参加していない国はそれすらありません。また、厳正公平な国際司法裁判が行われたとしても、侵略の事実、被害が消えるわけではありませんし、失われた過去は戻って来ないのであります。
  以上、三つの観点からこの条例が不適当であることが明らかになりました。そもそも、世界の平和と安全があって日本の平和と安全が保障されるのであり、日本の平和と安全があって国民と大津市民の幸せが保障されるのであります。世界平和への道は険しいものがありますが、人類の悲願達成に向けて大津市民一丸となることを、この大津市議会から決意することを改めて確認して、委員長報告に対する賛成討論といたします。(拍手)



藤沢市議会(2005年4月18日)

古橋宏造 議員

  21社・民CLUBの討論を行います。
  平和はすべての基本、平和なくして暮らしなし、平和にまさる福祉なし。我が会派はこれらの言葉を肝に銘じ、非武装中立を究極の目標に据えて活動していると、まず申し上げます。20世紀は戦いの世紀だったからこそ、だれもが21世紀こそ平和、人権の世紀にしたいと願っています。しかし、我が国は国際貢献の美名のもと、かつての道に逆戻りの感があります。不戦の誓い、憲法9条が改悪される様相が如実に今日的状況を物語っています。こうした情勢を憂い、藤沢市平和無防備地域条例制定を求めた市民の皆様の直接請求行動は、まさに市民主役の行動、かつ地方分権、いや地方主権の模範の一つであり、市民との協働、市民と行政とのきずなを築くものとして受けとめます。また、市民の命、安全を守る道筋を示唆するものと認識しています。
  さて、藤沢市は82年、核兵器廃絶平和都市宣言、95年、核兵器廃絶平和推進の基本に関する条例を制定しましたが、いずれも表題は核兵器にかかわってです。今回の平和無防備地域条例では核兵器の有無のいかんを問わず、平和を創造する、発信する地方自治体の主体性を示すものとして、その趣旨、精神を了とし、賛成といたします。
  終わりに当たり、藤沢市が今後もより一層平和推進事業に取り組まれるよう要望をし、討論といたします。


加藤なを子 議員

  議案第1号藤沢市平和無防備地域条例制定について、日本共産党議員団の賛成の討論を行います。
  無防備地域条例を藤沢市が制定することは、日本国憲法と地方自治の本旨に沿って市民の生命と財産を守ることにつながります。このことは憲法9条を市政に生かし、地域に根づかせ生かすことです。ジュネーブ条約追加第一議定書は文民を保護するための条約であり、批准した日本政府は国民の生命と財産を戦争から守る義務を負い、具体的対策を施さなければなりません。また、条例制定の根拠となっているジュネーブ条約追加第一議定書の第59条の適当な当局の解釈は、この議定書を中心的に作成した国際赤十字委員会自身がコメントしているように、適当な当局には市長や知事のような自治体当局が含まれると説明しています。追加第一議定書は戦争から文民を守るための国際人道法です。戦時下だけでなく83条、58条は平時からの努力を規定しています。戦時下においてこの宣言が認められる4つの条件がかなえられるようなことは、ほとんどあり得ないと思います。平時から戦争に協力しないと宣言し、無防備地域として世界に認知される働きかけを行政と市民がし続けることこそ、議定書が言う無防備地域宣言を実現する道です。
  また、審議の中で法律を超える条例はできないとの議論がありましたが、批准された国際条約は法律と同じ効力を持ち、法律と国際条約とのどちらを優先するかは最高法規の日本国憲法から判断すべきものです。さらに、有事法制と国民保護法は、ただ備えの重要性だけで地域住民を戦時体制づくりに駆り立てていくものです。平時から国民や自治体に戦争協力体制を押しつけることをねらっています。
  国は国民保護計画の基本指針を示し、その指針は藤沢市のような人口密集地における避難をどうすればよいのか、航空機攻撃の場合や弾道ミサイルの場合などどうするのかについては、結局のところ逃げることしかないと指示するだけです。だとすれば、国民保護法では市民を守ることはできないのではないでしょうか。地域の平和を守るためには戦争を起こさないための行政を市民とともに推進し、戦争をしない地域の宣言をすることが必要です。日本国憲法9条を守り生かすことは、日本国全体が無防備地域の宣言をしていることになります。そうすれば、このような条例制定をしなくても済みます。
  私どもは憲法9条を守り、どこの国とも軍事同盟を結ばない、世界の大きな流れである非同盟中立の日本をつくることが、日本が戦争をしない国であり続ける保障になると考えています。この平和無防備地域条例は核廃絶宣言と条例制定をさらに発展させ、核兵器だけでなく通常兵器での戦争を含めて、藤沢市と市民は戦争を行わないという不戦の宣言をすることです。このことは市民の平和で安全な生活を実現することにもなります。
  市長の意見で条例制定に賛成できない理由として4点ほど挙げていましたが、これらは国の見解がそうであるというだけで、地方自治体みずからの意思が見えてきません。市民の生命と財産を守る本来の役割を積極的にとらえて、平和な藤沢市をつくる立場を発展させていただきたいと思います。そのことが市長の答弁にある地球的視野を持って地域で行動を起こすことになります。未来を担う子どもたちのためにも、何よりも一番大切である人の命、平和を重視するべきです。日常的に基地や武器を持たない町をつくることこそ平和への確かな手段です。
  最後に、戦争によって犠牲になるのは罪のない一般の人々です。21世紀の世界は核兵器を廃絶し、戦争のない世紀にしなくてはなりません。そのためにも日本国憲法を市政に生かし、無防備地域宣言を行い、平和都市藤沢を世界に発信することです。このことが平和を求めるたくさんの藤沢市民の願いをかなえることになると考えます。
  以上、日本共産党議員団の討論といたします。


植木裕子 議員

  議案第1号藤沢市平和無防備地域条例の制定に対し、神奈川ネットワーク運動・藤沢の討論を行います。
  市長は市民の生命、身体、財産について責任をとるべき自治体と認識をするのであれば、平成7年に制定された藤沢市核兵器廃絶平和推進の基本に関する条例の中に市民の平和、安全な生活の維持向上が明記されているので屋上屋の必要はないということではなく、10年たった今、日本の情勢が変わってきているこのときに自治体発信で平和の条例をつくってもよいのではないかと考えます。条例の内容に対し市の答弁は、国の法律に抵触するおそれがあるジュネーブ条約第一追加議定書第59条が紛争当事国同士のもので、平時にこの条約を当てはめるのはなじまない等の理由で反対ということでしたが、憲法や非核三原則の理念からは地方からの発信は可能であり、平時にジュネーブ条約の理念をもととしたこの条例を制定することは、大変大きな意味があるのではないかと考えます。
  今回の平和無防備地域条例制定の動きは、有事関連の法律が次々と制定され、日本も有事が起こり得る状態になっているのではないか、戦争ができる国に少しずつ進んでいるのではないかと心配した市民が、平和を求めてこの条例の制定をしたいという動きにつながったものだと考えています。また、この運動が直接請求という多くの市民に呼びかける行動をとったため、平和無防備地域条例を制定したいと思った市民が少なくとも1万8,703人いたということではないでしょうか。この多くの市民の意思を最大限尊重すべきと考えます。
  よって、総務常任委員会報告には反対、藤沢市平和無防備地域条例制定に対し賛成といたします。



荒川区議会(2005年3月16日)

相馬堅一 議員

  議案第三十二号、荒川区非核・無防備平和都市条例について、賛成の討論を行います。
  本条例は、ジュネーブ条約追加第一議定書五十九条の実行を標榜するもので、憲法九条の非戦の誓いとも軌を一にするものと考えられます。二十世紀の二度にわたる大戦への反省、また、日本が再び戦争の惨禍を繰り返さないと誓った憲法九条は、交戦権を認めず、軍隊もまた持たないことを宣言いたしました。
  しかし、現状は、平和憲法を踏み破り、自衛隊の海外派兵、給油艦船がインド洋などで米英などの軍事作戦に参加する事態になっています。さらに、有事法制を整備し、アメリカの先制攻撃に参加することも可能とし、とりわけジュネーブ条約にも反する文民の大量虐殺や捕虜の虐待を引き起こしているイラク戦争に派兵を継続している事態に深刻な危惧を抱くものであります。
  今後、国民保護法に関する自治体での議論も予想されます。このようなもとで憲法遵守と九条の非戦の誓いを地方自治体から宣言することの重要性を強く訴えるものであります。
  本請求に区長意見として、政府が認めないからできないというのでは、住民の命と財産を守るべき地方自治体としての自律的な姿勢が問われると考えるのであります。
  戦前、大日本帝国憲法下、軍国主義による強権と民主主義破壊、地方自治もないもとで戦争を遂行したことへの反省が問われるのであり、非戦の誓いこそ基本的人権、地方自治の本旨と表裏一体であると申し上げたいと思います。
  戦争は決して自然災害ではありません。住民の生命、財産を確保するのは戦争の惨禍を避けることが最大の道であることは論をまちません。軍事化や有事法制制定が基本的人権の制限をもたらす歴史の繰り返しを許すのではなく、中央政府を牽制する地方自治の意義を再確認すべきことを強く訴えて、賛成討論といたします。(拍手)



枚方市議会(2004年12月17日)

中西秀美 議員

  議案第38号 枚方市平和・無防備都市条例の制定について、日本共産党議員団を代表し、討論を行います。
  日本国憲法は、その第9条で、「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」とうたい、さらに、その目的を達するために、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」と定めています。
  にもかかわらず、政府は、イラクに自衛隊を派遣し、有事法、武力攻撃事態法を制定し、これらを出動させるためにも有事関連法の制定を行いました。これは明らかな憲法違反であり、時代の逆行でもあります。国際的な紛争の解決は、武力に頼るのではなく、国連憲章を守り、平和のルールを守りながら図るというのが、今、世界の大きな流れであります。
  日々伝えられているイラクの戦況を見ても、アメリカとそれを支持する国が世界から孤立していることは明白であります。
  私たちは、今紛争が起こっているパレスチナ問題でも、平和的話し合いで解決をすること、戦争を起こさせない平和的テーブルで紛争を解決することが何よりも大切であると考えます。そのために、世界に誇る憲法第9条を遵守し、日本を戦争に巻き込む日米安保条約をなくす道こそ、21世紀の日本の平和を守るものだと考えます。
  今回の条例の根拠となっているジュネーブ条約追加議定書に対しては、憲法学者の中でもさまざまな解釈の違いがあるのは事実であります。しかしながら、戦争のときに人権保障を求めるのは当然であり、一定の条件下で生命、財産を守ることは最低限保障されなければなりませんが、イラクではアメリカ兵による国際人道法を欠く事態が起こっているというのが現実です。
  枚方市平和・無防備都市条例では、前文で、枚方市が非核平和都市宣言を府下自治体の中で最初に行ったことを評価しています。第1条で、戦争と武力を永久に放棄するとした日本国憲法の理念、非核三原則、国際人道法、枚方市非核平和都市宣言に基づくものであること、第2条で、戦時のみならず平時から軍事を目的とした市民権の制約や財産権の侵害を受けることはないとし、第3条で、戦争に協力する事務は行わない、輸送の通過を禁止すること、第4条で、非核三原則を遵守することなどが明記され、平和の尊さとそのための行政の責務を述べています。これらの条文には、日本がアメリカの強い要求を受けて戦争への道をひた走っていることに不安と危険を感じ、愚かな過ちを繰り返さない、一般市民を戦闘に巻き込ませてはいけないという切実な願いが込められています。
  第二次世界大戦では、アジアで2,000万人、日本では310万人の尊い犠牲が払われました。戦後半世紀以上を過ぎてもなお、家族を失った悲しみ、悔しさ、心の傷をいやせない人々がたくさんいます。二度と戦争は起こさない、これが、悲惨な経験をした人だけではなくて、戦争を知らない世代を含むすべての人々の願いであり、決意であります。
  火薬庫の町、戦争協力の町だった枚方が戦後いち早く非核平和都市宣言を行ったのは、戦争の苦い教訓を後世に伝え、生かそうとする市民の強い働きかけがあったからにほかなりません。条例制定の直接請求に込められました1万8,621人の平和への願いをしっかりと受け止めて、名実伴う平和の町枚方からのメッセージを全国に発信することで、行政のその役割を果たすべきであります。
  国が憲法をじゅうりんし、無法のもとでイラクへの自衛隊派遣の延長をしようとしているとき本条例を制定することは、憲法第92条の地方自治の本旨に基づいて、市民の平和と安全を確保するという地方自治体の責務を全うし、拡充することを意味するのであって、政府の見解などに何ら拘束されるものではないことを申し上げまして、賛成の討論といたします。


池上典子 議員

 議案第38号 枚方市平和・無防備都市条例案に対するひらかた市民会議の見解は、先日の総務常任委員会での討論で、高橋議員から詳細に述べさせていただきましたが、補足する意味で、改めて私からも討論させていただきます。
  委員会審査の中で、条例案の第5条について見解が分かれました。これは、第5条の無防備地域宣言が、平和時に行うことを前提としているか、または非常時を前提にするかによって分かれるものだと考えております。平和時に無防備地域宣言を行っても、実際的な意味がないのは明らかでございます。また、ジュネーブ条約追加第一議定書第59条が平和時の宣言を前提としていないだけに、国の防衛政策との整合性の関係から矛盾が出てくると思います。これは、市長の意見書の述べられるとおりであります。
  しかし、相手国軍が間近に迫り、我が国の自衛当局や中央政府機能が麻痺している極限状態において、地方自治体が住民の生命、安全を守るために、ジュネーブ条約に基づいて無防備地域宣言を行うことは必要なことであり、また、地方自治体の義務に属することだと考えております。
  追加議定書第59条とこの条例案第5条は、そういう非常時に、市長に対して住民を守る義務を明確にしようとするものであって、平和の在り方が問われている現在において、今、まさに必要な条例であると私たちは考えております。
  また、この見解が政府の公式見解に沿わないことは承知しております。しかし、政府が自らの機能麻痺状態を想定した見解を述べることは考えられず、地方自治体が自ら条約を解釈して、しかるべき行動をとることが、当然必要であると考えます。
  また、政府は、条約と地方自治体の条例の間に法律がなければならないという見解をとっておりますが、地方自治体が直接条約に基づいて条例を制定できることは、地方自治の本旨からも、また、既に本市にも法律に基づかない条例が存在することから、明らかでございます。
  私どもひらかた市民会議は、現在の国際紛争のパターンが20世紀型の戦争とは異なっている実態を踏まえ、枚方市における平和施策の新たな指針として、この条例が今必要であると考えます。
  ただ、自衛隊が軍隊に該当するかどうかの解釈にもよりますが、平和時において、市に対して第3条の責務を課すことは、有事関連法との関連上、現実的に困難であるとも考えられ、一部の条項の見直しと明確化が必要だと考えます。
  以上、意見として申し添え、ひらかた市民会議を代表し、署名運動を進められた実現する会の皆さんが、旧来型の平和運動からより現実的で具体的なジュネーブ条約に一歩踏み込まれたことに敬意を表明するとともに、署名された1万8,621人の市民からの平和に対する熱い思いにこたえ、この条例案に賛成であることを申し上げ、討論とさせていただきます。

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